おもてなし幻想 デジタル時代の顧客満足と収益の関係

  • 実業之日本社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408338033

感想・レビュー・書評

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  • 第1章 顧客ロイヤルティを巡る新たな戦場
    結論その1 喜びの戦略は割に合わない
    結論その2 満足度はロイヤルティの予測因子ではない
    結論その3 カスタマーサービス・インタラクションはロイヤルティではなくディスロイヤルティを促す可能性が高い
    結論その4 ディスロイヤルティ緩和のカギは顧客努力の軽減

    ■まとめ
    ・サービスチャネルで顧客を喜ばせることは割に合わない。期待を上回るサービスをされた顧客のロイヤルティは、期待が満たされただけの顧客のそれよりほんのわずか高い程度。
    ・カスタマーサービスが促すのはロイヤルティではなくディスロイヤルティ。平均的なサービス・インタラクションが顧客のロイヤルティを下げる可能性は、ロイヤルティを高める可能性の4倍ある。
    ・ディスロイヤルティ緩和のカギは顧客努力の低減である。企業は、問題を解決するために顧客に課される作業量を減らし、喜びを与えるサービスではなくより手間のかからないサービスに注力すべきだ。これには、情報の繰り返しや再問い合わせの必要性、チャネル転換、転送、画一的な対応の回避が含まれる。

    第2章 なぜ顧客はあなたと話したがらないのか?
    …実際のところ、企業にかかってくる電話の約58%は、一応企業のウェブサイトを見てみたが、何らかの理由で、結局コールセンターに電話することになった顧客によるものだ。さらに、カスタマーサービス担当者と電話で話をする顧客の3分の1以上は、同時にその企業のウェブサイトも閲覧している。

    ■トラベロシティのウェブサイトの有用性のための10のルール(の内5つ)
    ・言葉を単純化する
    ・検索結果ゼロを減らす
    ・関連情報をチャンキングする
    ・専門用語は避ける
    ・主語、動詞をはっきりさせる

     本章のポイントをまとめておこう。顧客の大半はまずウェブサイトを見て、それから多くの人が最後の手段として電話に転換する傾向がある。多額の資本投資や大規模なプロセス・リエンジニアリングの努力をしなくても、ほとんどの企業は10件のうち2件のチャネル転換を減らし、顧客努力と運営コストを同時に削減することは可能だ。それが顧客が実際に望んでいるコスト削減なのである。

    ■まとめ
    ・たいていの顧客はセルフサービスで解決できれば何の不満もない。多くのカスタマーサービス・リーダーは、顧客はセルフサービスより生のサービスのほうがはるかに好きだと考えているが、顧客は実際はセルフサービスのほうを好む――これは問題のタイプや顧客層を越えて当てはまる事実である。
    ・重要なのは、顧客にセルフサービスを試みさせることではなく、セルフサービスにとどまらせることだ。かかってくる電話の55%は、そのときウェブサイトを見ている顧客からのもので、自分で問題を解決しようとしたが、うまくいかずに終わった場合が多い。
    ・チャネル転換を減らすカギは、セルフサービス・エクスペリエンスを単純化することだ。大部分のサービスサイトが失敗するのは、機能やコンテンツが不足しているからではなく、多すぎるからだ。最も成功をおさめている企業は、意欲的にウェブサイトを単純化し、顧客の抱える問題に最適のチャネルやコンテンツに積極的に顧客を導いている(顧客の選択を促すやり方とは対照的だ)。

    第3章 カスタマーサービス担当者がしがちな最悪の質問
    ■まとめ
    ・再問い合わせの半分近くは、一般的な企業では見落とされている。問題が解決した顧客はしばしば、最初の問題に間接的に関連する理由で再び電話をする。再問い合わせの最もよくある原因は、隣接する問題(最初の問題と関連がある派生的な潜在的問題)と、経験に関する問題(担当者と顧客の「感情的な」食い違い。たとえば、顧客が受け取った答えを気に入らない場合)だ。
    ・顧客の問題を解決するだけではだめ。次の問題の発生を食い止めなければならない。最も優秀な企業は問題を単発のものではなくイベントととらえ、最初の問題と関連があるにもかかわらず顧客がたいてい見落とし、あとになって気がつく問題を、担当者に先を見越して解決するよう教えている。
    ・初回解決率(FCR)だけでなく、再度の電話を測定するべきだ。FCRは基準としては欠陥がある。なぜなら関連する派生的な問題ではなく顧客が明言した問題にだけ焦点を当てているからだ。最も優秀な企業は、むしろ所定の時間枠内で再度の電話を測定し、担当者は顧客が話した問題を解決したか、隣接する問題や経験に関するフォローアップの問題を先を見越して解決したかを評価する。

