私の財産告白 (実業之日本社文庫)

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  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408551227

作品紹介・あらすじ

貧農に生まれながら苦学して東大教授になり、「月給4分の1天引き貯金」を元手に投資して巨万の富を築いた男、本多静六。全財産を寄付して働学併進の簡素生活を実践した最晩年に語った、時代を超えて響く普遍の真理。

感想・レビュー・書評

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  • タイトルを呼んだだけのイメージではお金に関わる事が多いのかな?っと思っていたら。人生における判断の仕方のすすめ。などと大きく沢山のことを学びました!人生のバイブルとして、何度もよみなおしたいとおもますあ。

  • 文庫本があったので再読。
    飾らない言葉で何度読んでも普遍でブレない人生哲学が学べる良書
    ・月給4分の1天引き貯金
    ・好景気は勤倹貯蓄、不景気には思い切った投資を、時機を逸せずに繰り返す。
    ・職業道楽論
    ・人生即努力、努力即幸福

  • 著者の本多静六(1866~1952年)は、日本の林学者、造園家、株式投資家。
    で、日本の「公園の父」といわれるそうだ。

    この本の中に、次のように書かれている箇所がある。

    「私の体験によれば(中略)、人生の最大幸福は職業の道楽化にある。富も名誉も美衣美食も、職業道楽の愉快さには比すべくもない。道楽化を言い換えて、芸術化、趣味化、娯楽化、遊戯化、スポーツ化、もしくは享楽化等々、それはなんと呼んでもよろしい。すべての人が、おのおのその職業、その仕事に、全身全力を打ち込んでかかり、日々のつとめが面白くてたまらぬというところまでくれば、それが立派な職業の道楽化である」

    中々、良いことを言っています。

  • 【タイトル】人生と財産- 私の財産告白
    【著者】本多静六

    ・著者は学者であり投資家として大成功をおさめた億万長者
    ・財産をつくるための本多式方法
    ① 給料が入ったら強制的認識1/4を貯蓄し、臨時収入、ボーナスは全て貯蓄する
    ②1/4貯蓄とアルバイト(副業)で雪だるまの芯ができ、一気にお金が増えていく
    ③ 貯蓄から投資をする。

    ・本多式の投資感
    ① 好景気には倹約貯蓄を、不景気には思い切った投資を、時機を逸せず巧みに繰り返すことをおすすめする。
    ② 株式も30種類以上の業種にわたり、それぞれの優良株を選んでリスク分散に心がける

    ・本多流の致富奥義は、誰にでもやれる。改めてこれが一番の正攻法。
    1. 常に収入の1/4を天引き貯金すること
    2. いくらか貯まったところで、巧みに投資に回すこと
    3. ムリをしないで最善を尽くし、辛抱強く時節の到来を待つこと

    ・失敗は人生の必須科目である。失敗の教訓を生かすか生かさないかは、実にその人の大いなる試金石。

    ・儲けようと思えば人に儲けさせ、人に儲けさせれば自然に自分も儲かってくる。
    ・いつの場合も何事も自分一人の功となさず、
    つとめて人にも譲るべき。儲ける場合は必ず儲けさせる地位に立つべき。これが度重なれば周囲の人からも立てられ、成功者中の成功者になる。

    ・どんな些細なことでも、周囲の思惑は考える必要がある
    ・大いに働き、大いに勤めるためには、仕事のうえの遠慮は一切無用
    ・人を使うものは人に使われる、人を監督するものは人に監督される。
    ・どんなに忙しくても、親身になって聴いてやるだけの用意と忍耐が必要であり、それが上長者のエチケットでもあり義務である。
    ・人を使うには、人の意見を虚心坦懐に聴き取るだけの雅量を常に持ち合わせていなければならない。
    ・重要な会議であればあるほど、まず十分に人の意見を聞いて、然るのちにおもむろに自説を持ち出すのが利口。それもなるだけ人の意見に賛成し、それを補足する意味において一言する形でやる。
    ・差し出がましく真っ先に自説を持ち出すと、軽んじられたり、かえって人を不快にすらしてしまう。
    ・人生の最大幸福は職業の道楽化にある。職業を道楽化する方法はただ一つ、勉強。努力また努力の外はない。
    ・その仕事に打ち込んで勉強しつづけさえすれば、必ずそこに趣味を生じ、熱意を生み、職業の道楽化を実現することができる。
    ・平凡人の自己を大成する唯一の道が、職業を道楽化するまで一生懸命やり打ち込むこと。
    ・不敗の職業戦術がある。それは「仕事に追われないで、仕事を追う」こと。
    ・「人生即努力」「努力即幸福 」が本多の体験社会学の最終結論

