ふったらどしゃぶり~When it rains, it pours~完全版 (ディアプラス文庫)

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  • 新書館
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403524615

感想・レビュー・書評

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  • 一穂ガチファンのみんみんからの、課題図書。
    2013年頃の作品。版元変更の完全版を入手いたしました。

    男子×女子 男子×男子 2カップルそれぞれ同棲中。どちらも愛はあるけど悩みもある。偶然、同じ状況に悩んでいる事を知った男子二人は、メル友から飲み友、そして、居心地の良さに惹かれあいはじめる。
    一穂さんが一般小説にしっかり登場してきたのは、2020年くらいだったでしょうか。
    こちらも200ページくらいまで、交際中のカップルの不同意状況を、切なく率直に書いて、全く遜色ないです。
    最近ドラマ化されたコミック「あなたがしてくれなくても」(観てない。。)も原作は赤裸々でなかなか良いのだけど、それと比べても遜色ないです。
    それを惜しげもなくBL小説にしてしまうのは、ファンサなのか、まだ自分の領域を守ろうとする確信犯なのか。一穂さんにしても凪良さん、木原さんなど、一般小説への助走期間ではなくて、全力BLだねえ。
    不穏さが上手い。
    不憫さが切ない。

    • みんみんさん
      わ〜い♪ありがと〜‼︎
      一穂さんはこういう暗めの方が好き〜
      不穏と不憫…そうね的確‹‹\(´ω` )/››
      ちなみに「ナイトガーデン」は整と...
      わ〜い♪ありがと〜‼︎
      一穂さんはこういう暗めの方が好き〜
      不穏と不憫…そうね的確‹‹\(´ω` )/››
      ちなみに「ナイトガーデン」は整と別れた和章のその後の作品ですよ♪
      2023/09/10
    • おびのりさん
      メロウレインは続編になるのかしら。
      メロウレインは続編になるのかしら。
      2023/09/10
    • みんみんさん
      続編じゃなくて、オマケのペーパーなんかに書いたショートストーリーをまとめて一冊にした本
      サイズも単行本で高いの笑
      続編じゃなくて、オマケのペーパーなんかに書いたショートストーリーをまとめて一冊にした本
      サイズも単行本で高いの笑
      2023/09/10
  • 一穂ミチ先生が有名になってちょっと寂しいから
    原点から読み直す週間に突入してみた( ̄▽ ̄)笑

    切ない…

    今まで雨の日に特別思う事はなかったけど…
    こんなドラマチックに書かれるとヤバいです

    • みんみんさん
      完全版だよ!!
      間違えないでね!!
      完全版だよ!!
      間違えないでね!!
      2024/04/02
    • yukimisakeさん
      大分お安かったです、申し訳ないけど一穂さんもうお稼ぎになってるから許して下さい…笑

      あ…(꒪⌓꒪)完全版じゃない!!やってしまった、発送準...
      大分お安かったです、申し訳ないけど一穂さんもうお稼ぎになってるから許して下さい…笑

      あ…(꒪⌓꒪)完全版じゃない!!やってしまった、発送準備のお知らせが来てしまいました(T_T)
      2024/04/02
    • みんみんさん
      (゚-゚*;)(;*゚-゚)
      (゚-゚*;)(;*゚-゚)
      2024/04/02
  • 一穂ミチのBLを久々に読んだ。ふったらどしゃぶり、これはかなりの良作である。浮気は罪だ、という人もこれは読んでほしい。登場人物がどれほどの思いで浮気に走ったのかを。ただの体だけの関係ではない。「俺、半井さんとセックスしたいです。」「うん、いいよ。」切り取ってみると陳腐にも思えるが、どれほどの過程を経てそこまで辿り着いたのかと思うと、胸を打たれる。個人的には、「この身体がいらないなんて、ぜいたくなやつがいるんだなぁ、ってさ」がベスト台詞。おすすめの1冊。

  • あーよかったなぁ。
    悶えるなぁこのもどかしい関係。もどかしい状態で暮らすふたりが、もどかしい関係になって、じれったくなる。あぁ、いい、好き…
    一穂先生の描く男性はもちろん、女性もわたしは好きだ。ままならない。みんなどこか、ままならない。だから、それが満たされる関係が、とても愛おしい。

  • 2022/01/18-01/20

  • イエスノー関連を一応読破したので、今度はこちらを。

    一言、せつない…。それでもタイトルのような湿っぽさはない、大人の恋愛もの。サラリーマンだけど、お仕事話はそれほどでもなくて、2人の感情が行き来する。

    最初の半井さんの印象、私的にも良くないですよ。でも、その後の不安定さと、哀しさ、想いの強さ、みたいなものがゆらゆらと背後に流れていて、読んでいて、こちらも気が気じゃなくなってしまう。
    そして、荻原くん。優しいひとだなぁ。彼の苦しさも、ズシズシくる。セックスに対するすれ違い。
    かおりの気持ちも、わからんでもない。ずるいよね。
    和章は、ダメでしょ。彼が一番理解できなかった。。ナイトガーデン読めば印象変わるかしら。

