- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784396114503
感想・レビュー・書評
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豊島区は地酒発祥の地(池袋などに50年以上前から地酒を置く居酒屋が何軒も誕生したから)215
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/685916 -
おもしろかった・・・
著者自身が飲むのが好きじゃないと書けない本だと思う。トピックとしては、戦争中のお酒事情/日本人へのビールの広まり/居酒屋チェーン創業/酒格差社会・酒税法。
【戦中戦後のお酒事情】戦中戦後の話は、「とにかく飲んで酔うためのもの」という志向や、合法だった覚せい剤とお酒を併用して仕事する坂口安吾のエピソードや、闇市や密造酒といった隠れて飲むイメージからか、アルコールが違法薬物と紙一重って気持ちになった。
思い出横丁は、闇市時代のバラック飲食店街が原形のまま残されている場所らしい。そう思って思い出横丁を思い返すと感慨深い。狭いお寿司屋さんいい感じでおいしかったなー。
【日本人へのビールの広まり】戦中の配給制度で全階級にビールが広まり、また、その際、食料統制下で大麦や、米・ホップなどの副原料も一元的に管理されて各社に決まった比率で配分され、大きな工場で三社寡占により作られたことで、三社とも相対的にかなり近い、こんにちの「日本のビールの味」になったとのこと。なるほどと。
【居酒屋チェーン店】創業者たちの話もおもしろかった。「天狗」「養老乃瀧」とか「つぼ八」とか→「ワタミ」が革新を起こしていったので、今日の居酒屋があるんですね。「飯田四兄弟」ってすごい。
ちなみに著者はチェーン居酒屋の飲み放題制に苦言を呈していて、飲み放題コースじゃないと予約受付てくれなかったり露骨に誘導されたりするけど、そのせいで若者が酎ハイ・カクテルほか限られた種類のお酒しか飲めず、自分で居酒屋料理を選ぶこともできない、若者は酒文化の担い手であることを忘れるなと。たしかに自分で選んだほうが楽しいよね。
最後は、【「酒格差社会」と「酒税法」の問題】。日本社会の格差の広がりが直撃して飲酒文化にも格差が広がっていること、酒税法の逆進性について、著者の専門だからか論拠に基づいていて説得的。
ワインの話ももっと読みたいなー。 -
橋本健二 著「居酒屋の戦後史」、2015.12発行。居酒屋が好きで、お酒が好きですから、楽しく読みました。でも、内容的には、総花的な感じでまとまりはなく、読後に何も残っていない感じです。失礼しました。もっと捉える軸をしっかり決めて記述されたらいいと思いました。
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2016/5/14読了。
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もう読み手からいったら「史」に興味を示すよりもはるかに、紹介されているもろもろの店やメニューに「行ってみたーい」「飲んでみたーい」と、そんな欲求ばっか感じるのではなかろうか。呑み助にとってはほんとに良書。
あと、僕が(やや)ひいきにしている天狗が好意的に紹介されててよかった。 -
実感していた事象もかなり出てきており,楽しく読めた.焼き鳥の名前の由来は納得できるものだ.最後に出てくる酒に対する税制の不合理な問題は,ぜひ解決して欲しいものだ.格差の是正を解消する非常に良い視点だと感じている.
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居酒屋の歴史から酒文化の格差拡大まで、少しエキセントリックだが面白い話だった