遊び奉行

著者 :
  • 祥伝社
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本棚登録 : 53
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396634049

作品紹介・あらすじ

「藩を、正してくれ」。病床の父からの願いをよそに、踊りに俳諧に好き勝手のこの男、何を思う?美しい南国・園瀬藩を舞台に描かれる、真の武士の物語。『軍鶏侍』で時代小説界最前線に躍り出た著者初の長編。

感想・レビュー・書評

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  • 軍鶏侍のスピンオフ作品。

    本編である軍鶏侍を読んではいない。
    この作品は、国許に潜む民を蝕み私服を肥やす、家老稲川の悪を正すために、体の弱い藩主が考えた作戦を。側室の息子である長男と、正室の息子である次男が、大芝居を打って、緻密に作戦を練って正しく導く、、、といった内容。

    明るく聡明な長男は、周りからも次の藩主にと期待される人物。だが藩主である父が名指ししたのは、線が細い次男であった。だが、そこには本当の目論見が。

    私服を肥やすことに奔走し、藩の財政を困窮させた家老を欺くためだった。。。

    主人公が魅力的で、最後まで楽しく一気に読ませた。

  • 先代の藩主の長男でありながら「政治を正してほしい」という父の願いにより家老職に任命された亀松。しかし、禁止されている盆踊りに参加したことで重臣達の怒りを買ってしまい、裁許奉行まで降格となります。しかしそれこそが亀松の狙いでした。目標のためには手段を選ばず型破りな行動をとる亀松がとても魅力的です。

  • 裁許奉行の愚兄一亀が筆頭家老の稲川八郎兵衛の専横と加賀田屋との癒着を密かに暴き粛正する物語。
    最初はあまりストーリー性が無かったが後半は引き込まれるように読み終えることが出来た。
    どうも「軍鶏侍」シリーズとの関連があるようで、次回はそちらを読んでみたい。

  • ストーリーの展開と言い、読ませる筆力と言い、秀作。

  • 軍鶏侍シリーズ読了後だからこその読み心地の良さがあった。逆に軍鶏侍読まずにここから入るのはつらいだろうなぁ。

  • 時代小説デビュー作「軍鶏侍」で時代小説界に躍り出た著者の長編。「軍鶏侍の番外篇」の性格。なぜ60過ぎるまで時代小説を書かなかったのかと思うくらい完成度の高い「軍鶏侍」に比べ、最初は多少説明臭い感じもあるが、途中から引き込まれていく。クリーンヒット作品。

    藩主の父「斉雅」は、敢えて正妻の弟「千代松」に跡を継がせ、側室の長子で人を惹きつける「亀松(一亀)」を家老に落とし、藩を私する筆頭家老を油断させ政を正していく。一亀は庶民にのみ解放されている盆踊りに興じたため、家老から知行半減で裁許奉行(暇な「遊び奉行」)に格下げされた。園瀬藩の「愚兄賢弟」。

    ただ、最近は「描かないで描く」作品。読者に想像させる作品が少なくなっているのが少し残念な気もする。

  • 設定は面白そうだったのに。

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著者プロフィール

1944年、徳島市生まれ。さまざまな職業を経験し、ラジオ・ドラマ脚本・戯曲を執筆。1993年、一人芝居「風の民」で第3回菊池寛ドラマ賞を受賞。日本脚本家連盟会員、日本放送作家協会員。2011年、『軍鶏侍』で時代小説デビュー。同作で歴史時代作家クラブ新人賞を受賞、同シリーズにより多くの時代小説ファンを獲得。ほかシリーズに「ご隠居さん」「手蹟指南所『薫風堂』」「新・軍鶏侍」「よろず相談屋繁盛記」「めおと相談屋繁盛記」など、単著に『からくり写楽 蔦屋重三郎、最後の賭け』など著書多数。演劇にも造詣が深く、小説、戯曲、芸能、映画、音楽、絵画の多ジャンルでのシェイクスピア派生作品を紹介した著作『シェイクスピアの魔力』がある。

「2022年 『逆転 シェイクスピア四大悲劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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