- Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344985797
作品紹介・あらすじ
世の中には様々な医療情報があふれているが、その中身は玉石混淆。命の危機につながる間違った情報も少なくない。そして病院に行ったら行ったで、何時間も待って診療は数分、医者に聞きたいことがあっても聞けない、説明されても意味が分からない等々、患者側の悩みは尽きない。私たちはどうしたらベストな治療を受け、命を守ることができるのか? 正しい医療情報をわかりやすく発信することで、多くの人から信頼される現役医師が、風邪からガンまで、知っておくと得する60の基本知識を解説した、医者と病院のトリセツ。
感想・レビュー・書評
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医療情報が巷に溢れる今日、我々一般人が惑わされないための一冊。地味で伝統的な治療、その時は効かなかった治療、経過観察、にも立派な意味あり。巷の極論に惑わされず、きっぱり的な常識が大切。餅は餅屋に任せること、信頼する事も大切。「標準治療」とは統計的に「最も有効な治療法」だそうです。
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とても分かりやすかった。今更人に聞けないような、知っているようで知らなかった基本的な知識が多く、役に立つと思う。
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最新著作の売れ行きが絶好調の著者による、一般向けの新書。一度読んでみたいと思っていたこともあり、ひとまず中古で入手出来た本作から。こういう新書を手に取るような、おそらくある程度の医療リテラシーが期待できる層にとって、本書内で書かれていることって、きっとどこかで聞いたようなことばかりなんじゃないか。もちろん、それを繰り返し説くことに意義はあるけど、自分的には正直肩透かしな内容でした。
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「医者に治療してもらったが良くならず、医者が信用できない」これはよくある話。しかしこれは、医者の問題であることは少なく、むしろ私たち患者の勘違いである場合が多い。
病気の症状は、複雑なメカニズムで起こるもの。なので医者は、最初から完璧な治療法を見抜くことは難しい。むしろ、やりながら治療の軌道修正する力が重要視される。これは医学会の常識だったりする。
著者の山本氏はこう語る。「今は情報が簡単に入手できる。なかには根拠のない怪しい治療を紹介してているものも。最も困るのは、医者を信じられなくなり、根拠のない治療を信じるあまり病院に来なくなる人がいること。医師は病院に来ない人を救うことはできない」
私たち患者側も「医者がどんなことを考えて医療行為をしているのか?」を知り、医師をうまく利用する力を身につけることも大切だと思う。
本書は、医師や病院をうまく利用するために必要な情報や知識を紹介している。
なぜ医師や病院によって出す薬が違うのか?要因は3つある。
1.知り得た情報に違いがある
最初に行った治療の結果で、最適な治療を判断できた。「後医は名医」という言葉がある。
2.時間経過による症状の変化
医師と患者で「病状の経時的変化の感覚の違い」がある。医師は患者よりはやく病状は変化するものと考えている。
数時間単位で状態が変わる病気は多い。なので、最初はその病気ではなかったが、後にその病気の症状が出てきたと考えるのが一般的。医師からすれば、それぞれのタイミングで適切に診療を行ったと考えている。
3.処方すべき薬の選択肢が複数ある
病気が特定できても、使う薬は複数ある。使用する薬が違うのは、どちらも効果が一緒(よく使っている薬を使う)や組み合わせが違う(症状により組み合わせる薬が異なる)などある。
がんについて知っておくべきこと
がんになったらどんな治療を選べばいい?
「標準治療」が最も勝率が高い。現時点で考えられる最も有効な治療。それが臓器を切除するものでも、世の中で広く推奨されている治療法になる。
例え後に治療の効果がなかったとしても、「あの時、最善の選択をしたのだ」と思える。
治療後の管理が一番重要
手術は「予定通り」に行うもの。想定外のことが起こらない限り成功する。
治療は術後管理がとても重要。合併症に注意し、がんが再発していないか?を管理する。
がんは取り除いても、目に見えないがんが残る可能性がある。手術後は体力が回復するまで抗がん剤治療できない。それも含めて慎重に計画を立てる必要がある。
厳密にいうと「完治」とは、「治療をしなくていいこと」ではなく「普段の生活が送れるようになること」。定期的に検診や治療を継続しなければならない。病気とうまく付き合うことが大切。
自分が知ってよかったと思えることは、どんな病気もまずは普段からよくいくクリニックへ相談すること。病気は重篤であるほど、専門性が高い診療科の治療が必要になる。それを専門知識のない自分では判断できない。最も信頼できる検査と治療ができる病院を、クリニックの医師が判断してくれる。さらにクリニックから紹介状をもらい治療を受けることができ、自分で病院へ行くよりスムーズに治療へ移ることができる。これは、健康診断で精密検査が必要になった際も有効。クリニックの医師は地域の医療に詳しい場合が多い。治療費や効率を考えると、まずクリニックに相談したほうがよい。
自分は病院嫌いな所があり、辛くても自力で治すようにしていた。病院は待ち時間が長い、お金かかる、あれこれ良くわからないことを言われるなど。これからは、軽症なら自分で、薬が必要なら薬局の人に相談、辛ければクリニックへ行こうと思えるようになった。 -
【目次】(「BOOK」データベースより)
第1章 病院に行く前に/第2章 医師との関係に悩んだら/第3章 がんについて知っておくべきこと/第4章 いざというとき/第5章 薬の知識/第6章 知っておきたい家庭の医学 -
至極まともな医学知識を書いた本。
新しい知識(傷口を乾燥させないなど)を書いているのが良い。 -
悲しいかな、ここ数年ですっかり病院にかかり慣れてしまった。
その意味では、「答え合わせ」をするつもりで読めた。
ああ、あれはそういう意味なのね、とか。
救急車に乗るとき、帰りの交通費と靴の準備は心がけておきたい。
家族に付き添う可能性もあるし。 -
鼻血の止め方、風邪、発熱など。今までの知識と違っていたことには、医療の進化に気づかされる
総じてすぐに医者にかかることがメリットばかりでは無いということ。普段の生活と医療とうまく付き合っていくことが大切と今更ながら理解できた -
医療従事者として、医療現場(病院)の実態と医療のあり方について考えたくて読んでみた。
withコロナ時代ともなれば、医療との関わり方も再定義しなければならないし、それは医療従事者に関わらず全ての人がそうするべきだと思う。
現代医療はデータの集積で成り立つもので、ガイドラインともなれば智の結晶とも言えるが、その理解のし難さからどうしても簡易的ネットから得られる誤情報に手を差し伸べてしまう。
もはや医療は人生100年時代における一般常識であり、病院に頼ることなくセルフケアである意味自立できるくらいの教養を一人一人が持つべきだ。