- Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396344511
作品紹介・あらすじ
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女――
天才強盗4人組に、最凶最悪のピンチ! 3、2、1、BANG!
陽気なギャング一味の天才スリ久遠は、ひょんなことからハイエナ記者火尻を暴漢から救うが、その正体に気づかれてしまう。直後から、ギャングたちの身辺で、当たり屋、痴漢冤罪などのトラブルが頻発。蛇蝎のごとき強敵の不気味な連続攻撃で、人間嘘発見器成瀬ら面々は断崖に追いつめられた! 必死に火尻の急所を探る四人組に、やがて絶体絶命のカウントダウンが! 230万部の人気シリーズ!
感想・レビュー・書評
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伊坂幸太郎さん、ギャングシリーズ3作目の作品。
後書きにあったが9年振りのギャングシリーズだったらしいのだが、自分は今回3作連続して読んでしまった為なんの違和感もなく読む事ができた。
相変わらずのテンポの良さが健在で、成瀬、響野、久遠、雪子の4人のキャラが生き生きしている。
特に響野と久遠は知的で博学なのに独特の空気感を漂わせ、彼らの存在がこの物語の別の精髄なのだろうと感じる。
今回は悪徳ジャーナリストとの攻防なのだが、いがみ合うような戦いではなく、相手の懐の中で敢えて踊らされながら裏をかくといった物語。
成瀬の能力があればこそ。
人を信じたり訝ったり計ったりできる。
大変面白かった。
作品とは全く関係ない話なのだが、この赤い表紙の凄く目立つ本なのに途中で紛失してしまい、一週間ずっと探していた。3つ数えても出てこなかった。
雑誌に埋もれているところを数日前に発見してやっと今日読み終わった。
読み終える事ができて別の意味でもよかったと反省している。
また数年後、4作目が執筆される事を楽しみに待ちたい。彼らの未来が楽しみ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【陽気なギャング】シリーズ3作目
4人組の銀行強盗のメンバー
天才スリ久遠が記者(火尻)を暴漢から救うが、自分が銀行強盗なのを、気づかれてしまう…
鬼畜記者 火尻は それらを利用しようとギャング達に迫ってくるが…
ぃやぁあぁ 面白かったです♪ヽ(´▽`)/
相変わらずギャング4人は良いキャラ!!
火尻はめちゃくちゃムカつくし…
終わりかたも メチャクチャ爽快でした
( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆ -
2023.10.26 読了 ☆9.6
伊坂さんの「陽気なギャングシリーズ」三作目。
一、二作目を読んでいる方なら尚更楽しめる、人間の本性や知らない動物の知識、散りばめられた技巧と伏線回収、ユーモアと皮肉…それらに溢れた、まさに伊坂ワールド全開の本作。
たとえば久遠の動物に関する知識とユーモアあふれる会話を挙げるならば
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p.286
雪子「車にはミラーがあるからいいけど。動物は、後ろから来られても気づかないだろうな、と思って。追われている時に、ついてくる敵の位置が分からないから大変」
久遠「トムソンガゼルの群れに営業しようか。『サイドミラーいらないか、後ろから追われた時に便利ですよ』って」
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などなど、クスッと笑える会話で溢れてる。
おなじみの四人が今回も銀行強盗をするのだが、それは序盤でのみ描かれ、その後は銀行強盗後に四人で集まったホテルのラウンジで遭遇した傍若無人な男であるミスター"小銭を拾えない男"のサイフを今回もお馴染み久遠が盗むところから今回の物語の大筋の部分が始まる。
その男・火尻は週刊誌記者で、女優である宝島沙耶のスクープを取ろうと奔走しており、そのホテルに泊まっているという噂を耳にして宝島沙耶と同じホテルの隣の部屋に宿泊するのだが…
それも全てホテル側の"ある共通した想い"による企みで、さらにお馴染みの四人がそこに加担することによって軽快なテンポでさまざまな思惑と事件が起きていく。
週刊誌を揶揄するセリフや前のページの言葉や出来事とのリンク、久遠によって展開される動物の知識…
たくさんの皮肉と笑いと学びとを得られる、それでいて面白いという、さすが伊坂さんと頭が上がらない一作です、おすすめです。
〜〜〜〜〜〜〜〜心に残ったフレーズ〜〜〜〜〜〜〜〜
p.24
"久遠「たとえば、目の前でおばあちゃんが転んだとするでしょ。その時、急ぎの用があって、やむを得ず通り過ぎちゃうことがあったとすると、たいていの人は、こう思うんだ。『私はそんなに悪人じゃないんだ。今はたまたま急いているだけで仕方がなかったんだ』って」
「でも、それが他人の場合、誰かが転んだおばあちゃんを無視して、先に行っちゃったのを見るとね、『あの人は冷たい人だ』と決めつける。ようするに、他人に関しては、一場面の行動を見ただけで、性格や人間性を決めつけちゃうってことだよ。裏の事情までは考えない」
雪子「確かにそうね。相手の事情をもっと想像してあげるべきね」"
p.54
