終わらない歌 (実業之日本社文庫)

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  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408552620

作品紹介・あらすじ

声楽を志して音大に進学した御木元玲は、自分の歌に価値を見いだせず、もがいている。ミュージカル女優をめざす原千夏は、なかなかオーディションに受からない。惑い悩む二十歳のふたりは、突然訪れた「若手公演」の舞台でどんな歌声を響かせるのか。名作『よろこびの歌』の三年後を描き、宮下ワールド屈指の熱量を放つ青春群像劇、待望の文庫化!

感想・レビュー・書評

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  • あなたは、『あきらめ』の感情を知った瞬間を覚えているでしょうか?

    人は無限の可能性をもってこの世に生まれてきます。しかし一方で、オギャーと泣いて産まれたあの日から、一日一日が経つにつれ、そんな可能性はどんどん狭まっていきます。遺伝が大きな役割を果たす事ごともこの世にはたくさんあります。また、生まれた環境にも人は大きく左右もされるでしょう。必ずしもやる気ばかりじゃどうにもならない、それが人生とも言えます。そんな人生の中で人はやがて『あきらめ』の感情を知ります。

    そして、人はそんな『あきらめ』の感情をさまざまな場面を重ねる中で感じとっていきます。例えば、『歌が好き』で、その道を極めたいと思う人がいたとします。その人は努力の甲斐あって、音楽大学へと進みました。そう、それは『私は入学したときにはすでにある程度歌えていた』という始まりです。しかし、『ここに来る人はみんな耳がいい』という中では、『クラスの二十人がどれくらい歌えるか、それこそ全員がわかってしまっている』という現実がそこに大きく立ちはだかります。そんな中では、『ある程度、というのは七番から十番くらいの間』を言うのかもしれません。しかし、『誰かの歌を聴きたいと思ったとき、たかだか大学のひとクラスの中で七番目の人間の歌をわざわざ聴きに行こうとは思わないだろう』、そう、それは厳しいですが現実なのだと思います。

    “青春とは人生のある時期ではなく、心の持ち方を言う”。サミュエル・ウルマンさんの有名な言葉があります。私はそんな言葉の先に、青春をこんな風にイメージします。”無限の可能性を持って産まれた私たちが、『あきらめ』の感情を受け入れてしまうまで、それを青春という”、どうでしょうか?

    さて、ここに『歌がうまいってどういうことだろう』と、ふと考える一人の音大生が主人公となる物語があります。そんな女性は、『私は自分が今狭苦しい場所にいることを忘れたくない』という迷いの中を生きています。『何が足りないのか。どうすればいいのか』と、自問を続けるその女性は、『私はどうして歌うんだろう。歌がうまいかどうかは何で決まるのだろう』とも思います。この作品は、そんな女性が、『夢は遠い。希望は儚い。どんなに手を伸ばしてもつかめないかもしれない』と思いながらも『それでも希望を持たないわけにはいかない。夢に向かわずにはいられない』と、前を向く物語。一番になれないという苦悩の中で『もしかしたら、一番になれないことで得られるものがあったのか。一番の人には見えない景色を、私は見る』と、顔を上げる物語。そしてそれは、そんな女性が『ようやくここで歌うことができる。そのよろこびをかみしめることができる』、『わけもなく、歌いたくてしょうがない』という「終わらない歌」を歌う喜びを知る物語です。
    
