大延長 堂場瞬一スポーツ小説コレクション (実業之日本社文庫)

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  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408550404

作品紹介・あらすじ

公立の進学校・新潟海浜と、私立の強豪・恒正学園との夏の甲子園決勝戦は延長15回でも決着がつかず、再試合にもつれこんだ。両チームの監督は大学時代のバッテリー。中心選手はリトルリーグのチームメイト。互いの過去と戦術を知り尽くした者同士の壮絶な闘いのなかで、男たちの心は大きな変化を遂げていく-野球を愛するすべての人に贈る、感動の傑作長編。

感想・レビュー・書評

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  • R1.10.27 読了。

     夏の全国高校野球選手権大会決勝を延長15回引き分けた私立恒正学園と県立新潟海浜高校。翌日に再試合を控える。それぞれの監督の思い、チームの結束力、疲労と負傷を抱えた選手たち、後援会長の圧力、チームに起こる不祥事などなど、見どころもいっぱい。また、再試合中も相手投手の攻略をどうするか、戦略や監督と選手とのやりとり、実際の野球の試合では見られない心理戦も良いアクセントになっていて、目が離せない展開で、一気読みしてしまった。とても面白かった。
     エピローグに3人の幼馴染のその後の人生が描かれていたり、解説が日ハム監督の栗山英樹さんだったり、最後まで楽しめた作品だった。

  • 堂場さんの野球小説2冊目。甲子園決勝戦が再試合。甲子園常連校VS初出場校。2校の対比によって初出場校を応援したくなる。両校の監督は同級生で、強豪校の監督は高圧的・学生を犬以下の扱いをする。一方、初出場校は学生主導の野球。初出場校の投手が膝を負傷しているのを知り、バント攻撃を指示、投手を破滅に至らしめた。再試合の結末は手に汗を握る最悪な試合。怖くてたまらなかったが納得の勝敗だった。監督の善悪により学生の選手生命が左右される高校野球、試合にこだわるのは勿論、フェアプレーで楽しむ試合こそあるべき姿だと感じた。

    • ポプラ並木さん
      ゆうママさん!元に戻って良かったね~読書楽しんでくださいね。<雨夜の星たち>いずれ感想を楽しみにしていますよ。←ゆっくりでいいのでね。梅雨明...
      ゆうママさん!元に戻って良かったね~読書楽しんでくださいね。<雨夜の星たち>いずれ感想を楽しみにしていますよ。←ゆっくりでいいのでね。梅雨明けしたかな?お互い熱中症には気を付けていきましょう!
      2021/07/17
    • アールグレイさん
      こんにちは!
      梅雨、開けましたね!
      雨もイヤだったけど、あっついのもねェ~
      °・(ノД`)・°・
      今回の芥川、直木賞は私にとって頷けそうにな...
      こんにちは!
      梅雨、開けましたね!
      雨もイヤだったけど、あっついのもねェ~
      °・(ノД`)・°・
      今回の芥川、直木賞は私にとって頷けそうにない本ばかりのような気がするのですが、どうなんでしょうね?
      ┏(=・o・?)┛
      2021/07/17
    • ポプラ並木さん
      ゆうままさん、<芥川、直木賞は私にとって頷けそうにない本ばかり>このひと誰?というのがほとんどでした。

      いずれ選評がUPされるので楽し...
      ゆうままさん、<芥川、直木賞は私にとって頷けそうにない本ばかり>このひと誰?というのがほとんどでした。

      いずれ選評がUPされるので楽しみです。
      芥川賞は毎回??という本ばかりですよね。
      ゆうままさんは受賞作品を読んでますか?

      https://prizesworld.com/naoki/senpyo/senpyo162.htm 
      直木賞選評

      https://prizesworld.com/akutagawa/senpyo/senpyo163.htm 
      芥川賞選評
      2021/07/17
  • 2020年3月24日、読み始め。
    2020年3月29日、読了。

    高校野球を舞台にした、スポーツ小説。
    堂場瞬一さんのスポーツ小説は、最近になって読み始めたが、今までは、マラソンや駅伝などの陸上競技を読んでいたので、今回読んだ高校野球は、新鮮に感じた。

