東京幻風景

著者 :
  • 実業之日本社
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本棚登録 : 74
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784408110431

感想・レビュー・書評

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  • ちょっと視点を変えるだけですぐそばに姿を現わす物語の入口たち。そんな印象の写真が著者の朴訥とした率直な言葉とともに綴られている。いささか彩度や色相をいじりすぎてセンチメンタルに過ぎるきらいもあるが、豊潤な心象風景となっている。優しいひと時を差し出してくれる。

  • 写真はイマイチだけど、場所の選び方なんかはうまいなぁと思う

  • 大好きな写真家(写真家と云っていいのだろうか)の丸田祥三さんの写真集だ。東京という題がついているけれど、東京都内の風景ばかりではない。静岡県富士市の風景まであるのに何故東京なのか。それは僕にはよくわかる。掲載されている風景は確かに、ボクらがまだ子供だった頃の東京の風景そのものなのだ。今は記憶の中にしかない。だから幻風景なのだ。僕と丸田さんの歳は2歳違いでしかない。

  • NDC:748写真集という分類
    様々な施設の写真がタイトル通り幻風景として
    写され、見開き一枚カラーである。
    そして次のページに幻風景に写す方法絞りの数値等情報があります。
    加えて
    案内記のように
    アクセス方法、施設の解説文がります。
    見学のアドバイス、撮影のアドバイスが嬉しい。
    p.5には「この本の写真は、ぜひしっかりと見開いてご覧ください。ギュッと開いても大丈夫な製本をしています。」
    とあります。
    なかなか気づかい上手な一冊です。

  • 東京から2時間程度で行ける範囲を中心に、廃墟、遺構、懐かしい風景などをとらえた写真集です。
    いくつかは知っている場所も写っていましたが、撮り方しだいですばらしい作品になるのですね。
    撮影した場所への行き方や撮影アドバイス、モチーフの由来なども紹介されていて興味深く読めました。なにかの折に、これらの場所にふらっと行ってみようか、という気持ちにさせられました。

    写真のコントラストや色調・彩度などの修整がかなり強い作品が多く、化学調味料を効かせ過ぎな感じで少々鼻につきました。修正をするのは当然としても、やり過ぎると写真ではなくてイラストの様になってしまいます。また、風景の中に女性を置いている作品も多いのですが、この演出が適切なのか疑問に感じるケースもややありました。
    上記2点がなければ、評価の星をもう一つ増やしたいところです。

  • この感覚、わかる。朽ちる手前の、まだ形を保った誇りある廃墟。時代に取り残された黄昏。なんとか遺産にはならない、間もなく消えるものたち。目にした時に胸に去来する、郷愁とも違う、後悔にも似た気持ち。

  • 写真なので、実際の風景をとらえているはずなのに、時間と空間を違えたような違和感のある、造りものめいた妖しい世界が在る。そして、何よりその色彩が美しい。タイトルの『幻風景』はピッタリだ。

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著者プロフィール

●著者紹介
丸田祥三(まるた しょうぞう)
1964年東京生まれ。92年写真家に転身。94年日本写真協会新人賞受賞。93年のデビュー作「棄景」は、見捨てられた風景への独自な視線が話題となり、今日の廃墟(写真)ブームの先駆となった。
著書に「棄景−廃墟への旅」(宝島社/洋泉社)、「棄景II」(洋泉社)、「東京−棄景III」(洋泉社)、「1977鉄道少年の旅」(洋泉社)、「少女物語−棄景IV」(春秋社)、「鉄道廃墟−棄景1971〜」(JTB)、共著に「鉄道廃線跡を歩く」(JTB)、「全線全駅各駅停車の旅」(小学館)、「日本風景論」(春秋社、切通理作氏との共著)などがある。

「2003年 『廃車幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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