"人間は、分類して、レッテルを貼って、管理するのが得意だからね。地図作りが本能みたいなものだよ。
もしかすると向こう(動物)も、僕たちのことを分類しているかもしれないけれどね。ヒト科非常識類強盗属とか。響野さんは、虚言癖群さわがしい属とか。"
p.101
「むかつくやつのことは叩いて、『こんなにひどいことをしてるぞ、やっぱり最低だ。俺たちなんかよりよっぽどひどい』と思いたいでしょ。立派な人や企業に対しては、『実はこんなにひどいことをしてる。俺たちと同じように、やっぱりひどい』と思えると、楽しいしね」
"人の持つ好奇心、覗き見趣味は否定できない"
「面白い世の中だよ。同じ被害者でも、可哀想に、と同情される人もいれば、そうじゃなくて、『おまえも悪い』と非難される人もいて。その境界がどこにあるのか僕には分からないけどね。『清廉潔白に見えたのに』というパターンがみんなのお好みなのか、楽しそうにみんなが責める。その人自身はただの被害者だったのに、先入観とその場のイメージに左右される」
p.210
「知る権利、とは便利な言葉だ。一般の人からすれば、『知らなくては困るもの』と『別に知らなくてもどうでもいいもの』の二種類がある。有名人のスキャンダルにしたところで、雑誌に載っていれば好奇心から読むかもしれないが、載っていなかったとしても誰も困りはしない。記事を書く側が大義名分として、知る権利を掲げているだけじゃないのか?」 -
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ほん3さん、お久しぶりです。
この四人は本当に実在しているようです。というより、実在していてほしいと言った方が正確でしょうか?いつか会って...ほん3さん、お久しぶりです。
この四人は本当に実在しているようです。というより、実在していてほしいと言った方が正確でしょうか?いつか会ってみたい、そう思わずにはいられません。
ほん3さんは、このシリーズでどれが1番好きですか?2023/02/02 -
柔道部員のシーン、今でも頭に残っています。思い出すと笑いそう…笑。
私を「〜日常と襲撃」が好きです。ことわざ、辞書、後書き…ロマン。柔道部員のシーン、今でも頭に残っています。思い出すと笑いそう…笑。
私を「〜日常と襲撃」が好きです。ことわざ、辞書、後書き…ロマン。2023/02/02 -
この作品を読むと必ず、「この四人だったら誰の個性が欲しいだろう」と考えてしまいます。
このことを色んな人に聞いてきましたが、皆、雪子の個性が...この作品を読むと必ず、「この四人だったら誰の個性が欲しいだろう」と考えてしまいます。
このことを色んな人に聞いてきましたが、皆、雪子の個性が欲しいと言っていました。
私は成瀬の個性が欲しいです。
ほん3さんはどうですか?2023/02/02
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陽気なギャング、3作目!今回もかなり楽しめました(≧∀≦) 4人の掛け合いがまた面白い笑
火尻、許せないし今のこの世の中を表してるような感じがしました。
次回作も出るのかなぁ?伊坂さん書いてくれてないかなぁなんて(//∇//) ギャングシリーズの続編に期待! -
前の2作から大分時間が空いていますが、しっかりとおもしろキャラが繋がっています。
他の2作より好きかな。
◯陽気な。。。地球を回す
◯陽気な。。。日常と襲撃
◯陽気な。。。三つ数えろ→本作品 -
陽気なギャングシリーズ第3弾!
今回は銀行強盗はお休み。あの愉快な強盗っぷりが面白いんだけどなぁと思ったら、あとがきの伊坂さんのコメントで納得。
はい、この度もひたすら楽しく読めました笑
お馴染みの成瀬、響野、久遠、雪子の周りをハイエナ記者火尻がずっと付き纏い、彼をどうにか追い詰める計画を立てるのだが・・・
今回は、何だかいつものひと暴れ感が、割とこじんまりと収まっていた。それに加え、最後のくだりに鍵となる祖母の形見の亀は、正直なところあまり意外性がなくてもう一捻り欲しかった。
取り敢えず作中に出てくるオカピとクアッガは画像検索しながらひとりでニマニマ・・・
このシリーズは回を追う毎に、ハートフル度合いが増しているような気がする。
現実味のない破茶滅茶ぶりで、今回もエンターテイメント性の高い作品だった。
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陽気なギャングシリーズで一番面白かった。相変わらず、4人の会話が楽しい。
今回は、スリルあふれる展開にのめり込んでしまった。
1人の女性を想う「連帯感」が胸を打つ作品だった。
ラストは、圧巻だった。伊坂幸太郎ワールドに溢れていた。
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銀行強盗の成瀬ら四人組が、ちょっとしたミスでロクでもない記者に付きまとわれ、以後あの手この手で脅してくるストーリー。
成瀬ら四人と、その記者に恨みをもつ複数人も絡みあい協力しつつ記者に対抗し反撃を試みるが。
まさかの3作目から読みめてしまったが問題なく話に入り込め面白かった。
伊坂幸太郎作品は本当に読んで楽しい作品ばかりだ。 -
超多忙の中、やっと読み終えました。
伊坂さんは、どうやって終息するのかなと思いながら読み進めていました。
そこは、流石伊坂さん。まったく予想しない展開で、痛快な気分になりました。
今回も4人の絡みが、最高におもしろかったです。