- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396635398
感想・レビュー・書評
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定年っていいあなぁ。と思うことがあります。そんな私にフルスイングの衝撃!!甘かった!!
大企業で仕事一筋だった常雄。妻は夫源病で夫を避ける。娘からは責められる。
毎日やることがない。仕事を終えたら、輝かしい過去があってもただの人。なんだか読んでいて、胃がキリキリしてきました。誰でもありえそうに思えてくるリアルさに戦慄。やはり定年に向けてあらかじめ準備しておくことが大切なのですね。垣谷さんの取材力や時事問題を幾重にも絡めて物語を面白くする力はほんとすごい。
そのうち、息子夫婦の育児の大変さがこれでもかと描かれ、昭和ガチガチの考えの常雄を変えていきます。
私の子どもが小さい頃を思い出しました。「君が夏を走らせる/瀬尾まいこ」のように育児は輝ける思い出です。1~3歳までの子どもの成長ってすごい。「子どもを育てる脳科学/池谷裕二」をみながら、子どものすごさや可愛さを存分に味わうことができました。体力的に若かったからできたのだと思います。可愛い時期はあっという間で二度とないから、この時期、育児に関れたことは大きな財産になってます。
ただ、本書で気になる箇所があります。
3歳児神話を否定する部分です。
非人間的とも思える実験をしたヨーロッパの王がいました。孤児を集め、衣食住何不自由なく与える。その代わりに愛情は一切与えないとのものです。結果、ほとんどの子どもが3歳を待たず亡くなったそうです。最新の脳科学でも乳幼児期の愛着形成がないと成長が止まる、大きくなってからの種々の問題行動につながっていくともあります。
その辺り、本書ではとても軽視されており、登場人物の先行きが不安になります。
ともあれ、常雄は営業職で鍛えた対人スキルを発揮し、どんどん変わっていきます。そして、自分の居場所を作っていきます。
色々考えさせられました。
人間一生が勉強なんですね。
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前半は、常雄の発言にイライラ。こんな考え方しかできないの?と悲しくなりました。
自分の母親は、母性の塊と信じていたが実は、子ども嫌いで自分のことしか考えていないような母親だったと兄たちに聞かされたあたりは、笑ってしまいました。田舎者の世間知らずと思っていた兄たちの方がよっぽど世の中のことを理解していたなんて。
半ば強制的に孫の世話をさせられることになり身をもって主婦たちの苦労を知った常雄が少しずつ考え方が変わっていく辺りは、読んでいてこちらもうれしくなりました。
すごくおもしろくてでも少しホロリとし心温まる感じは、さすが垣谷さんらしい作品だなぁと思いました。
男性の方にも是非読んでもらいたいなぁ〜。 -
こんな無神経なクソおやじを作り出した男尊女卑の日本社会を風刺している。
ここまで極端でないにせよ、似たようなリアルは世間に多く存在してる。
自身に当てはめてみても、チクチクと突き刺さり冷や汗が出る。
ピンチを乗り越えられそうな結末にしてくれてほっとした。
この本は男が読むべきだと思う。それも定年オヤジでなく、まさに働き盛りの年代が読むべきだ。 -
すっごくおもしろい!家庭における男女のすれ違いをリアルに表現してます。
定年退職して悠々自適の人生を期待していた庄司常雄。しかし妻は自分を避けるし娘には非難される。男は仕事、女は家事育児、という世代の人だったのでしょう。おまけに常雄は、女性には母性本能があり、生まれつき家事育児の才能が備わっていると信じ切っている。ひぇ~。
女性たちの憤りがかつての自分と重なって、わかってくれる人がいた、と救われた気がしました。同時に夫への怨みつらみも思い出しましたが…。
一方で、夫側にも悪気はなく、彼らなりのやり方で家族のために働いていたんだな、とも感じて、上述した夫への怨みも少し和らぎました。
夫を主人公にしたところが巧い。-
あわわわわさん、こんばんは!
夜遅くに失礼します。初めまして。
この度はこちらへのフォローをありがとうございます。
こちらからもフォロ...あわわわわさん、こんばんは!
夜遅くに失礼します。初めまして。
この度はこちらへのフォローをありがとうございます。
こちらからもフォローさせていただきますので
どうぞよろしくお願いします。
あわわわわさんさんは、垣谷美雨さんの作品、
たくさん読まれていますね!
