レゾンデートル (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社
3.81
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本棚登録 : 2138
感想 : 141
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408554747

感想・レビュー・書評

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  • 死ぬ事が決まってたら、怖いもんはない?
    末期癌で、もうあかんにしても…
    それ以前に、死ぬことが怖いかな?
    それも何にも使命ってもんを果たさずに…
    そんなの若い時に、宣言されたら、自暴自棄になるわな〜 それに唯一、残りの命を費やしても守る娘が登場!

    「切り裂きジャック」ともう1つの事件を絡めて、怒涛の如く突き進む!
    (でも、ページ数多いから、これぐらいでないとあかんかも?)
    小さい頃に不幸な経験あった人ばかり…
    こんなに居たら、何かとんでもない事件に起こりそうやな。そんな集中しておるかは疑問やけど。

    話は、各登場人物毎に進めるという語り方。
    自分と照らし合わせると、今まで何しとってん!ってなるのが辛い(^◇^;)
    存在理由とか、そんな高尚な事考えて生きてるか?って…

    「死ぬとき人間はな、いろんな顔するんだよ。滅茶苦茶に苦しそうな顔するやつもいれば、泣いたような顔になるやつもいる、あと驚いたような顔もな。けどな、時々、笑顔で逝くやつがいるんだ。死ぬ瞬間で意識も失って、体は悲鳴上げてるのにだぜ。そういうやつらはな、みんながみんな、人生に満足してるんだよ。やるべきことはやった。思い残すことはないってな。そうやって周りの人に看取られていくんだ」

    さてさて、私自身は、笑って死ねるかが気になるところ…

  • ★3.5

    末期癌を宣告された医師・岬雄貴は、酒浸りの日々を送っていた。
    ある日、不良から暴行を受けた岬は、復讐を果たすが、現場には一枚のトランプが―。
    そのカードは、連続殺人鬼「切り裂きジャック」のものと同じだった。
    その後、ジャックと岬の奇妙な関係が始まり…。

  • 末期癌を宣告された医師の岬雄貴は、自分を痛めつけた不良への復讐をきっかけに連続殺人犯の共犯となる。

    うそぉ!みたいな展開だけど、最後まで読めた。
    ハードボイルド?かな。

    知念実希人作品の登場人物、好きかも。
    雄貴もときどきめっちゃクサい台詞使うんだけど、なんか良いかなと思った。

    【レゾンデートル】とは、存在理由の意。
    自分の命が残り僅かになったとき、どう生きていくか。
    雄貴の生き方は間違いだらけだと思うんだけど、最後の雄貴の行動はあの状況でできる最善の選択だったのかな?


    「『死』は敗北などではないと。そしてもっとも重要なことは『死』から逃れることではなく、『死』を受け入れるまでに、いかに意味ある『生』を送れたかなのだと。」

  • 最後には収束するものの、ちょっと要素が多すぎて発散している感じがします。視点人物を変えながら短い断片が続く構成もあって、なかなかメインストーリーに集中できなかった。面白さはあるだけに、もうちょっと読みやすいとよかったな。

  • 末期ガンで余命宣告された医師岬。連続殺人鬼の正体を暴き、少女を救出するのに残された時間はあとわずか。余命というタイムリミットが物語に緊迫感を与え面白くしている。

  • これは面白かった!
    レゾンデートル=存在理由
    生きる意味を問う物語
    笑って死ぬことができるのか...
    ハードボイルドエンターテイメントストーリ
    このような展開は大好きです。

    ストーリとしては、
    末期がんの宣告された医師の岬雄貴。
    不良から暴行を受けた岬は、復讐を果たすも、連続殺人鬼の「切り裂きジャック」に弱みを握られ、共犯関係へ。
    そんな岬のもとに転がり込んできた沙耶
    ある事件に巻き込まれた沙耶を救いつつ、奇妙な同棲関係はどうなる?
    そして、切り裂きジャックを追う刑事、自身も疑われることに。
    ジャックを探し出し対峙することを決めた岬
    残された人生をどう過ごすのか?
    沙耶を守ることができるのか?

