国士 (祥伝社文庫)

著者 :
  • 祥伝社
4.07
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本棚登録 : 140
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396346607

作品紹介・あらすじ

俺たちは‶駒″じゃない!『プラチナタウン』の著者が、フランチャイズビジネスの闇を描く、心が熱くなるビジネスマン必読の書。

カレー専門店「イカリ屋」の老創業者・篠原は、フランチャイズ店と団結しチェーンを日本一に押し上げた。加盟店のオーナーには、リストラなどの苦渋を味わった人が多かったが、篠原への信頼は厚く彼らは自信を取り戻していった。一方、篠原は将来を見据えアメリカ進出を決断する。それを機に、自らは経営を外れ、プロ経営者・相葉に託すことに。ところがその相葉が……。

感想・レビュー・書評

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  • フランチャイズのお店を大事にして事業を拡大してきた創業者とそれを支えてきた従業員たち、対するは短期利益を追求して事業方針の大転換を図るプロ経営者とその取り巻き。
    あまりに典型的なキャラクター設定は何の撚りもない勧善懲悪の物語では残念ながら面白みが全くない。最初から善と悪を決め切らずにハラハラさせてくれれば応援もしたくなるだろうけど、そういう下町ロケット的な楽しみもなく。最後の方は結末も見えていて斜め読み。
    脱サラカレー屋さんというのは悪くない庶民の夢設定だと思うが、誰の目線で物語を進めるかの期待がかなりズレてしまった。

  • 直前に読んでいた本がべらぼうに読みにくかったので、
    ちょっとストレス解消に楡さんの小説に手を出しました。
    圧倒的な読みやすさと展開が気になって気になって仕方なく、
    あっという間に読み切ってしまいました。
    (もっと味わってもよかったかも。。)

    ココイチを彷彿とさせるカレー屋チェーンの世界展開を小説にした本ですが、
    元マクドナルドCEO原田氏を彷彿とさせるプロ経営者が、
    創業者から経営を引き継いだものの、会社経営をメチャメチャにしていくという
    ある意味正義vs悪の構図がとても分かりやすい仕立てです。
    (実際の原田氏はそこまで悪ではなさそうですが、これはあくまでフィクションです。)
    この辺り、池井戸さんの小説っぽい感じです。
    あまりに分かりやすい展開なため、
    「どうせ最後は正義が勝つんでしょ」と分かり切って(安心して)読めるのですが、
    安心し切ってしまえて、今一つ緊張感がないのも事実です。
    この辺りバランスが難しいなぁ…と思いつつも、
    ビジネス系のエンタメ小説としてはクオリティーの高いお話だと思います。

    楡さんの小説が好きなら、是非読んでもらいたい本です。

  • 楡周平ではあるが、最近の作品は『プラチナ・タウン』と同じようにビジネスロジックの解説を中心としたストーリーで構成する。派手な立ち回りや、むせかえるほどの愛憎という人間劇をほとんど扱わずとも、これだけカタチにするというのは凄い。「経営のプロ」と事業家とは、マインドセットやスキルの点でやはり違うものなのかな、ということを扱っているようだ。

  •  海外進出を目指し新社長を外部から迎入れた老舗カレーチェーンが会社変革、乗っ取りの憂き目に遭い、旧経営側と新経営側が戦うという話。
     新社長の相葉の考えが古いなというのが終始の感想。今特に米国のような先進国でこそ健康志向が流行りで、価格より質を追求している中で、質の低い食材も煮込めば一緒という考えは違和感。
     作品内では新経営側かと思えた商社の安住が中長期視点が欠くという点で相葉を見限り読者の溜飲を下ろしてくれる。ただ、旧経営側も事前リサーチをしてないにも程があるし、乗っ取られかけて文句を言うのも自分勝手がすぎる点でスッキリしない。
     あとは単純に会社の同期だからといってビジネスの場でタメ口で話すのは普通に常識知らずで読んでいて気持ち悪かった。

  • ★★★
    今月6冊目
    日本最大のカレーチェーンが世界進出をすべく自身は引退して外部から新社長を入れる。
    が、ビジネスに長けていても人の事を考えない社長、果たしてどうなっていくのか。

  • 面白かった、久々に一気に読みきった!
    企業の理論もあるけど、人としての覚悟、次世代への責任とか、今の自分に足りてないなと思った。
    熱くなる作品だった。

  • ビジネス小説、なんですかね。おもしろいことはおもしろいのですが、なんというか「わかりやすすぎる」のが難点ですかね。最後の展開もあっさり相葉を追い出すことに成功してしまい、うまくいきすぎのような気もします。

    恥ずかしながら”国士”という言葉ははじめて知りました。著者が登場人物の主張に込めた想いは今の日本、とりわけ政治家や大企業の経営者から失われてしまったものなのかもしれませんね。

  • 物語にヒールがいると盛りあがる
    直前に読んだのが「黄金の刻」だったので、その差がハッキリと感じられた
    ただ最後の部分でもう少し勧善懲悪を際立たせてくれると、よりスッキリしたかなと

    最後、政治家になりたいなと少し思わせてくれた笑
    とても読みやすい作品ではありました

  • 面白く、良かった。社会のためになる仕事。

  • カレー好きのために手に取った一冊。
    プラチナタウンの続々編とは露知らず。
    とても良かった!!です。ドラマ化希望!!

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著者プロフィール

1957年生まれ。米国系企業に勤務中の96年、30万部を超えるベストセラーになった『Cの福音』で衝撃のデビューを飾る。翌年から作家業に専念、日本の地方創生の在り方を描き、政財界に多大な影響を及ぼした『プラチナタウン』をはじめ、経済小説、法廷ミステリーなど、綿密な取材に基づく作品で読者を魅了し続ける。著書に『介護退職』『国士』『和僑』『食王』(以上、祥伝社刊)他多数。

「2023年 『日本ゲートウェイ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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