- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784393611166
作品紹介・あらすじ
設計主義に見られる人間の傲慢を批判し、自生的秩序を重視したハイエク。進化する「自由の条件」を探究し、国家の役割に限界を劃す、リバタリアニズムでも保守主義でもない孤高の思想家を気鋭の研究者が描く。電子化・グローバル化する現代にこそ必要な一冊。
感想・レビュー・書評
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ハイエクといえば自由主義の経済学者で、ぐらいしか実は知らなかったけど、これを読んで基本的なことは理解できた。
市場など自制的秩序を信頼する個人主義で、集産主義と対立する。合理的に社会を設計しようとする設計主義に対しても「近代の傲慢」として否定的。新古典派は「合理主義的な疑似個人主義」であって相容れない。民主主義は個人の自由を保障することに意味があり、それ自体は手段でしかない。議会の無制限な立法権も許容されない。適切な制度や習慣が伝達・継承された集団が繁栄する、これを社会的進化と捉える。それは採り入れる制度の効用があらかじめ見えないため、功利主義的なルール観とは異なる。社会の変化を嫌うわけではなく、伝統や慣習自体よりも自制的秩序とそれが保障する自由なので保守主義ではない。小さな共同体ではなく「大きな社会」を想定しているためコミュニタリアンとも違う。
他の思想家と対比したりするとだいぶ立ち位置がわかりやすくなる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
仲正 昌樹 著
2,000円+税
出版年月日:2020/09/20
9784393611166 0033 〈新装版〉
4-6 272頁
設計主義に見られる人間の傲慢を批判し、自生的秩序を重視したハイエク。進化する「自由の条件」を探究し、国家の役割に限界を劃す、リバタリアニズムでも保守主義でもない孤高の思想家を気鋭の研究者が描く。電子化・グローバル化する現代にこそ必要な一冊。
〈https://www.shunjusha.co.jp/smp/book/9784393611166.html〉
【目次】
序 論 ハイエクはなぜ分かりにくいのか?
第1章 設計主義のなにが問題なのか?
第2章 自由主義の二つのかたち
第3章 進化と伝統は相容れるのか?
第4章 法は社会的正義にかなうべきか?
終 章 現代思想におけるハイエク
注
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あとがき