    といった展開です。
    圧倒的なスピード感。
    クライマックスシーンはもちろんぐっときます。
    エンターテイメントとして楽しめます。

    そして、考えさせられるメッセージ
    「死」は敗北ではなく、
    「死」を受け入れるまでに、いかに意味ある「生」を送れたか
    この世に生きた意味
    とは

    とても大好きなストーリ展開でした。
    とってもお勧め!

  • ミステリー書評
    読書レベル 初級〜中級
    ボリューム 478頁
    ストーリー ★★★★
    読みやすさ ★★★★★★!
    トリック  ★★★
    伏線・展開 ★★★★
    知識・教養 ★★★★★
    読後の余韻 ★★★
    一言感想:ノンストップ・医療・サスペンスが好きな方にオススメの作品です。

    最初から最後までノンストップ!中弛みもなく、サスペンス要素がかなり強めなので、ハラハラドキドキ感も存分に楽しめる作品でした。ストーリーや語句も非常に分かりやすくて読みやすく、ページ数は多めですが読書初心者にもオススメできると思います(場面や視点が激しく切り替わったりして読者が迷子になる事はないです)。

    本筋とは外れますが、ストーリー内で語られる剣道の極意にグググッと惹かれてしまいました。間合い詰め、剣先を交え、互いの目線や呼吸を確認しながら激しい心理戦…一度、やってみたいです(笑。

  • ザ ハードボイルド。
    生と死を描き、生きる意味『存在理由』を描く。
    最後まで、息の詰まるサスペンス、アクション。

    『死』は敗北などではないと。そしてもっとも重要なことは『死』から逃れることではなく、『死』を受け入れるまでに、いかに意味ある『生』を送れたかなのだと。

    逃げずに、自身の存在理由を問うために生きる。そんなメッセージのある、エンターテイメント作品。

  • 知念実希人氏のデビュー作。
    『人生の意味は、あの世に行く瞬間に決まると思うんだ。』

    プロローグから始まるジェットコースターのような様々な展開。二転三転するストーリー。
    それぞれの登場人物の視点から語られる物語。
    訳ありだらけのキャラクター。
    一気読み必死の作品です。

    末期癌を宣告された医師・岬 雄貴。
    彼を心配しつつ見守る女医・柴田 真琴。
    歌手を夢見る家出少女・南波 沙耶。
    売れない週刊誌記者・宇佐見 正人。
    そして、謎の殺人鬼・切り裂きジャック。

    それぞれの登場人物の視点から語られる物語は、生々しく、それぞれの『存在理由』とは何か、何が正義なのか?難しい問いですね。

    後半明らかとなるジャックの正体は、まさかの...
    最後、己の身を挺して彼女を守る岬の姿に、ウルウルです。

    エピローグ、お墓の前で、出会った女性2人の会話にしんみりしました。

  • 大好きな知念実希人さんのデビュー作。
    まだ読んでいなかったのかと自分でも驚き。

    映画を見ているように、情景の浮かびやすい作品でした。
    マニアックなものではなく、とても大衆向けだと感思います。良い意味で。
    小難しい表現もなく、ちょっとグロテスクですが、ミステリを普段読まない人にも読みやすいのでは。

    個人的に医療物が大好きなので、薬の名前や色んな数値、治療法、医療技術の名前が出てくるのでたまりません。
    一つ一つ調べながら読んでいくのが楽しすぎました。

    やっぱり大好き知念さん。

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著者プロフィール

1978年沖縄県生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。医師。2011年、第4回「ばらのまち福山ミステリー文学新人賞」を受賞し、12年、同作を改題した『誰がための刃 レゾンデートル』で作家デビューする。代表作に、「天久鷹央」シリーズがある。その他著書に、『ブラッドライン』『優しい死神の飼い方』『機械仕掛けの太陽』『祈りのカルテ』「放課後ミステリクラブ」シリーズ等がある。

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