    第4章 できることが何もないように思えても、できることは必ずある
    …「経験工学」とは、告げられた内容を顧客が良い方向に解釈するように注意深く言葉を選択して会話を思い通りに扱うこと。

    …努力とは「何をするか」が3分の1、「どう感じるか」が3分の2なのだ。

     これについても詳しく見てみよう。第1に、経験工学には目的がある。これは顧客を積極的に導くためのものである。そのためには、私たちの実験で示されたように、意識的な一連の行為を通じてやりとりの主導権を取らなければならない。第2に、経験工学は顧客の感情的な反応を予測することを目指している。じっと目を凝らして未来を見つめ何が起こるかを見極めるように、よくない状況が起こりそうな瞬間(とくに、希望するものが手に入らないと顧客が知らされようとしているときが多い)を察知し、顧客をなだめて提示した回答を受け入れるように導く。次に、経験工学を実践しているカスタマーサービス担当者は先を見越して顧客が好ましいと感じる解決策を提示しようとする。つまり、なぜ希望するものが手に入らないのかを顧客に説明する(感情の激化や、場合によっては顧客からの暴言を招くきっかけとなることが多い)のではなく、どのような解決策が可能かという点にのみ焦点を絞る。最後に、経験工学のアプローチは、顧客の問題に対し互いにプラスになる解決策を見つけ出すことに重点を置いている。つまり、顧客の実際のニーズ(はっきりと告げられない場合が多い)と会社が提供できるものを一致させるのである。大盤ぶるまいや多額の払戻金によって顧客のロイヤルティをつなぎとめておこうというのではない。会社と顧客の双方が受け入れられ、互いにとって真のメリットとなる結果を目指すのだ。

    ■オスラム・シルバニアの肯定的な言葉づかいの手引
    「否定的な言葉づかいの シナリオのトップ10
    入荷待ちの商品:その商品は在庫がありません→…日に入荷いたします
    発注:…日にならないと発送できません→…日に発送できます
    価格に関する問題:価格の問題は販売担当者と話をしなければなりません→この件については販売部門の者がご協力できるかもしれません
    出荷の間違いあるいは破損:こちらで代替品を発注しないといけないですね→この問題の一番いい解決法は
    在庫の確認:その商品は扱っていません→…ならございますが
    注文の状況を知らせる:ご注文の品は…にならないと用意できません→…にはご注文の品をご用意で きます
    価格の間違い:販売担当者に価格を確認してもらう必要があります→販売担当者が…の価格を確 認いたします
    発送遅延を説明する:お客様が期限までに発注しな かったので→タイムリーにお届けするには…日までにご注文をお願いします
    返品手続き:荷物に返品番号を記入する必要があります→荷物には忘れずに返品番号をご記入願います
    商品の扱い先:一般の方への小売りはしていません→…で購入することができます

     これも、単に顧客に親切にするという問題ではない。肯定的な言葉づかいをすればいいということでもない。オスラム・シルバニアが効果をあげているのは、ノーと言うことは(「できない」、「しない」などと同様に)相手の努力を引き起こす最も大きな要因と捉えて、高努力ゾーンに入る可能性が高い、最も一般的な状況における最善の対応方法をカスタマーサービス担当者に教えているからだ。

     要するに、カスタマーサービス担当の経営陣が「何がよいか」を定義しすべての現場の担当者がこの基準を順守する「一貫したサービス」から、顧客一人一人が個々の扱いを受ける「一貫してそれぞれの顧客に合わせたサービス」への移行は文化の変化なのだ。あらゆる状況で従業員に何をするかを告げるだけでは達成されない。一貫して優れたサービスのためには、カスタマーサービス担当者をどう扱うかについて真剣に考え直す必要があるのは容易にわかる。