    まぁ、BLなので、荻原くんが耐えきれなくなって、半井さんと結ばれるところ、いきなりそうくる?感は否めなかったけれど、でも、ほんと切ないし、苦しかった。そして、そこがすごく好き。

  • 大好きな作品で何度も読み返している作品です。こんなに切なくて胸が締め付けられるような痛みを感じる恋愛小説は他にないくらいです。二人のそれぞれの葛藤や悩みが手にとるように伝わり、ラストのシーンでは涙が出そうになりました。色々傷つき傷つけてきた二人だからこれから少しずつ幸せになっていったらいいな…本文中要所で登場する「雨」の描写が本当に巧みで一穂先生の描写のうまさ、ストーリーや登場人物を身近に感じさせる文章に感動の余韻が止まりません。

  • 久しぶりにBL購入。今まで読んだことがない感じの作品でいい本でした。
    文章がとてもきれいなので苦しさも嬉しさも切ない感じも気持ちよく伝わってきた。
    みんな幸せになって欲しい。
    続編もすぐに購入した。

  • 旧版既読。
    5年前に読んだ本なんだけど完全版?
    ( ̄◇ ̄;)エッ…完全版って何?って買った本。
    前の本よりエピソードと書下ろしがある事なのね。
    今回も前回と同じ感想
    https://booklog.jp/users/ankohaanko/archives/1/4840154074

    だけど今回はよりセックスレスに悩む一顕に肩入れしてしまった!!
    する気はないのに子供が欲しいって言うか
    おりの狡さが鼻についたし上から目線だよね。
    一顕の愛情がなくなる…って思わなかったんだべか?

    それとは別にかおりの元先輩の悪意が…これはキツイ・゚・(ノД`)・゚・。

  • 出会う前と出会ってからでは様々なことが変わってしまって、出会う前には戻れない、という読書体験が稀にある。この本はそういうお話。
    旧版も、手に入る分だけ読んだその後の同人誌もほんとうに好きすぎて、改めて読める喜びで胸がいっぱい。
    細かなエピソードがちょこちょこ(性欲の強い彼女、整が睫毛を全部抜いた、彩子さんの強烈すぎるパンチセリフ)あたりがカットされたパートですね。
    視力検査のくだり、この発想とアイデアはどこから来るの? 本当に面白いな。
    一顕の焦燥はより一層生々しく、整の危うさはより一層と鮮烈に深く鋭くこちらに迫るよう。
    「欲すること」を取り上げられ、自分の生き方はおかしいのか? と蝕まれながら互いに向き合っていく二人のジェットコースターのような渦に飲み込まれていく関係はスリリングで生々しく、ひどくハラハラさせられながらどうしようもなく胸が痛い。
    こんな恋愛小説がほかにあるだろうか。
    セックスで結ばれた二人が恋をして、何度も繰り返しセックスで絆をつなぎ合う「それから」を知ると、後戻りできない関係に至るまでを読み返すとその鮮烈さと大胆さと息苦しさの衝撃に改めてびっくりする。
    やっぱり旧版で読んだ時と同じく、和章にかける整の言葉のくだりですごく泣いてしまった。
    和章とおなじようにここで受け取った言葉や想いはずっと忘れないのだと思う。
    一顕の恋人に直してもらった足の爪がモチーフとなっているのが印象深いですね。後書きでの躊躇いながら爪を切る場面がほんとうに切ない。
    「肉親との別れ」、「親との死別」も一穂作品では繰り返し描かれている大切なピースですね。

    書き下ろしはどしゃぶりとびしょぬれのあいだのふたりのどうしようもないぎこちなさと、話をするために選んだ選択が愛おしい。
    なんでこんなシチュエーションが思いつくのかな。一穂さんの作家性の特異さを感じます。
    これからもきっと幾度となく繰り返し読むのだろうと思います。
    体で結ばれあった後に恋をして、そこから先はいつか、心と心だけで愛し合えたらと安らかに夢を見るカード特典のお話にいちばんグッと来てしんみりしてしまった。

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著者プロフィール

2007年作家デビュー。以後主にBL作品を執筆。「イエスかノーか半分か」シリーズは20年にアニメ映画化もされている。21年、一般文芸初の単行本『スモールワールズ』が直木賞候補、山田風太郎賞候補に。同書収録の短編「ピクニック」は日本推理作家協会賞短編部門候補になる。著書に『パラソルでパラシュート』『砂嵐に星屑』『光のとこにいてね』など。

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