相対主義の極北

著者 :
  • 春秋社
4.43
  • (5)
  • (1)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 22
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393329030

作品紹介・あらすじ

古代ギリシャ以来の哲学的難問・相対主義。相対主義を純化し蒸発させたとき、そこに何が現われるのか。ルイス・キャロルのパラドクスやマクタガートの時間論、デイヴィドソンの概念枠批判やクオリア問題など、近年の論争的なテーマを旅しつつ、「私たち」をめぐる存在論と、無のさらに奥にひそむ特殊な「なさ」を考察する非在論。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【メモ】
    ・著者のサイトでの紹介。
    http://seesaawiki.jp/w/irifuji/d/%C1%EA%C2%D0%BC%E7%B5%C1%A4%CE%B6%CB%CB%CC

    ・2009年に文庫化。
    http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480091956/
    https://booklog.jp/item/1/4480091955

    【版元から内容紹介】
     すべては相対的で、唯一絶対の真理や正しさはない――この相対主義の「論理」を相対主義自身にも適用し、極限まで追いかける。その最果ての地で、どのような風景が目撃されるのか?本書では、ルイス・キャロルのパラドクス、マクタガートによる時間の非実在性の証明、デイヴィドソンの概念枠批判、クオリア問題等を素材に、「相対化」の問題を哲学する。相対主義を純化し蒸発させることを通して、「私たち」の絶対性を浮き彫りにすると同時に、その「私たち」も到達しえない“他なるもの”の姿を鮮やかに描き出す。ダイナミックな哲学の思考運動が体感できる名著。


    【簡易目次】
    序章 「地平線と国境線」と「足の裏の影」 [i-viii]
    目次 [ix-xii]

    第1章 相対主義という考え方 003
    第2章 プロタゴラスの人間尺度説 017
    第3章 相対主義は自己論駁的か 047
    第4章 アキレスと亀とルイス・キャロルの「三者関係」 089
    第5章 相対主義とその周辺 117
    第6章 「枠組み」の問題 139
    第7章 「ない」よりもっと「ない」こと 165
    第8章 「ない」ことの連鎖 189
    第9章 相対主義と実在論の極限における一致 209

    あとがき(二〇〇〇年一二月一日 山口大学 研究一号館309研究室にて 入不二基義) [226-230]
    注 [1-42]

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

入不二基義(いりふじ・もとよし):1958年生まれ。東京大学文学部哲学科卒業、同大学院博士課程単位取得。専攻は哲学。山口大学助教授をへて、現在、青山学院大学教育人間科学部教授。主な著書に『現実性の問題』(筑摩書房)、『哲学の誤読――入試現代文で哲学する!』(ちくま新書)、『相対主義の極北』(ちくま学芸文庫)、『時間は実在するか』(講談社現代新書)、『時間と絶対と相対と――運命論から何を読み取るべきか』(勁草書房)、『足の裏に影はあるか? ないか?――哲学随想』(朝日出版社)、『あるようにあり、なるようになる――運命論の運命』(講談社)など。共著に『運命論を哲学する』(明石書店)、『〈私〉の哲学 を哲学する』『〈私〉の哲学 をアップデートする』(春秋社)などがある。

「2023年 『問いを問う 哲学入門講義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

入不二基義の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×