    ■まとめ
    ・努力とは「何をするか」が3分の1で「どう感じるか」が3分の2。顧客努力の大きさを左右するのはサービス・インタラクションが努力を要するものだったかどうかに関する顧客の受け止め方であって、やりとりの過程で過度の努力が実際に必要だったかどうかではない。
    ・顧客の受け止め方をうまく処理するためには単に親切にすればいいというわけではない。「経験工学」は顧客の反応をうまくかじ取りする1つの方法で、従来のソフトスキルとは形態も目的も著しく異なる。経験工学は行動経済学に基づいており(アドボカシー、オルタナティブ・ポジショニング、アンカリングなどのテクニックを使用し)、目的を持った言葉づかいをよりどころとして、よくない結果の知らせにも肯定的な反応が返ってくるようにするものである。


    第5章 主導権を握るには、主導権を手渡さねばならない
    ■コントロール指数
    ・立ち直りが早い
    ・プレッシャーがきつい状況をバーンアウトせずに乗り切ることができる
    ・自分の行動に責任を持つ
    ・上司の建設的な批判に肯定的に反応する
    ・長時間でも職務に集中できる

    ■CQが高い環境
    ・カスタマーサービス担当者の判断が尊重される
    ・カスタマーサービス担当者が会社の目標を理解し、それに沿った仕事をする
    ・カスタマーサービス担当者間に互いにサポートし合う強力なネットワーク(ピアネットワーク)がある

    ■まとめ
    ・判断とコントロールが現代の最も優秀なカスタマーサービス担当者を際立たせる。業務の内容が複雑化し、顧客の期待度が高まっている(簡単な問題はセルフサービスで解決されるので)現代では、カスタマーサービス担当者が持つべき最も重要な能力は「コントロール指数(CQ)」である。CQは、プレッシャーが厳しく複雑なサービス環境で判断をくだし、コントロールを維持する能力だ。
    ・CQは学習で身につけるものではなく、引き出されるもの。CQはカスタマーサービス担当者を差別化する最大の要因だが、実際にはほとんどのカスタマーサービス担当者が中程度から高程度のCQを潜在的に持っている。問題は、ほとんどの企業がカスタマーサービス担当者がCQを発揮するのを禁止していることだ。業務は規則を厳格に順守したうえで実施するものという環境が長年にわたって維持されてきたためで、こうした環境では判断力やコントロール力は歓迎されない。
    ・最前線の現場をコントロールしたければ、主導権を引き渡す。カスタマーサービス担当者の潜在的なCQ能力を引き出すには、カスタマーサービス担当者の判断力に対する信頼を企業がはっきりと示して見せる必要がある。方法としては、処理時間と品質保証チェックリストを重視しない、あるいはそれらを廃止するなどがある。カスタマーサービス担当者の業務と企業が目指す目標とのあいだの整合性を明らかにし、また同僚の経験や知識を総合的に知る場を設けて、カスタマーサービス担当者がそれらを活用して賢明な判断をくだせるようにすることが必要だ。


    第6章 ディルロイヤルティを見つけ出せー顧客努力指標v2.0
    ■まとめ
    ・顧客努力指標(CES)を測定する。CESを使用して、サービス後の調査で、解決方法が簡単だったかどうかを評価する。CESは、個々のやりとりでの顧客ロイヤルティの有効な指標となり、カスタマーエクスペリエンスの摩擦ポイントを明確にし、多大な努力を要する経験によって離反のおそれがある顧客を特定するのに役立つ。
    ・顧客努力の測定システムを利用する。CESは効果的なツールだが、顧客努力を測定する特効薬はない。優れた企業は、企業内のさまざまなレベルで多岐にわたるソースからデータを集め、顧客努力が発生しているかどうかはもちろん、努力の原因を理解する。