  • 安定の堂場瞬一。

    野球にはほとんど興味が無くても楽しめる、

    駅伝など正月の箱根で母校の順位をチェックするかどうか程度であっても楽しめる、

    ましてやマラソンなぞ…2時間以上も単調な画面を見続けるなんて苦行か?罰ゲームか?…と思ってた人間でも楽しめる、

    水泳?五輪で金がかかるレースならテレビに囓りつきもするけれど……てな輩でも楽しめる。

    それが、堂場スポーツ小説だ!と再認識♪

    滑稽な程に対称を為す両監督と、エースと主砲。
    歯軋りしたくなるほどな憎まれ役に描かれた白井と久保の変化に頬が弛んだ。

    結末にちょびっとだけ不満は残るものの、
    ★4つ、9ポイント。
    2019.10.03.新。

    ※滝本さんは、矢吹丈になってしまったのか???
    ……感動的なドラマではあるものの、ここはいらなかったかな。

    ※苦悩も反省の様子も描かれたが、 それでも活躍もした岡谷だけは、赦せない。
    ……そういえば、ダルビッシュもやらかさなかったっけ?
    (だからダルビッシュは今でも好きになれない)

    ※堂場スポーツ小説、たしかラグビーものもあったような記憶が。。。読まねば。にわかだけれど、さくらジャパンの躍進を見届けた後にでも。

  • 今年の甲子園も無事に終わりましたね。

    一言、羨ましい!
    何でも吸収出来る時期に、自分の好きな事を一生懸命できるなんて本当に羨ましい限り。
    結果がどうであれ、きっと一生の宝物になるでしょうね。

    本書では大人のダークな世界も描かれていましたが、少年たちの野球が好きと言う気持ちが伝わり、こちらも熱くさせてもらえました。
    堂場作品のスポーツ小説はこれで二作目なのですが他にも沢山あるみたいなので読んでいきたいです。

    • honno-遊民さん
      堂場瞬一のスポーツ小説はどれもお勧め。
      箱根駅伝の学連選抜を描いた『チーム』その続編『ヒート』が特に。読むのが止まらなくなるので、時間のあ...
      堂場瞬一のスポーツ小説はどれもお勧め。
      箱根駅伝の学連選抜を描いた『チーム』その続編『ヒート』が特に。読むのが止まらなくなるので、時間のある時に。
      2015/09/06
  • 堂場さんのスポーツモノは熱くなれる。しかも、最後は正々堂々と勝負した方が報われるから好き。

  • 高校野球にはこれまでそれほどの関心を持っていなかったが、面白かった!
    確かに、高校野球は本当にあり得ないような展開が起こることがままあるので、この小説もあながちあり得ないとも言い切れない。
    そして、この手の小説は最後の結末を描かずに想像に任されることも多いが、そうでなかったのが嬉しい。
    栗山監督の解説も良い。

  • 高校野球の話。
    これ以上ないというくらいにドラマチックな設定。
    決勝で監督同士が元大学野球のバッテリー、解説者がその当時の大学の監督。
    新潟の高校と東京の高校。
    東京の高校には新潟から野球留学してきた選手もいる。
    この試合を通じて、全員が成長していく。
    読んでて面白かった。

  • 思いがけない快進撃を果たした公立の無名校と私立の野球強豪校の甲子園での決勝戦を描いた物語。

    ある意味、べたべたの設定だが、この試合にかかわる選手や監督や解説者やその他、さまざまな人の立場で目線から、この試合の進行やあれこれが語られる。読み進むうち、自分もその試合を観戦してる気分になってくる。

    物語中には、高校野球の影の部分も織り込まれていて、それがリアリティを感じさせる。

    夏の甲子園というのは、改めて考えるまでもなく、ほんとに特殊な世界。
    部活の頂点ではあるけど、プロ野球のスカウトにとっては見本市のようなものであり、そこにアピールしたいと望む選手もいるし、学校関係者にとっては名声を得る場であり、そうなると、お金の匂いや有象無象が湧いて出る気配もある。
    まだ、成人していない少年たちの一投一打に、マスコミやらなんの関係のない人まで大騒ぎ。

    いろいろあるけど、あの甲子園の青い空と白い雲、整備後のグランドの黒い土を見ると、あぁ、これもいいものだと思ったりする。(私は関西人)

    選手時代は頭脳派投手で、今は選手に対して遠慮気味な無名校の監督と試合の直前に喫煙シーンを写真週刊誌に撮られてしまい先発をはずされた強豪校の選手が、脇役ながら印象に残った。
    その選手は、他の選手の故障で、途中出場し、活躍するのだが、写真週刊誌が発売されたら自分の野球人生は終わることを覚悟し、この一瞬を全力でプレーしようとしているように思えた。

  • 読み途中ですが、この本は甲子園を舞台にした小説です。
    野球が好きな人にオススメです!

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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