- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784408531281
感想・レビュー・書評
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舞台に関する、現実と幻想の境をさまようお話ばかり。
舞台も現実も、しょせんは夢のようとふと思わされてしまう。
いつも舞台袖に佇んでいる幽玄のもののような?
全編に漂う、切なくて残酷なあれこれよ。
皆川節。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こちらも「作品精華 迷宮ミステリー編」と「溶ける薔薇」を手に取っていたので複数既読済みでしたが、初期皆川博子世界観を余すところなく楽しめる、薔薇の名を冠した耽美さと残酷さを舞台にした、幻惑の短編集でした。タイトルからして凄惨な美に酔いしれてしまう…。
表題作は、皆川先生作品では姉に執着した弟って割と珍しい気が…。しかし、薔薇と死のにおいが付きまとう男を忘れられない女…っていうのは皆川ロマンだな…。
「禱鬼」あなたは視られ祈られている。異形の鬼が、愛が、その場所からずっと。
「紅地獄」めttttttttttっちゃ皆川博子だ…好きだ…。やっぱり皆川文学の惹かれ合う男女は常世では結ばれんのよ…。
「桔梗合戦」この狂いっぷりも皆川文学だな…。レプリカだったのは、果たして…。
「翡翠忌」このタイトルも良すぎる…。老嬢が年若い男に心奪われ…みたいなの。いくらでも惨めで暗くできそうなのに、どこか恋着の痛ましさの方が強い…。 -
美しい腐敗を夢見た劇団員の自死。焼け焦げた飾り櫛の桔梗模様に隠された秘密。きらびやかな舞台衣裳に火をつけた老人の幻想…。妖美の世界を鮮やかに表く巧者の傑作短編集。(アマゾン紹介文)
薔薇忌
禱鬼
紅地獄
桔梗合戦
化粧坂
化鳥
翡翠忌
舞台に関係する人々が織りなす短編集。場面設定とお話がしっかりつながっているのは、この方の著作では珍しいような。
また、その分だけ現実よりなお話が多く、幻想みは薄れ、比較的理解しやすいかと思われます(もちろん、幽玄な世界ではあるのですが)。
薔薇忌、禱鬼、化鳥が特にお気に入り。 -
舞台に宿る情念が生きる者の現実を侵食していく妖艶な幻想世界。後を引く味わい。
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夏にオススメな怖い本3冊
…とドコモに薦められたので、読んでみた(その3)
舞台、芝居に関わる人々のお話。
怖いというよりは、切ない・・・かも。