    第7章 努力の軽減を定着させる
    ■まとめ
    ・トレーニングよりもコーチング。優れた企業は、努力軽減は教室で学べるものではないことを理解している。認識を深めるにはトレーニングは有効だが、努力を軽減するには現場の行動を変える必要があり、これを達成(そして維持)するには現場監督者が効果的なコーチングをおこなうしかない。
    ・新旧の行動をはっきり区別する。努力軽減のアプローチが従来のサービス理念とどのように異なり、なぜ異なるのかを説明しなければならない。変革のストーリーを通して、チームがなぜ努力軽減に注力しなければならないのか、どのようなリスクがあるのか、どのようなサポートを受けるのかを常に明確にする。
    ・努力軽減をやらなければならないことの1つにしない。現場でのタスクリストに努力軽減の項目を追加するだけでは、現場チーム全体の積極的な関与が得られず、別の優先課題と競合してしまう結果になる。処理時間やQA基準などの要件をなくせば、パイロットチームは顧客努力の軽減に注力することができ、最終的に、行動を変える正しい(さらには正しくない)方法を企業が判断するのに役立つ。
    ・努力軽減が楽にできるようにする。状況や方法について明確にしないまま「努力を軽減しろ」と担当者に要求しても、混乱して失敗に終わるだろう。初期のパイロット計画の段階でチームへの期待の範囲を絞る必要がある。そのなかには、特定の問題だけを先を見越して解決する、あるいはよくある問題に的を絞って肯定的な言葉づかいを用いるなどが含まれる。十分なサポートとコーチングを提供することで、パイロットチームはこれらのアプローチに慣れていく。


    第8章 コンタクトセンター以外での努力
    ■まとめ
    ・顧客ライフサイクルを通して努力を軽減しなければならない。私たちの調査によると、販売前および販売後の顧客との接点において顧客努力を軽減すると、顧客ロイヤルティに大きく影響することは明らかだ。製品やサービスについての理解、購入、アフターサービスやサポートが容易だと、ブランド差別化の飛躍的な機会にも結びつく。
    ・優れた企業は、努力がそれほどいらない経験を顧客に提供している。トップブランドは、製品設計から販売経験にいたるまでのビジネスのあらゆる側面に努力のいらない経験の原則を取り入れている。このような企業は、あたりまえになっている現状にも容赦なく異論を唱える。顧客は商品を買うのに列に並ぶべきか?ワクワクするような新しい商品を買ったのに、使う前に1時間もかけてマニュアルを読むべきなのだろうか?優秀な企業なら、そんなことは断じて理不尽だと主張する。


    付録
    ■ウェブサイトのルール
    ・操作性
    情報は(会社ではなく)顧客の言葉で書かれていますか?
    サイトのナビゲーションはそれを使用してほしい顧客のために設計されていますか?
    「顧客は(イベントベース、製品ペース、質問ペースなど) さまざまな方法で情報にアクセスでき ますか?
    「ウェブサイトへのアクセスは容易ですか(例: 認証またはログインが簡単)?
    「最も活用されているコンテンツがウェブサイトで埋もれていませんか(ユーザーがほとんどのコン テンツを見つけられ、比較的すばやく大半の機能にアクセスできる) ?
    「ウェブサイトを経由してカスタマーサービスに容易に連絡できますか?
    カスタマーサービスの電話番号は直観的に認識しやすいように作られていますか?
    「適切な数の電話番号が顧客に見えるように配置されていますか?
    ・情報の質
    適切な数の知識基盤がウェブサイトで利用可能ですか?
    「情報は顧客のために直観的に優先順位がつけられていますか?
    情報の質は高いですか?
    ウェブサイトを使ってほしい顧客に合わせた用語を使用していますか?
    場合によって、季節による差をふまえてサービス情報の優先順位を決めていますか?
    電話の回数を増やす要因をふまえてサービス情報の優先順位を決めていますか?
    ・機能性
    「顧客はサイトで相応にシンプルなサービスタスクをすべて完了することができますか?
    「サイトの機能はそれを使ってほしい顧客に合うように適切に作られていますか?
    「顧客が取引を完了したとき、先を見越して、関連する取引または情報を提供していますか?
    「顧客は問題のステータスまたはオンライン購入のステータスを追跡管理できますか?
    「可能な場合は常に、顧客情報の自動入力または保存機能を提供していますか?
    ディスカッション・ボードはありますか?
    ディスカッション・ボードがある場合、それらの品質をモニタリングしていますか?
    ディスカッション・ボードがある場合、従業員を参加させていますか?
    「パワーユーザー」にディスカッション・ボードに参加するインセンティブを与えていますか?
    ・測定方法
    ページ間のクリック数
    検索の回数
    ウェブサイトの滞在時間
    訪問したページ数
    パスワード再設定の容易さ
    ログイン失敗の回数
    知識基盤にある記事の古さ
    顧客によるステータス追跡管理の頻度
    ウェブサイトにおける問題解決:まずサイトで問題を解決しようと試みた、ライブチャネルの顧客数

