- Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396617486
作品紹介・あらすじ
ユーザーインターフェース研究の世界的第一人者による
アイデア発想法の決定版!
「新しいことを生み出したい」すべての人へ!
「妄想=やりたいこと」を実現するための思考と戦略
▼安宅和人氏(慶應義塾大学教授・ヤフーCSO) 推薦
未来を生み出す思考法とは何か? その答えがここにある。
この本はヤバい。歴史に残る名著だ。
『イシューからはじめよ』の未来開発版そのものだ。
こんな秘中の秘を明かして良いものなのか。
未来を作りたいと願うすべての学生、大人たちへ。
そして、ふわっとしたことしか思いつかない人はみんなこれを読むべし。
ホンモノの発想となんちゃっての違いがここにある。
▼石井裕氏(MITメディアラボ教授)推薦
「妄想」は種。それを丹念に育て実体化すると「アイデア」という木になる。
そして何百という木がその妄想から育つと、
それは「ビジョン」という森になる、新しい時代の潮流となる。
ヒューマン・コンピュータ・インタラクション研究の世界的リーダー、
そして盟友 、暦本純一氏の独創力の秘密がこの一冊に凝縮されている。
感想・レビュー・書評
-
大いなるイノベーションは、妄想から生まれる というのが本書の主張です
イノベーションのスタート地点には、必ずしも解決すべき課題があるとは限らない
課題解決型のやり方だけでは、予測不能な未来に対応するイノベーションを起こすことができない
想像を超える未来を創るために必要なのは、それぞれ個人が抱く妄想だ
妄想は、良いことなのか、悪いことなのかも判然としない。その先にあるのがユートピアなのか、ディストピアなのか、天国なのか地獄なのかもわからない
それでもどうしても考えずにはいられないのが妄想だ
役に立つかどうかという価値判断だけでなく、実現できるかどうかという判断も妄想とは無縁だ
素人のように発想し、玄人として実行する カーネギーメロン大 金出武雄
悪魔のように細心に、天使のように大胆に 黒澤明
悪魔度とは技術の高さであり、天使度とは、発想の大胆さである
もやもやした妄想をとにかく言語化してみる
やりたいことを、ひと言で言い表してみる
必要な発明の母であるが、逆に、発明は必要の母でもある
はじめる前に、あらすじを書いてみる
アイデアの源である妄想は、自分のやりたいことだ
ブレストでも多数決でも良いアイデアは得られない
アイデアには孤独なプロセスが不可欠だ
アイデアの責任を負うのは、それを思いついた個人であるべきだ。集団で考えると、責任が分散してしまうので、真剣に考えることができない
アイデアは、思いついただけでは実現しない、それが形になるまでには、紆余曲折といったほうがいい様々なプロセスがある
一度やってみて失敗したアイデアは、その問題を克服するためには新しい工夫が必要となる
失敗が重要なのは、それが、自分が取り組んでいる課題の構造を明らかにするプロセスだからだ
自分で実行してみないと、さまざまな局面でどんな問題があるのかがわからない
失敗と挫折とは違う
熟考するのではなく、ダメ元でもいいのでまず手を動かしてみる
うまくいかないアイデアを捨てるのがもったいないなら、いったん寝かせてみる
ピボットとは方向展開を意味する
今の常識がいつまでも常識であり続けるとは限らない
研究開発には、妄想を現実的な形にするフェーズがある 0を1にするような段階だ。それがうまくいきそうなら、次は、その1を5や、10に広げるプロセスに進む
アインシュタイン 最初にバカげたようにみえないアイデアには見込みがない
新しいテクノロジーはどんどん使って問題を見つけた方が改良される
目次
はじめに
序章 妄想とは何か
第1章 妄想から始まる
第2章 言語化は最強の思考ツールである
第3章 アイデアは「既知×既知」
第4章 試行錯誤は神との対話
第5章 ピボットが生む意外性
第6章 「人間拡張」という妄想
終章 イノベーションの源泉を枯らさない社会へ
あとがき
ISBN:9784396617486
出版社:祥伝社
判型:4-6
ページ数:240ページ
定価:1600円(本体)
発売日:2021年02月10日初版第1刷発行
発売日:2021年02月20日初版第3刷発行詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なにか新しいことを発見する人は、みんなの想像を超える人。
だからこそ、それを伝えたときにみんなには伝わらないことが多い。
だけどそれでもめげずに自分を貫き通すことが大切だと思った。
誰もが想像できることは、たいした発明にはならない。
すごく腑に落ちた。
-
革新的なアイデアを思いつくのは一部の天才だけだと思い、自分とは無縁なアイデアマンにずっと憧れていた。
本書は、こんな先入観を覆してくれる一冊だと。
結論から言うと、
自分の"好きなもの"から妄想の種を拾い上げ、
失敗を恐れず片っ端から手を動かそう!