    ・処世九則
    ① 常に心を快活に持すること
    いかなる不幸、苦境に遭遇しても、それよりさらに深刻な場合にぶつかったことを考えるならば、まだまだ幸せだったと、心の平静を取り戻すことができる。常に明るい顔、明るい態度をとれば引き立てられて華々しい成功の基になる。
    ② 専心その業に励むこと
    初めは自分の性格才能に合わないと思われる仕事でも、専心打ち込んでかかればいつしか上手にでき、面白く働けるようになる。
    仕事を先へ先へと運ぶようにし、用事を後に残さない習慣を身につけておくことは、仕事を面白く支配し、職業を自分自身のものにしてしまうゆえんであって、仕事に追われ、仕事に支配されるのとは大きな違いである。
    ③ 功は人に譲り、責は自ら負うこと
    これは人の長となる者の心得。俺が俺がと出しゃばらず、「縁の下の力持ち」をもってできるだけ功を人に譲るようにしておくことは、ちょうど勤労効果を貯金しておくようなもので、いつの日にかは必ず元金のほかに利息までついて返ってくる。
    ④ 善を称し悪を問わないこと
    社交上最も大切な秘訣である。
    人それぞれ長所もあれば短所もある。悪いところは相手にせず、長所だけを相手として付き合えば、何人も友人になれる。
    「あいつはいかん」ということはなく、長所と交われば悪友なし。相手の悪い点についても知らぬ顔で見過ごし、ただその人の良い方面だけを褒めること。
    ⑤ 本業に妨げなき好機はいやしくも逸しないこと
    一度定めた職業は、一生それを貫き通す覚悟で突き進まなければならないが、本業一つに沈潜しすぎると、それ以外は盲目になってしまう恐れがある。そこで専門外のことについて知る機会があったら、できるだけ見聞し調査しその要点をしっかり把握しておくのがよい。大雑把でよいから、各種各様の実際を調べておくと、その生きた知識が、やがて色々な仕事に役立つ。本業を第一に、細部のことは専門家に任せる。
    ⑥ 常に普通収入の1/4と臨時収入の全部を貯えること
    独立生計の基礎を築き、致富への出発となるもので、何人にも絶対に必要な人生計画。
    ⑦人から受けた恩は必ず返すこと
    あたりまえのことであるが、実際には行われていないからこそ、善行美談として世に称される。謝恩はできるかぎり早く、その時々に行うように努めるのがよい。たとえ軽微であっても、誠意は可及的速やかに表明することにしたい。
    一度世話を受け、恩になった人には、その後の中間報告を怠らず、自分の現状を細かに知らせるのがよい。 人生は今日を除いては不確かなもので、まさに善は急げである。
    ⑧ 人事を尽くして時節を待つこと
    全力を尽くして事に当たれば、その成果は疑いないものであるが、成果が未だ表にでなくても、さらにいっそうの努力を続けて、その時節の到来を待つ。
    順調のときは大いに活動し、逆境のときは鳴りを静めて知識を養い、英気を加えて時節の到来を待たなければならない。
    こうすれば、どちらに転んでも、実力の発揮と実力の貯蓄時代となる。
    ⑨ 原則として個人間に金銭貸借を行なわないこと