    『午後の授業を終えてテキストを鞄にしまおうとしたところで、携帯が光っているのに気がついた』のは、主人公の御木元玲(みきもと れい)。『今夜、行っていい?』、『八時に「だいこん屋」。遅れそうだったらまた連絡するね』というそのメール。そんなメールを見ている玲の前を『また明日ね』と篠原が帰っていきました。『クラスで一番点数が高い』という篠原の歌を思い出す玲は、『二号館脇のベンチにすわり』『音のしないヘッドフォンを耳につけて』、『足下を見』ます。『何が足りないのか。どうすればいいのか』と思うも『問いばかりで答はない』とも思う玲は、『私は情熱がほしい。どんな障害をも越えていく情熱』と願います。『大学へ入って一年半になるのに、ほんとうに心の許せる友人などひとりもできな』いという今を過ごす玲。そんな玲は『大学に入ったら一度は家を出るよう』母親から言い渡され一人暮らしをしています。そんな母親から言われた『人生って案外短いんだから。今勉強しないでいつするの』という言葉を折に触れて思い出す玲。そんな母親に『弱気なことはいえない。いいたくない』と思うものの『もしかしたら、私に歌は歌えないのではないか』と迷いの中にいる玲。そんな玲は『改札を出たところで、肩をたたかれ』ました。『今の電車だったの?』と訊くのは千夏。『高校の同級生だった千夏』は、進学せず『バイトを二つ掛け持ち』しながら『小さなミュージカルの劇団にも属してい』ます。進学も就職もしなかったのは『いつか本命で忙しくなって働けなくなるときが来る』という『千夏の誠意』でした。『歌を歌い、踊り、芝居をする。そのために生きている』という千夏。そんな千夏に、『バイトしたいと思ってるんだ』と語る玲は、その理由を『バイトして、今まで見たことのないものを見たいから』と説明します。そんな説明に『結婚式で歌うバイト』を薦める千夏に、『それじゃバイトする意味がない』と思う玲は自分が『歌から離れたい』と感じていることに気づきます。そして、『だいこん屋』に入り腰を下ろすや否や、『玲、あのね、ニュースがあるんだ』と口元から笑みをこぼす千夏は『小さいけど役がついたの!』と『ささやく声で叫』びます。『ひとりで歌うシーンもあるんだ』と続ける千夏に『すごいじゃない。楽しみだよ』と祝福する玲。”校内合唱コンクール”で繋がった二人の絆。そして、高校卒業後、それぞれの道に分かれてそれぞれの道を生きる玲と千夏の今が描かれていきます…という最初の短編〈シオンの娘〉。感動的に幕を下ろした前作「よろこびの歌」の記憶を呼び覚まし、その先に続いていく彼女たちの物語が前作の世界観の延長線上に絶妙に描かれていく好編でした。

    “名作「よろこびの歌」の三年後を描き、宮下小説ワールド屈指の熱量を放つ青春群像劇”と内容紹介にうたわれるこの作品。”私たちは交わった。ぶつかって、混じりあって、私たちは変わった”という、人生を前に進んでいくための一つの起点を手にした女子高生たちの感動的な物語が描かれた前作「よろこびの歌」。そんな前作で描かれた”ハッとするような、美しく、それでいて心に沁み渡っていくような絶妙な表現の数々が、読者を物語世界の虜にさせる - さてさて氏レビューより抜粋”という作品世界は宮下奈都さんの魅力を存分に味わうことのできる絶品でした。そして、その続編となるこの作品では、それぞれの戸惑いの中に青春を生きる主人公たちの心の内を美しい比喩表現の中に描いていきます。幾つかご紹介しましょう。

    ・『才能がほしい。個性がほしい。多くの学生がそう願って、それを隠して、暗い炎を燃やしている。何かの拍子にそれを見るのがつらい。私の炎も誰かに見えてしまうことがあるのかもしれなかった』。
    → 音楽大学に入学後一年半が過ぎた玲は、『何が足りないのか。どうすればいいのか』ともがき苦しむ日々を送っていました。それを他の学生の中にも見る玲。『多くの学生が、きっと自分の資質を疑い、この先の人生に明るい道筋を見出せずにいる』という感情を『暗い炎』という絶妙な表現で描きます。

    ・『このままどこかへ行ってしまいたい。そう思ったけれど、どこかなんてない。どこかという場所にはちゃんと名前がついていて、私を待っていてくれるどこか、私を受け入れてくれるどこかなど、どこを探してもないのだ』。
    → オーディションに不合格となった千夏。『あなたの弱点は、育ちがいいこと』と言われ困惑する千夏。そんな千夏が抱く思いをこんな風に表現します。『どこかへ行ってしまいたい』といった思いは誰でも一度は胸に抱いたことがあると思いますが、そんな一文の『どこか』にこだわったこれまた絶妙な表現です。

    ・『歌っても歌っても手応えを得られなくなっていた私の、千夏は最後の砦だった。この子がいてくれるから、私は祠の火を消さずに済んできたのだと思う』。
    → 『自分で自分の力を信じることのできなくなって』しまった玲。そんな玲のことを真摯に想う千夏。『私の歌を信じて聴きたがってくれる人がいる』とそんな千夏の存在に力を得ていく玲の心の内、諦めずに前に進もうとする気持ちの内在を『祠の火を消さずに済んできた』と表現します。

    この続編では、玲や千夏のもがき苦しむ内面に、より光が当てられていきますが、いずれもそんな心の内が切々と語り上げられる中にこれらの表現は登場します。極めて宮下さんらしい表現であると共に、この”青春群像劇”の作品世界を絶妙に彩っているように感じました。