って感じかな。
妄想を人に話したときにキョトンとされると、
「あれ、この考え方ってイマイチかな?」
って思っちゃうけど、実はこの"キョトン"が大事。
納得されるような妄想なんて誰でも思いつくわけで、まずは人をキョトンとさせることが最初のステップという発想はすごく面白かった。
思いついたことはやってみないとどうなるかわかんないし、失敗して何度も練り直すことでそのアイデアに磨きがかかると。
結局は"行動"なんだよなー。
【Action plan】
①思いついた妄想は積極的に人に話して"キョトン"とさせてみる
②そんな妄想から手を動かしてみる -
アイデアのつくり方については「みんなが知らなそうな面白いものを持ってきて紹介する会議」(必ずしも「みんなが面白いと思うもの」でなくてもかまわない)にすべてが集約されているような気がした。中途半端にブレストをやると、参加者の気持ちを忖度する方向に流されやすいというのは多くの人が経験していると思う。
流して読むと、実績ある著者に基礎研究の大切さを説いていただいたという印象しか残らないかも。自分の置かれた環境を妄想しながら読むと楽しかった。 -
取り扱うテーマとしては時代にマッチしたものであると思うが、思考法という見方をすれば、昔から出版されている、同様のジャンルの内容と大きな差はないのかな?とも感じる。それだけ思考法というのはある種、普遍的なものでもあるのかな。
-
タイトルとおり、アイデアのつくり方の参考になりそうな一冊です。とはいえ凡人にどこまでできるか、という問題はありますが。
著者はいまや現代の生活では不可欠となったスマホの画面を指で操作するインターフェースを開発した人物とのことで、iPhoneが発売される何年も前のことだそう。そういった実績のある人の言葉だからでしょうか、やはり説得力がありますね。
いわゆるビジネス本にありがちな「こうすれば成功間違いなし」的な力説をしているわけではなく、考え方の作法というか、ポイントを丁寧に解説してくれています。
「ブレスト」についても盲目的に信用するのではなく、著者なりの視点で批評がおこなわれており、その考え方の道筋は参考になります。
ただ、この手のアイデア創発系の話しは自分ひとりの力だけではなく、周囲の人の協力も不可欠で、この場合、周囲の人にもこの本の内容をある程度は理解いただく必要がある(理解いただいたほうがより良いというべきか…)のでしょうけれども、この点、意外とハードルがあるような気がします。職種や職場のカルチャーによりだいぶ左右されそうだなと、そんなことが気になってしまいました。 -
アイデアをカタチにする本、といったら少し陳腐な言い方かもしれない。
むしろ、個人がイノベーションを起こすための本、くらい早大にいった方が良いのかも。
こういった本はあまり読まないのですが、
著者のことが気になっていたので、読んでみました。
著者は、iphoneなどのスマートフォンの画面上で、
日本指で画面を大きくしたり小さくしたりする技術を開発した人(らしい)。
このアイデアは、スマートフォンが出てくる前に思いついて、開発したらしく、
それもある意味スゴイと言わざるを得ない。
そんな著者がどうやってイノベーションを起こすかについて述べた本。
タイトルにあるように、最初は妄想がダイジ。
そして、その妄想をすぐにカタチにしてしまうことがダイジ、とのこと。
「なるほど、デザイン思考に近い考え方かな…」と思っていたら、
課題先行で物事を考えると、思考が制限されてしまう、とか、
選択と集中だけだと、面白い発想が出てこない、とか、
今のビジネス界隈に生きる人にとっては、耳の痛い話も。
なるほど、確かに一理あるな、、とも思ってしまいました。
リソースは有限なので、結局はバランスなのでしょうが、
こういった考えに触れておくこともとても重要だと思います。
いい本でした。
著者の本がまた出たら、読んでみたいですね。 -
スマホを持っている人であれば一度はやったことがあるであろう、写真を二本の指をつまむように操作して拡大・縮小するスマートスキン機能を発明した、ユーザーインターフェイス研究の第一人者である暦本純一さんの著書。「妄想」を通して未来を生み出す思考法を解説した一冊で、「妄想」を文章化しアイデアとして具現化する手法が語られる。難しい本かなと思ったが、難解な用語はそれほどなく、アーサー・C・クラークやアインシュタインの格言を引用して説明されたりと、内容は非常にわかりやすかった。
-
冒頭部分の考え方部分と、後半部分の人間拡張あたりが特に面白かった。日本社会の先進テクノロジーに対する姿勢への記述してる箇所もあり、面白かった。 このタイミングでNewsPicksで落合陽一さんが著者の暦本さんと対談してた。落合さんの博論の指導教官だったと知った。
-
目的を明確にした真面目な思考が必ずしも大きなアイデアにつながるわけではない。一見無駄なようなところから面白いと思うアイデアを引っ張ってくることを意識したい。百発百中とはいかないことが当たり前なのだから、とりあえず手数をどんどん増やしていくしかない。何か良いものをつかめてのなら、それに対して悪魔的な執着を見せること。
また、アイデアの「責任」を負うのは、それを思いついた個人であるべきだ。この言葉が響いた。他人にアイデアを託すのではなく、自身が実行できる立場に移動しなければ、そのアイデアを実現させることは難しい。