君はいま夢を見ていないとどうして言えるのか: 哲学的懐疑論の意義 (現代哲学への招待 Great Works)

  • 春秋社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784393323120

作品紹介・あらすじ

デカルトの懐疑から近代哲学ははじまった。だが、その後の哲学は、本当にこの問題を解決したのだろうか?カント、ムーア、オースティン、カルナップ、クワインら大哲学者の解答を吟味し、いまだ解決されていない懐疑論の問題性を暴露して、われわれの知の根拠を揺るがす意欲作。

感想・レビュー・書評

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  • 人間が抱える全ての問題は人間関係から生じていると誰かが言っていた。
    どうして夢を見ていないと言えるのか問題も然りだ。

    私から見てこの本は、自分は目が見えていると信じこんでいる目の見えない人たち(デカルトさん含め)が絵画や建築なんかについて語り合っている世界にしか見えない。そもそも仕組みとして、学者どものアプリオリはどこまでいってもとある層のコンセンサスの域を出られない(コンセンサスゲームの勝者が学者だ)というのは分りきったことだろう。それでどうして自分たちが現実というものに対峙できると考えられるのか。不思議でならない。

    もしも彼らに現実世界の友人がいたら友人らは「学者脳(というビジネス)」から一歩も出ない彼らの脳の使用領域の変更を試みてこの世界に広がる無限の選択肢を教えでもしたはずだ。少なくとも、まずは脳の損傷でも認めさせてその不毛な世界から遠ざけようと尽力するだろう。それが善意であれ悪意であれ、また意図を伴う伴わないに関わらずだ。

    だがゲームの勝者に、量子的アプリオリの土壌を形成する何らかの機会を得て友人を作る、などという作業ができるはずもなく、しかしながら(脳の損傷を認める苦痛や勝者に居座りたいために見えていると信じこむ方を選んでいるに過ぎない可能性の方がずっと高い)他人にあなた実は見えてませんよなどとわざわざ教える他人などあるはずもなく、また万一そのような機会があったとしても見えている者が自分にとって当たり前であることについて説明する術を持つはずもなく、まず見えている者と見えていない者が互いの存在に気づくことはなく、そもそも見える者と見えていない者の住んでいる世界が物理的に接触しないのが現状の(自称)文明社会の仕組みだ。

    「人間よりも高度な文明を持つ宇宙人がいるなら地球に来ているはず問題」「神は自分の言うことをきかない人間を作れない問題」と同じで、その思考形態が人間脳(レベル)ということは無視されるというやつだ。
    高度な宇宙人や神が人間の友として話しかけてきたとして、夢の外、すなわち脳味噌の内と外が意味するところを自称文明人たちに理解できる可能性は低い、どころか友人を全力で叩き出すのが関の山だろうよの一言に尽きる。

    飛ばし飛ばしのトータル40ページくらいでドロップアウト。

  • 哲学的懐疑論のもとをたどっていけば、古代にまで行きつく。

  • [ 内容 ]
    デカルトの懐疑から近代哲学ははじまった。
    だが、その後の哲学は、本当にこの問題を解決したのだろうか?
    カント、ムーア、オースティン、カルナップ、クワインら大哲学者の解答を吟味し、いまだ解決されていない懐疑論の問題性を暴露して、われわれの知の根拠を揺るがす意欲作。

    [ 目次 ]
    第1章 外界の問題
    第2章 哲学的懐疑論と日常生活
    第3章 G.E.ムーアと懐疑論―「内的」と「外的」
    第4章 内的と外的―「経験的」と「超越論的」
    第5章 内的と外的―有意味と無意味
    第6章 自然化された認識論
    第7章 結び―診断を探し求める

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BA77476867

  • バリーストラウド「君はいま夢を見ていないとどうして言えるのか」http://www.shunjusha.co.jp/detail/isbn/978-4-393-32312-0/ … 読んだ。12モンキーズ、マトリックス、インセプション、ちょっと違うけどトータルリコール。自分の五感と知覚による世界認識の証明がいかに難しいか。はーおもしろい(つづく

    存在と現実をどう証明するか、「知っている」ことの定義は何か。哲学って結局は言葉遊びなんだよな、とこういう本を読むたび思う(もちろん肯定している)好きだった心理学や哲学ではなく一番興味が薄かった経済を選択して正解だったな。この分野はたぶん一生こうやって自分で本を読むのだ(おわり

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