    そんなこの作品は紛れもない続編です。普段、続編を書きたいと思ったことはないという宮下さんは”「よろこびの歌」に関しては、自分には続編を書く責任があるんじゃないかと感じたんです”と語られます。そして、青春の悩みの中にもがき苦しむ主人公たちが登場する作品世界を、”彼女たちを幸せにしてあげたいとは思うけれど、実際にはあちこちに壁があって、その時にはいいと思ったことが後で違ったりもする。一緒に考えながら書いています”と続けられる宮下さん。青春時代というものは、悩み苦しむ時代であるとも言えます。努力が簡単に形になるようなことはなく、一方で他人はそんな自分の悩み苦しみが嘘のように、どんどん先に進んでいってしまう。追い越すどころか、追いつきたくても追いつけない、その対象が何であれ、そのような苦しみの経験を他人事に語れる人はいないのではないでしょうか?この作品は、前作「よろこびの歌」と同様に六つの短編が連作短編の形式をとります。そして、最初と最後の短編の主人公が玲、サンドイッチになった四つの短編には、前作に登場した玲の友人たちが主に視点の主となる構成をとっています。前作を知る読者は、前作で高校生だった彼女たちのその後の人生を、人生の続きに何があるのかを見ることができます。

    『中学のソフトボール部で無理をして肩を壊し』たことで、未来が閉ざされたと感じる中に生きていた早希は、『裏方であるスポーツトレーナー養成用の講義を受ける』納得できない今を生きています。『あの頃以降の人生は影』だとまで思うその苦悩に気が滅入っていく早希。『合唱』で玲と出会ったことで、歌うことに魅せられていった千夏。『小さなミュージカルの劇団に』所属し、『いつか舞台の中央に立つ』ことを夢見ていますが、『あなたの弱点は、育ちがいいこと』と言われオーディションに不合格となる中に苦悩の日々を送る千夏。そして、前作同様に最初と最後の短編で視点の主を務める玲は、音楽大学へと進学はしたものの、『私の歌に私自身が価値を見出せない』という中、『歌がうまいってどういうことだろう』、さらには『私はどうして歌うんだろう。歌がうまいかどうかは何で決まるのだろう』と今の自身に全く自信が持てない不安定な感情の中に毎日を過ごしていました。

    鬱屈とした物語、前に進もうとしても進めない、足踏みの感情が続く物語、出口を探しても見つからない、明かりがどこまでも見えない物語は読んでいて息苦しさを覚えます。それが極まるのが次の表現です。

    『夢は遠い。希望は儚い。どんなに手を伸ばしてもつかめないかもしれない。夢も希望も、挫折や絶望のすぐそばにある。もしかしたら、欲しがらないほうがいいのではないか、希望など初めからないほうがよかったのではないかと疑いながら、それでも希望を持たないわけにはいかない。夢に向かわずにはいられない』。

    まさしく青春の苦しみの中に、前に進むきっかけを得るまでの迷いと戸惑いの感情を絶妙な表現で描いていく物語は、最終章〈終わらない歌〉で内容紹介に書かれたもう一つの側面が顔を出します。それが、”屈指の熱量を放つ”という、結末に向けた信じられないほどの”熱さ”です。最終章に描かれる物語、それは表紙にも描かれる玲と千夏の友情を感じる先に続いていく物語です。この章を読んでいて、自分の心の中で何かが反応し、気持ちが昂ぶり、そして身体がかっかと火照ってくるのを感じました。そう、まさしくこれはすざまじいまでの熱量を感じさせる物語です。

    『私たち、2Bで最後に歌ったとき、未来の自分に向けて歌うんだって決めたじゃない。覚えてる?今、あのときの未来だよ。あのときから、ちゃんと今につながってるんだ』。

    そんな風に千夏が語る先に描かれる感動の物語。それは、「よろこびの歌」と「終わらない歌」という絶品二作を読み終えた読者に、宮下さんがプレゼントしてくださる”感動”という名の贈り物でした。そこに描かれる人と人との交わりの中に奇跡が起きる瞬間をひとりでも多くの方に是非味わっていただきたい、心を熱く、熱くしていただきたい、そんな感動的な結末がそこにはありました。

    『私はただ、今、歌いたい。ここで、終わらない歌を』という瞬間を見るこの作品。そこには、前作「よろこびの歌」で、人との交わりを避け、何にもやる気を見い出せずにいた主人公・玲、千夏、そしてクラスメイトたちの三年後の姿が描かれていました。THE BLUE HEARTSの名曲「終わらない歌」の歌詞を大胆に物語の展開に織り込みながら、青春の苦悩の中に生きる彼女たちのその後を感動的なまでに描きあげるこの作品。

    物語世界に常に誠実に向き合い続ける宮下奈都さん。そんな宮下さんの”続編を書く責任がある”という強い想いが生み出した傑作だと思いました。

  • この本が続編であることに気づかず、こちらを最初に読んでしまいました。
    そこは素直に反省です。
    いつか遠くない先に、まとめて読んでみたいと思います。