読みやすくてわかりやすいストーリーで
しかも、つい共感しちゃうものが多いですよね(*^^*)2023/08/22 -
かなさん、こんばんは。かなさんの本棚を拝見していたら、フォローせずにいられなくて。
こちらこそよろしくおねがいします。
垣谷美雨さんの作品は...かなさん、こんばんは。かなさんの本棚を拝見していたら、フォローせずにいられなくて。
こちらこそよろしくおねがいします。
垣谷美雨さんの作品は、共感するところがたくさんありつつ、読後スッキリな感じが好きなんですよ~。2023/08/22
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女性が 話をやめたときは 納得したからではなく
諦めたとき
この言葉が 私の心に ぐさりと 響きました。
この小説は 女性が あるあると 読むだけでなく
男性 とくに 旦那が 読むものですね。
『妻のトリセツ』も あわせて 読むと 人生変わります。
今知って よかったなと 思いました。 -
フォローしている方の書評を見て読んでみた作品。旧態依然とした考え方に凝り固まった定年オヤジが、息子夫婦の育児の手伝いをする事をキッカケにこれまでの自分の妻や子供達との関係を反省し、自分なりに変わっていこうとする姿を描く。
男目線から見て読んですごく良かった。自分もちゃんと家事や子育てにもっとしっかり関われば良かったと反省しきりだった。主人公のように今からでも変われると思うので、日々の態度を改めながらしっかり妻孝行をしていこうと思う。 -
「定年オヤジ改造計画」
タイトルから察せられるのは、どうしようもないオヤジが周りの人々によって再生していくという話。
もうね、いつも通りの安定した垣谷節を期待していた。どうせ、面白いに決まっている!と。
果たして、方向性はそのとおりだった。だけど、手法が違う!
一人称がオヤジなのだ。
定年したオヤジには妻と息子と娘がいる。
このオヤジが家族に放つ言葉がいちいち酷い。
「男は仕事で疲れているのだから、家事なんてしなくていい。」
「女には母性愛があるから、育児が辛いわけがない。」
そんなことを平然と言ってのける。
妻は諦めたような顔をし、娘は面と向かって否定してくる。
でも、オヤジにはそれらのリアクションの理由が分からない。自分が正しいと思っているからだ。
こんなオヤジが一人称の小説、、、読んでいる方が辛すぎる。
でも新鮮さがあった。
他の垣谷作品では、女性の一人称から愚かな人間(主に男性w)を描くから、
こんな作風もイケるのかと、改めて作者を好きになった。
しかし、ひょんなことから再生が始まる。
息子夫婦からの依頼で、オヤジは孫の面倒を見ることになった。
ありがちな話だけど、育児の世界に足を踏み入れたオヤジは、それがどれだけ大変なことか身に沁みて理解する。
でも、面白いのはここから。
息子は完全にオヤジの背中を見て育っているのだ。
息子もまた、働いている妻を家政婦か何かのようにしか扱わない。
そんな息子に過去の自分を見たオヤジは、息子を更生しようとしていく。
オヤジと息子の相互作用的な再生が本当に良すぎて、思わず涙腺が緩んだ。
正直、ご都合主義を多分に含んだ作品だと思う。
地元の親類たちはリベラルな考えを持っているし、孫はあまりにも良い子だし、そして何より、オヤジは愚かではあったけど自省はできた。
だからあくまでファンタジー的なのだけど、物語のエッセンスはとても意義のあるものだった。
人間はいくつになったも変われるのだ。生き方は多様でいいのだ。
ああ、とても良い本を読んだ。 -
ほんと面白かった。
自分の親を想像して笑えた。
父は、定年後、今までの考え方を変えれて、本当に良かった。
あと、料理をしてくれれば助かるんだが。
この本をみて思い知らされました(笑)きっと世の男性全てに読ませたい本なのではないでしょうか。40歳で出産も...
この本をみて思い知らされました(笑)きっと世の男性全てに読ませたい本なのではないでしょうか。40歳で出産も是非読ませていただきます。
この本は私が垣谷美雨さんにはまり出した最初の一冊です。
定年オヤジがあまりに昭和で、妻や娘の気持ちになって...
この本は私が垣谷美雨さんにはまり出した最初の一冊です。
定年オヤジがあまりに昭和で、妻や娘の気持ちになってイライラしたり、それを通り越して笑ったりしました。
それ以来、垣谷作品は時事問題とユーモアの絶妙な感じを期待して読んでしまいますが、この作品が今のところ一番です!
垣谷作品はハマるしためになりますね。定年オヤジ改造計画は、終始身をつまされる展開でした(^-^;時代は変われ...
垣谷作品はハマるしためになりますね。定年オヤジ改造計画は、終始身をつまされる展開でした(^-^;時代は変われど思い当たることがない男性なんて皆無ではないでしょうか。明日からおりこうになります!