  • 74「喜び」は現場のスタッフによって何通りにも解釈可能。だが、顧客を喜ばせようではなく、
    ・顧客のためにできるだけ物事を簡単にする
    →そのために、顧客が電話をかけ直さなければならない状態を作らない、転送しない、顧客に説明を繰り返させない、全員に同じ対応をしない
    ★物事を簡単にすることに集中する

  • 顧客の満足度、ロイヤリティにつなげるために企業がするべきことが、データに基づいて書かれていて、わかりやすい。仕事で、まさにサービスについて、考えていたので、かなり納得できた。

    ただ大事なところはほぼ第一章に書かれている気がする。あとのページはかなり細かい補足のような気がする、少し長い。

  • カスタマーサクセスがある会社や、関わる仕事をしてる人は読むべき。新しい角度からカスタマーサクセスへ切り込む本です。

  • これはなかなか面白い
    そこいらの人たちに言って聞かせたい

  • 日本の精神である「おもてなし」
    おもてなしをしっかりすればロイヤルカスタマーにつながる。そんな神話を信じる人にはショッキングな内容が詰まっている。
    電話しかなかった時代からいくらでも自分で情報を取れる時代へと、前提が変わっている。顧客がなるべく電話をかけなくても済むような設計が適しているにもかかわらず、コールセンターでは初回解決律や解決平均時間をKPIにしている。
    これまでの概念を覆すファクトが並び、考え方を改める必要が出てくるが、その後のヒントとなるKPI提示も丁寧にしてくれている。

    コールセンターで働く偉い人は全員読んだほうが良い一冊。

  • まとめ 
    「カスタマーサポート=お客様をおもてなしする(喜ばせること)」ではない「カスタマーサポート=お客様の努力を低減させる」

    お客様の努力の低減させるには
    ・全ての問題をできるだけセルフサポートで解決させる(2章)
    ・2回以降のお問い合わせを減らす(3章)
    ・お客様に努力を感じせない対応する(4章)


    感想
    カスタマーサポートの教科書。
    実践的に使える内容、CSの指標の立て方、教育方法などが書いてある。
    また、「こうすればお客様が満足が上がりますよ」ではなく、しっかり根拠のあるデータから説明してくれるので頭に入りやすかった。

  • 今の時代はセルフ解決の時代。
    電話ではなくサイトでの解決を望む。それが叶わないから仕方なく電話という時代。
    その転換点に加えロイヤリティを足し算で考えてもコスパが悪く
    いかに顧客の問題を早期解決するかにかかっている。
    これこそがカスタマーサクセスだろう。
    データ重視が好感。タイトルが秀逸だがややもったいない。

  • サービス、おもてなしに関する名著。
    今で言うカスタマーサクセスの礎にもなっているやうにかんじる。イノベーションなジレンマ的な要素も含まれている。価値の再定義的な発想。製品と比べた時のサービスのむずかしさなども物語られている。
    カスタマサービスの段は若干コールセンター問い合わせ対応に関する細かなテクニック論が掲載されている印象

    メモ
    ・感動サービスよりも、顧客の手間を省くべき
    ・重要な疑問。顧客ロイヤルティーを高める上でカスタマーサービスはどの程度重要か。顧客ロイヤルティーを高めるためにカスタマーサービスができる事は何か。どうすればカスタマーサービスはコストの削減とロイヤルティーの向上を両立させることができるか。

  • 差別化戦略としてのカスタマーサポート。戦略と施策の方向について一石を投じる。

    ・「期待を超えるサービス」と「期待通りのサービス」では、ロイヤリティに差が出ない。
    ・顧客満足度とロイヤリティには相関がない。
    ・顧客とのインタラクションが増えるとディスロイヤリティを促す可能性が高い。(相関がある)

    つまり
    ・「期待を超えるカスタマーサービス」を目指すのではなく「問題を解決するカスタマーサービス」を目指す。
    ・「顧客を喜ばせてロイヤリティを高める」戦略ではなく「顧客努力を減らして、ディスロイヤリティを緩和する」戦略をとる方が全体最適ができる。

    顧客の「期待以上のサービスだったよ」と言われるのを目指すのではなく「おかげで手間がかからなかったよ」という言われることを目指すべきである。

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