    宮下さんの本は本当に外れがなく、本書も絶賛に値しますね。
    空気感がすごいです。
    歌一つの周りを取り巻く空気。
    それを支える、創り出す友人、プロデューサー、監督、舞台、観客。

    観客から伝わる、得られるものは決して無視できるものではなく、大きいはずです。今はコロナでその機会は減っていますが、一体感はその場にいないと伝わりませんね。

    歌い始める第一声から観客をつかみ、観客から返されるものを受けとって一体になっていく様が文から伝わってくるのです。そこでうるうるしてしまうのですよ~
    すばらしい。すごい。

    娘が異国で音楽で頑張っています。
    同じようなものをあちらで感じでいるであろう、と思うと感無量です。
    親ながら成功を祈っています。

  • 『よろこびの歌』の続編。前作とストーリーラインに大差はないが、後半の盛り上がり方(ライブ感)は圧巻。しばらくはブルーハーツの曲が脳内再生を繰り返すことになりそうだ...。
    「夢は遠い。希望は儚い。どんなに手を伸ばしてもつかめないかもしれない。夢も希望も、挫折や絶望のすぐそばにある。もしかしたら、欲しがらないほうがいいのではないか、希望など初めからないほうがよかったのではないかと疑いながら、それでも希望を持たないわけにはいかない。夢に向かわずにはいられない。」

  • 「よろこびの歌」の数年後。彼女達の悩み、足掻きは続いている。各章、音楽が効いている。特にcosmosはgood!
    世界にひとつだけの花に通じる願いを合唱曲が歌い上げていて、何度もYouTubeで聞いてしまった。
    前作も込みで良い小説だった。

  • 最後のエピソードが一番心に残った。打ち込めるものがあるって素晴らしいと思います。
    よろこびの歌未読で読んだのですが、充分楽しめました。

  • 気に入った本は老後にまた読むつもりで保存版として購入するものの、数年以内に再読する性分ではないため、『よろこびの歌』の続編といわれても、記憶は薄ぼんやりどころか遠い彼方。ま、「女子高でいろいろもめて大団円」ぐらいに覚えていれば大丈夫なお話です。

    女子高の校内合唱コンクールの様子が描かれた『よろこびの歌』。本作は、主人公の玲をはじめとする当時の同級生たちの3年後という設定(出版されたのもきっちり3年後)。音大に進学した玲を皮切りに、さまざまな進路を選択した5人それぞれの物語。ミュージカル女優だったり、トレーナーだったり、葛藤しながら目指す夢。当事者目線の物語が占めるなか、短大卒業後に東京を離れて就職することを決意した同級生あやの章は、当事者ではなく、彼女の就職先の先輩の目線。そしてこの章がとてもいい。

    「いっしょけんめい」という言葉。由来からして「一所懸命」が正しいということは知識として持っていましたが、なんとなく字面や語呂がいいような気がして「一生懸命」を使っていました。この章を読むと、「一つ所を懸命に」という気持ちを大切にしたいと思えます。お侍さんじゃないけれど(笑)。

    合唱曲『COSMOS』が聴きたくなります。

  • よろこびの歌の続編。
    高校を卒業し、大学の声楽科へ進んだ玲。
    ミュージカルの道を目指しバイトをしながらレッスンに励む千夏
    そして、あの時のクラスメイトたち。
    各々、自分の進んだ道に悩み苦しんでいる。

    そんな中、自分なりに次に進もうと「たたらを踏んでいた」足を動かし始める。
    ラストに向かい、皆がどんどん飛躍し盛り上がっていく姿がとてもまぶしかった。

  • 『よろこびの歌』の続編。前作を読んですぐだったのに、微妙にクラスメイトを忘れていた。残念。題材は凄く好きなんだけど文章がいまいち入ってこない…ハイロウズを知らないせいか?でもラストに向けてワクワクが心地良かった!もっと玲や千夏の成長を見たかった。

  • もっと若い頃に読めば良かったかも。

  • 複数人の視点で紡いていくのうまい
    誰かが足りないもそうだったか

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著者プロフィール

1967年、福井県生まれ。上智大学文学部哲学科卒業。2004年、第3子妊娠中に書いた初めての小説『静かな雨』が、文學界新人賞佳作に入選。07年、長編小説『スコーレNo.4』がロングセラーに。13年4月から1年間、北海道トムラウシに家族で移住し、その体験を『神さまたちの遊ぶ庭』に綴る。16年、『羊と鋼の森』が本屋大賞を受賞。ほかに『太陽のパスタ、豆のスープ』『誰かが足りない』『つぼみ』など。

「2018年 『とりあえずウミガメのスープを仕込もう。   』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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