- Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
- / ISBN・EAN: 9784403220654
感想・レビュー・書評
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購入してから3ヶ月ほど寝かせてしまったのだが(木原作品は気合入れないと読めないという思い込みがある)、読み始めたらとまらなかった。すべての物語が少しづつリンクしていて、それが一つの線に収束していく様は見事。どの登場人物も様々な顔を持っていて、善の部分もそうじゃない部分も読み終わってみるとすべてがいとおしい。
もうね、こういう作品がこの世にある限り、私の人生はしあわせなんだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
BLだと思って読んだら何か違う…。でも素晴らしかった。どの話も切なく、救われないような…ハピエン好きとしては好みではないはずなのに読後感は悪くない。舞台は国と国境制度が廃止され、犬の耳としっぽを持つビルア種という人種が全人口の10%を占める近未来。とある科学者の葬儀に参列した4人に形見分けとして配られた”願いの叶う薬”にまつわる物語。それぞれの話がリンクしてて、読ませ方が上手く引きこまれた。
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ファンタジー色が濃くなっても、木原音瀬の簡素で無駄のない文体が変わらない所がいい。八尋とジョエルの章しか音声化されてないのが非常に残念だ。まだ「おわりの章」を読んでないが、個人的に犬のジョンと発達遅滞の少年ニコラスの話が秀逸過ぎる。ネタばれになるのでぼやかすが、ニコラスの少ない誤謬、舌足らずな喋り方が何故なのかが解った時の衝撃。願いの擦れ違いの悲しさ。イノセンスなニコラスと、ニコラス以外の人間に感情移入しないジョンもまた、ある意味酷く純粋である。祁壜のエピソードを第2話に持ってきている所が憎い。
ドラマCD聴いたのに声が蘇って来ないと言う事は聴き込みが甘いのか。ケモ耳&尻尾萌えはないんだが、こうして自分の範疇外が木原作品のお陰で破られていくよなぁ、尻尾に触れて安心したいジョエルの気持ちは痛いほど解る。 -
第三章の犬の話が切なかったです。
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木原さんはどれも★5レベルなのであえてそのなかでの差の評価です。最後の晩餐に参列した4人。無関係に見えた人たちの人生が交差していく。
いつもこの少ない量でこれだけの内容が書ききってあることに圧倒されます。
3話とも終わり方が切ない。始まりの章は重かった。スラム街や研究所の実験やらでたくさん人が死にます。
木原さんらしい話の展開で途中からくるっとひっくり返して裏を見せられる。すると全く違ったものがそこに見える。
芭亜斗は嫌な奴でちょっと可哀そうな所で終る。この後まさかあなるとは。 -
20XX年の近未来、人間とワクチンの副作用による突然変異で
犬の様な尻尾と耳を持つ人種(ビルア種)が共存する世界
とあるお屋敷の主人が亡くなり、そこの主人とは面識がなかったが
屋敷に住むライヴァンから最後の晩餐に招待された4人が帰る時に
主人の形見分けとして貰ったのが"何でも望みを叶える薬"2粒
その薬を貰った4人の物語
第1話《fake lovers》
大学生の八尋はいつも自分に嫌がらせをしてくる
金持ちのボンボンで素行の悪いジョエルを相手にしてなかったが恋人を奪われ怒りMAX!!
ある仕返しを思いつく……。
第2話《dear brother》
お金に困ったテロリスト、バートは亡くなった父親の遺産の鍵を
これまた亡くなった兄のケビンが持っている事を知り
防腐処理している兄の遺体を掘り出しお金の在りかを聞き出そうとして……。
第3話《eternal friend》
ハイビルア研究所に一応雑務員となつてるが
生まれた時からいるちょっと頭の弱いニコラスと
同じ頃から研究所にいる老犬のジョン
今回はホント木原ワールド全開!!
こんなに苦しい気持ちになるなんてさすが木原さん!!(*0*;)☆
雑誌で第1話《fake lovers》を読んだ時にいつか幸せになります様に!!って願ったけど
第2話《dear brother》は何だろうねぇ〜悲しいって言うか… そう来たか!!状態(;´д⊂)
第3話《eternal friend》は痛い苦しい☆⌒Σ(≧д≦)
かろうじて《fake lovers》はBLだけど他の話はBLでは括られない違う話
さすが、さすが、読んだ後こんな気持ちになるのは木原さんだけΣ(o>艸<)
なんて言うのか苦しい気持ち!
!読後感と余韻は木原小説ならでは\(◎o◎)/