世界から戦争がなくならない本当の理由 (祥伝社新書)

著者 :
  • 祥伝社
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784396115784

感想・レビュー・書評

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  • 流石の池上彰さん。わかりやすく、内容がある。

    世界から戦争がなくならない本当の理由。
    とてもストレートなタイトル。今この時勢だからこそ、より重みを持つ。

    とは言え、内容は戦争だけではない。戦争を切り口にした、近代史のお話。
    冷戦構造、米国の戦争。それらが今の世界と地続きであることがよく分かった。

  • 人間がいかに戦争を繰り返してきたかがよく分かった。
    自国の利益のためだけでなく、世界平和のために歴史を学び活かさなければいけないと強く思う。

    Kindle Unlimited本。

  • audiobook.jpにて聴いた。世界の戦争の歴史を振り返る本。戦勝国になると次もまたうまくいくと思い、敗戦国になると次はうまくやろうと思うという、無限ループなのかなと。
    日本は太平洋戦争の総括が不十分で、現場主義で責任の所在もあいまい。個人的には、本書を読んで憲法の見直しが必要と思いますが、なかなか出来そうにないですね。
    世界では絶え間なく戦争が続いていますが、日本はたまたま70年以上も平和を維持できていてよかったと思う。これを続けるためになにが出来るだろうか。少なくとも選挙に行くのは必須かなと思う。

  • ■帯タイトル
    戦後74年ーー
    なぜ「過ち」を繰り返すのか

    答えは 歴史が
    教えて くれます。

    ■感想、レビュー
    ロシアの歴史が知りたくて、
    Amazonで池上さんのロシア本を買おうとしたら、
    在庫なし(みんな考えてることは一緒ですね。苦笑)で
    関連本として出てきた、こちらを購入。

    タイトルがまさに知りたいこと、考えたいことでした。

    本作は、第二次世界大戦で降伏した日本のこと、
    東西冷戦、中東など世界で起こっている紛争や戦争について書かれています。

    読んだ直後の率直な感想は、
    「国とか国境とか、無くしてしまえば良いのに。
     勝手に人間が決めただけなのに。
     宗教や思想は認め合えば良いのに。」でした。

    力を持って、勝利を経験すると、
    勢力を保つため、利益のため、
    他国に干渉、介入していく。

    各国の思惑や、自分が信じる思想のため、
    あちこちで紛争や代理戦争が引き起こされる。

    池上さんの本は、感情的になりすぎず、
    だけど感情を置いて行ってしまうようなこともなく、
    とても読みやすいです。

    知識が深い方には、物足りないかもしれないですが、
    YouTubeで情報を仕入れている私には、
    とてもわかりやすくて読みやすいです。

    政治や経済的な介入や、
    宗教から引き起こされる紛争、
    独立するための戦争、
    他国の脅威を抑え込むための戦争、
    どれもこれも人間の勝手な都合で、
    大事な命と、大事な地球を壊す行為。

    千円にもならないこの本の中には、
    沢山の紛争や戦争のことが数ページで書かれていますが
    そのひとつひとつには、
    たくさんの人の命や生活が奪われていると思うと、
    胸がいっぱいになります。

    そして、日本が第二次世界大戦後、
    平和とは言い難いけど、
    それでも侵略や侵攻、戦争がなかったことは、
    すごく幸せなことなんだと思う。
    でもそれは、本当なら当たり前のことで
    最低限のことなんだと思う。

    この本を読んだ後に見た、
    オリラジあっちゃんのYouTubeで
    「それぞれから見た物語がある」と言っていた。
    アメリカから見た歴史、
    ロシアから見た歴史、
    各国から見た歴史や物語がある。

    だから戦争がなくならないなら、
    国なんて勝手に引いた線なくしちゃえばいいのに、
    と思うけど、それは無理なのもわかる。

    答えは歴史が教えてくれるなら、
    国のリーダーたちが見ている物語を知りたい。
    そう思いました。

  • 過去をしっかり受け止めないと

  • 読み応えあり。
    現在も起こっている紛争は、すべて過去の戦争、侵略が引き起こしている。
    戦争の反省をしたはずが、それが新たな紛争を生んでいたり。
    全てを理解しきるのは難しいが、世界の大まか流れを掴む教科書。

  • 戦後70年である4年前に出版された単行本を加筆修正、新書版にしたもの。
    いつもいつも池上さんにはたくさんのことをわかりやすく教えていただいています。
    この本も新しいことを知ったり、他の考え方を教えていただいたり、実は勘違いしていたということを知らされたり。

    たとえばキューバ、アフリカ、アジアにおける冷戦の代理戦争についての詳細、ここで初めて知りました。

    また、ベトナム戦争は悲惨だったけど、その後の中近東の戦争はそうでもなかった印象でした。
    実は報道規制によって「きれいな戦争」をつくっていただけだったんですね。
    すっかり騙されました。

