言霊: なぜ日本に、本当の自由がないのか (ノン・ポシェット い 6-1)
- 祥伝社 (1995年12月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396310691
感想・レビュー・書評
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わかり易く、論理的な文章。日本人の駄目な所、嫌な所についてこれだけ理路整然と書かれると納得するしかない。
「将来起こって欲しくないことから目を背ける、ないことにする」日本人の習性は今まさに起こっていることだろう。
戦前から日本人は何も変わってない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本人が信仰してきた「言霊」という言葉には、ある言葉を唱えることによってその内容が実現するという考えがあります。著者は、「言霊」が私たち日本人の行動に影響を与えたのは過去のことではなく、現在でもなおその影響力は大きいと主張しています。
言霊の影響の中でもとりわけ問題なのは、不愉快な予測を受け付けようとしない態度を助長することだと著者は考えます。たとえば、このままでは危機に陥ることが予想される場合に、私たちはそのことを口にするのは不謹慎だと考えてしまい、その結果として、来たるべき危機を回避するための方策が採られることのないまま、深刻な危機を迎えてしまうということが、これまでの日本社会において何度も繰り返されてきました。著者はここに、今も残る言霊の影響力を認めるとともに、そのことを深く認識することが重要だと論じています。
日本人の危機管理能力の低さが、希望的観測にしがみついて客観的に状況を分析するリアリズムが欠けていることに由来するという考えは、著者のみならず多くの論者によって語られています。そうした発想の根を、古代以来の言霊信仰に求めたところに、本書の特徴があるように思います。 -
言霊に支配されている日本を、論理的に説明している良本。
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言霊信仰にとらわれている日本人。
とてもわかりやすく説明されている。
憲法問題。
この本が発行されてから20年あまり、いまだ改憲がされていないという状況。
いまもなお日本が言霊信仰にとらわれているということを示しているように思う。 -
『言霊』とは文字通り、言葉をコミュニケーションツールとしての単なる記号と捉えずに、その中に霊性をみとめる考え方のことです。
例えば受験生に対して「落ちる」とか「すべる」という言葉を発してはいけない、という習慣も、知らず知らずのうちに「言霊」を意識しているからです。
どちらかというと悪い使い方をされることのほうが多いです。日本の怪談などで「末代まで呪ってやる〜」と言って死んだ人間が怖いのは、言霊のせいです。(因果応報の仏教思想も関係しているかもしれませんが…)死んだ人間に何が出来るんだ、という合理的な考え方の人には、何も怖くありません。
この言霊思想がいかに言論の世界で大きな障壁を生んでいるかをわかりやすく解説した好著です。歴史を見る目が変わります。 -
仕事の上司よりお借りしました。自分では絶対に手に取らない本だったもので・・(笑)
内容は、自分が持っていない視点を植えつけられました。とても刺激的で新鮮でした。
歴史について、私自身は全く詳しくないのでそれが正しいのか間違っているのかは判断できませんが、「納得してしまった」というのが全てです。
そして、私自身、「言霊信仰」の信者であることに気付かされました。
ものの考え方全てが、非科学的な「言霊信仰」に基づいているなぁ・・と改めて気付いた次第です。
面白かったです!!! -
目に見えない縛りや考え方に気づかされる名著。
憲法議論や自衛隊、貴族と百姓など。
言葉のもつ役割はコミュニケーションだけではなかったと気づかされる名著です。 -
「良くない事を口にすることは、演技でもないないことだ」
一度は耳にした事がある言葉ではないだろうか。一見筋が通っているかのように見える。そのように思ってしまうこと自体がコトダマという日本独特の信仰にとりつかれている証拠なのだろう。
憲法という言葉を使うものこそ。コトダマが宿っている。その危険性。
リアリティがないことに苦しむ自分は、コトダマイズムと現実の矛盾に対面しているからかもしれない。
やっぱり納得の一冊。やっぱり井沢さんの本は読みやすくわかりやすい。またよんじゃうだろうな。