アンデルセン童話集 (挿絵=クラーク)

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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (619ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784403270031

感想・レビュー・書評

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  • 雪の女王。"girl-rescues-boy tale"の色褪せぬ耀き。大人になると雪の女王の気持ちにも共感してしまうのだが。

  • 『人魚姫』は酷い話だ、なんでこれほど身を犠牲にしなくてはならないかと思っていたが、『豚飼い王子』、『ワイルドスワン』、『沼の王の娘』(キリスト教北欧布教題材)なども同趣旨の「振られ女」のテーマで、『おやゆび姫』は次々と醜い求婚者があらわれる。『雪の女王』と同じく「男女の認識すれ違い」の悲哀と見ることもできる。『皇帝の新しい服』は「ついている地位にふさわしくない者、どうしようもなく頭の悪い人」には見えない生地で作られている、というフレコミだった。『みにくいアヒルの子』と同じく自分を知ることがもっとも難しい!

  • 字ばかりの本なので、基本的には大人か、読書の好きな大きめのお子さん向けです。
    厚めの本とはいえ、大きなお子さんであれば読みきれる長さのものがたくさん載っています。

    言葉遣いは「読み聞かせる」より「目で見る」方が向いているものが多いと思いました。

    例えば
    「はっぱにおひさまがあたって・・」という表現ではなく「葉が日に照らされて・・・」といった具合です。翻訳ですから、このあたりは翻訳者にすべてがゆだねられています。

    本当はいけないかもしれないけど、うちでは子供の理解力に合わせて、加減しながら読んでいます。耳で聞いた時に分かりやすい言い方に変えたり、少しずつまだ知らない言葉を織り交ぜたり、訓読みしたあとに、意味を教えてあげたり。

    うちでは「おやゆび姫」をよんであげましたが、
    挿絵もなく、うちの子にしては長かったですが最後まで聞きました。途中来客があって中断すると、「はやく続きを読んで」と言われてしまったほどです。

    娘(4歳)にはどんな情景が見えたのでしょう?

    読み終わって聞いてみると
    おやゆび姫や王子の髪の色から洋服まで、
    娘は実にスラスラと解説してくれました。

  • このアンデルセンの訳は私的にはちょっとすんなり来なかった。
    特に最初の火打ち箱の流れがいまいちだった。

  • 大人のためのアンデルセン童話集。
    ブラックユーモアなものから感動的なものがあり、アンデルセン童話の魅力を存分に味わうことが出来ます。
    有名なお話も収録されていますが、子供の頃に読んだときには感じ得なかったものがあったりして、また違った印象を抱きました。

    特に、「人魚姫」は結末を知っているにも拘らず、胸に迫る重みが今と昔では全く違います。

    ハリー・クラークの挿絵が美しくそれでいてどこか妖艶さをはらんでいてとても幻想的です。
    見る者を魅了させてくれます。
    また、本の装丁も素敵で宝物になる一冊です。

    収録されている物語は以下の二十四話。
    「ほくち箱」
    「大クラウスと小クラウス」
    「おやゆび姫」
    「旅の道連れ」
    「皇帝の新しい服」
    「幸福の長靴」
    「丈夫なすずの兵隊」
    「父さんのすることに間違いなし」
    「コウノトリ」
    「みにくいアヒルの子」
    「ひつじ飼いの娘と煙突そうじ人」
    「モミの木」
    「豚飼い王子」
    「雪の女王」
    「夜なきうぐいす(ナイチンゲール)」
    「マッチ売りの少女」
    「妖精の丘」
    「古い家」
    「蝶」
    「人魚姫」
    「ワイルド・スワン」
    「沼の王の娘」
    「パラダイスの園」
    「絵のない絵本」

  • 資料番号:010876183
    請求記号:949.7ア

  • 文藝春秋から文庫版が出るらしい。。。うーーーん困った。
    やっぱり文庫サイズでは物足りない?

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    「アンデルセン生誕200年 荒俣宏がおくる、もうひとつのアンデルセン彼の面白さのエッセンスを、異色の傑作24篇に集約!アイルランドの幻想画家ハリー・クラークの夢幻味あふれる挿画40点を収録!編集部より●ハリー・クラークは1889年にアイルランドのダブリンに生まれました。父の工房を手伝ってステンドグラス職人として働くかたわら挿絵画家を志し、画稿を持ってロンドンのハラップ社を訪ね、そこで社長に一目惚れされ、『アンデルセン童話集』の挿絵を依頼されます。クラークは全力を尽くし、1916年、処女作が刊行されます。それが本書の原本。評判は上々で、ハラップ社は第2作を企画、それが『ポオ怪奇小説集』でした。これが大ヒットとなります。クラークの世界では、アンデルセンはポオと並ぶのです。クラークの作風は世紀末の画家ビアズリーに似ていますが、彩色画であることが決定的に違います。「その鮮やかで神秘的な色の輝きはステンドグラスのそれにちかい」と、荒俣宏は絶賛します。荒俣さんはクラークに惚れ込んでいるだけではない。「童話の真実とは、じつは子供こそがほんとうの読者であり、童話のすごさが理解できない大人のためにわかりやすく書き直されている大人向けの本」なのである。そう考える荒俣さんにとっては、アンデルセンはクラークの挿絵を通してもう一度、読まれ直されなければならない文学なのです。これは文字通り、荒俣宏から読者への心を込めた贈物です。」

  • 子供に読ませるのはもったいないくらいの、妖しくて美しくて豪華で素敵な、一生の宝物にしたい本です。

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