白鷹伝: 戦国秘録

著者 :
  • 祥伝社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396632076

感想・レビュー・書評

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  • 記憶にないが鷹匠のことなどテーマにして書いた作家がいただろうか?記憶にはまるでない!小林家次(家鷹…信長に命名される)彼の生き方と鷹狩りの細かな描写から生き方までを追っている。信玄に仕え、信長→秀吉→家康と主君は変えるものの生き方は曲げない家鷹の頑固さにひかれてしまう

    「白鷹伝」

    作者は「火天の城」の山本兼一先生!やはり面白い。テーマがまるで知識がないので引き込まれること引き込まれること。お市の方にひかれていたり、なぜかヌルハチが出てきたりと意外な展開もみせるのだが、やはり作調は正統派なんですよね~

    それにしても歴史の本の面白さは信長や秀吉の戦国武将がそれぞれの視点と感性で多くの人格を持っているから面白い!

  • 織田信長など戦国武将に仕えた鷹匠、小林家次の物語。鷹狩りに対するイメージってそもそも具体的に持ってなかったけど、その鷹の心理を読み切りまくった鷹匠ノウハウの奥深さにまず驚嘆させられる。それを読むだけでも面白いんだけど、加えて主人公家次の漢気あふれる(といってもザイル系の漢気じゃなく、高倉系の)言動が鷹狩りの求道者な姿にマッチして、とても心地良い。これを読んで、おれも鷹飛ばしてみたい!って思ったけど、まぁ、室内ミニドローンがいいとこだな。おしまい。

  • デビュー長編とのこと。鷹狩や鷹の調教について詳細に書いてあり面白い。
    鷹は献上物として茶器に並んでよく登場するが、茶器のように位置付けについて語られることが少なくあまり知らなかったので、読んで良かった。

  • 山本兼一の2002年作の歴史小説。
    のちに直木賞受賞作となる『利休にたずねよ』や、『火天の城』の主題となる安土城、そして『花鳥の夢』の主人公である永徳の名も挙がっている。

    信玄、浅井長政、信長、そして家康と4人の戦国武将に仕えた実在する鷹匠と、彼が魅入られた白鷹との交流を軸に、戦乱の世の流れを描く。
    モンゴルにまで取材したという鷹狩りの描写は真に迫り、また作中に道具の挿絵もあるのでわかりやすい。小説としても、資料としても優れていよう。

    序盤に主人公の名前が、家次と家鷹で混同しているのが惜しまれるが,ライバルの鷹匠とのやりとりや、愛した鷹の二世の誕生シーンなどは感動的。主人公と並び立つ存在感を放つ異国人のメルゲンの抱える闇も、哀れを誘うし、秀吉の朝鮮出兵にうまく絡めているところがいい。
    ただ、家鷹がお市の方を救う為に取るあの捨て身の行為は想像すると、かなり笑ってしまう。

    この作家さんの文章は簡潔だが張りと色気があって、読みやすい。

  • 戦国時代には興味はあっても、鷹狩りはイメージが湧かない。鷹や当時の状況の描写を掴みきれないが、それでも結構面白かった。鷹への愛情と信念に生きる主人公と、絡む織田信長、韃靼人、麗しのマドンナお市の方、歴史を背景になかなか読ませてくれた。信長、秀吉、家康の人物描写については一般的だが、生き生きとしている。まぁ、朝鮮出兵まで持っていこうという設定は見え透いていすぎ(笑)粗さや先輩鷹匠など無駄と思える部分も多いが、秀作の部類。

  • 浅井長政・信長・秀吉・家康に仕えた小林家鷹の物語。
    史実かどうかは別にして内容は面白い
    お市の方との係わり、金(後の清)のヌルハチと韃靼人メルゲンとの係わり、明を攻めるきっかけと内容は豊富
    戦国時代の武将が鷹狩での戦闘訓練と駆け引きと面白く読めた

  • 家鷹、メルゲン、どちらも漢前!!!
    腹が据わっている人は最高にかっこいい。

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著者プロフィール

歴史・時代小説作家。1956年京都生まれ。同志社大学文学部を卒業後、出版社勤務を経てフリーのライターとなる。88年「信長を撃つ」で作家デビュー。99年「弾正の鷹」で小説NON短編時代小説賞、2001年『火天の城』で松本清張賞、09年『利休にたずねよ』で第140回直木賞を受賞。

「2022年 『夫婦商売 時代小説アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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