  • チェックリスト
    ・1/4天引きしているか
    ・個人と法人の財布を別にする
    ・財産を持つ事で、職業を道楽化できる
    ・家計簿で入りと出を管理
    ・アルバイト感覚で毎日30分商材をつくる
    ・子孫を本当に幸福にさせるためには、その子孫を努力しやすいように教育し、早くから努力の習慣を与え、かつできるだけ努力の必要な境遇に立たしめること

  • 当たり前のことしか書いていない。
    時代が違いすぎて、ん?となる箇所もある。
    でも、じっくり読んでしまう。
    そして、読了後。さて、少しばかり重いけれど自分も頑張るか。となる。

    私が面白いと感じたのは「幸せ」について書かれた箇所。以下要約。
    ・所得が倍になろうと幸せが倍増するものでもない。
    ・親が譲れるものでもない。また、もらえるものでもない。
    ・教育や財産でなく、自分の努力と修養によって得られ、感じられるもの。

    ですよね。としか言葉が出ない。
    自分の人生、生きるのは自分。
    仕事の鍛錬を怠らず、節約倹約しながら財を成す。
    その上で自分のできることの範囲を広げていく。社会に奉仕する。

    日々子育てと仕事で忙しく、時間もお金も足りない。
    そんなことで悩んでいた自分がちっぽけに感じるほど気迫を感じる文章だった。

  • 著者は職業道楽化することが、最大の幸福と述べている。大人になったらもちろんのことながら、仕事に時間を多く割かなくてはならない。そういう意味でも、仕事に全能感を感じるのは本当に素晴らしいことだと実感した。

    あと、ケチと節倹は違うってこと。そこを履き違えてる人が多いということは、声を大にして言いたいところだが、心の中にしまっておきます、、笑

    お金のことだけではなく、人生の進路を学ばせてくれる、輝かせてくれるそんな本、神本ってことです。

  • 表紙の「伝説の億万長者が明かす、お金と人生の真実」に惹かれて、2013年初版2021年7刷の文庫本を購入
    「私の財産告白」と「私の体験社会学」の2部で構成されています
    1文字が大きく、1ページ14行・1行35字で読み易いです
    「財産告白」では投資法や世渡り等について
    「体験社会学」では人と人との問題等について書かれています
    興味深いお話がたくさんありますが、天丼と職業道楽化の話が特に楽しかったです

  • 一般解と特殊解。
    この本は一般解の本である。
    普通の人が当たり前のことをする。
    それを続けることで人生を豊かにしていく。
    人生即努力、努力即幸福。
    本業を真面目に努力し、稼いだお金を貯金する。
    ただこれをひたすら続ける。

  • インベスターZで知って、即座に読了。
    「お金」についてはまだまたオープンに語ることが難しい日本で、以前からこのような本があったことを知らずに勿体なかったと感じた。
    後半、仕事について語られている部分も納得が多く、「お金」の話だけでなく満足感を得られた。

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著者プロフィール

1866(慶応2)年、埼玉県菖蒲町(当時は河原井村)生まれ。苦学の末、1884(明治17)年に東京山林学校(のちの東京農科大学、現在の東京大学農学部)に入学。一度は落第するも猛勉強して首席で卒業。その後、ドイツに私費留学してミュンヘン大学で国家経済学博士号を得る。
1892年(明治25)年、東京農科大学の助教授となり、「4分の1天引き貯金」と1日1頁の原稿執筆を開始。1900年には教授に昇任し、研究生活のかたわら植林・造園・産業振興など多方面で活躍するだけでなく、独自の蓄財投資法と生活哲学を実践して莫大な財産を築く。
1927(昭和2)年の定年体感を期に、全財産を匿名で寄附。その後も「人生即努力、努力即幸福」のモットーのもと、戦中戦後を通じて働学併進の簡素生活を続け、370冊余りの著作を残した。
1952(昭和27)年1月、85歳で逝去。

「2023年 『マンガ 本多静六「私の財産告白」 伝説の億万長者に学ぶ貯金と資産の増やし方』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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