    そして、ここに書くことで強調されてはいけないとは思った(池上さんの意見の「ほんの一部」であることを前提としてほしい)のですが、自分のために記録しておきます。(池上さんは日本が反省すべきことをたくさん述べられています。ここには書きませんが)〉

    〈現在の韓国人は「反日」をやめると自らのアイデンティティを保てなくなっているのです〉
    〈日本に向かって「ドイツに学べ」と言うのなら、中韓にも、そのドイツを許した欧州諸国の姿勢に学んでもらいたいところです。「許そう。しかし忘れまい」ならよいのですが、「忘れない、だから許さない」ではキリがありません〉

    〈本書で振り返ってきた「戦後の戦争」を見ればわかるとおり、この74年間に起きた軍事衝突に深く関わってきたのは、世界中から反省を迫られた日本やドイツではなく、むしろ第二次大戦の戦勝国です。二度と戦争を起こさないために国際連合を設立したにもかかわらず、そこで中心的な役割を果たすべき「連合国」のアメリカとソ連が、どれだけ多くの国際紛争を起こしてきたでしょうか〉

    私のような底辺の人間が「戦争をおこす」「戦争をとめる」ような大きなことはできません。
    でもhttps://www.youtube.com/watch?v=w-0aY2Y_diYちょっと感動しました。
    「憎しみより愛を選ぼう」
    みんなが少しずつ努力していくことが大切なのではないでしょうか。

  • audiobookで聞いた。

    第一次大戦から第二次大戦、冷戦、中東、アフリカ、アジアなど、各地域、各戦争毎のテーマに分けてなぜ戦争が起きてどう推移していったのかを解説している。
    その中で複数の戦争に共通してみられているのが、
    ・アメリカの介入
    ・イデオロギーや地政学的、あるいは利権関係での大国の思惑と介入
    ・宗教対立
    ・メディアの立ち位置と国民感情の関係
    ・戦後処理と反省
    等である。
    特にアメリカの介入した所ことごとくおかしな事になっていたり、途上国の内ゲバを、宗教やイデオロギー的な理由で大国が介入して、その後乱立した現地組織が泥沼の内戦を起こすあたり、救いの無い思いがする。
    その一方で少しずつではあるが、過去の失敗に鑑みて、より良いシステムを作り上げようとする人類の努力も見られるのである。

    余談だけど、CIAはやっぱ結構動いてるんだな。

  • ドイツの自動車ナンバープレートは「SS」を選べない。
    基本法≒憲法州は代表に作らせた。

    与党が改憲を訴えるのは日本のみ。
     アメリカが行ったこと。
     財閥解体、競争で経済発展。
     中間層を育て内需拡大し、外国侵略を考えさせない。
     女性参政権。

    キューバ 米軍グァンタモ基地
     1898年 米西戦争の勝利の遺産
     実質植民地化がソ連の介入、
     カストロとキューバ危機へ発展

    冷戦終了
     物理学者や数学者が金融界へ
     マネーゲーム、リーマンショックへ
     インターネットの解放へ
     社会主義の労働者が資本主義社会へ
     世界的デフレへ

    ベトナム戦争後の報道規制
     ピンポイント爆撃は命中した映像しか公開してない
     戦争はメディアを育てる

    パレスチナ問題
     イギリスの多重外交
      ユダヤ人国家/アラブ独立国家/オスマン帝国分割

    ヒトラー
     まっとうな民主手続きから生まれた
     本当に怖いのは、
     異常な独裁者よりそれを支える国民の熱狂

    第二次世界大戦後の軍事衝突
     原因は第二次世界大戦の戦勝国

  • 日本共産党は1955年に路線転換するまで武装闘争を肯定していた(p.60)。このことが「中核派」「革マル派」、連合赤軍などを派生させたとすれば、日本共産党はテロ組織のインキュベータであったということか?
     中韓が「反日」を止められないのは「自力で独立を掴み取っていないから」。日本軍と戦って独立を勝取ったという神話を作るために日本=悪でなければならない。
     韓国政府の正当性を維持するためにも、民族性(アイデンテティ)を維持するためにも徹底した反日教育が必要となっている。中国も共産党による独裁国家。政府の正当性を維持するには、「日本軍(敵)と戦って追い出し、人民を解放した正統な支配者」だという歴史が必要だった。
     パレスチナ問題は第一次世界大戦でイギリスがユダヤ人に居住地区建設を約束していたから生じた。ユダヤの大財閥・ロスチャイルド家から戦争に必要な資金を得るためである。
     戦争の勝利体験が、次の戦争の失敗を引き起こす。これは日本でも(日清・日露戦争)、アメリカの(第二次大戦、湾岸戦争・イラク戦争)でも歴史が語っている。
     「戦争をどう総括するか」。日本とアジア周辺国との摩擦、アメリカが中東に蒔いて地球上に飛び散っている火種。バックミラーに映る風景(過去)から未来を予想する(正しく舵取りをする)ことが大切だと閉める。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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