妻語を学ぶ (幻冬舎新書)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344985575

感想・レビュー・書評

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  • 昨年の後半にこの本の著者である黒川女史の書かれた本「妻のトリセツ」を読みました、重要なことが多く書かれており、もっと早くにこの本に出合えていればなと思いました。

    この本はその続編のような位置づけですが、私にとっては、より実用に仕える本でした。妻が口にする18のケースにおけるフレーズを取り上げ、その言葉がなぜ発せられたのか、その言葉にどのような言葉・態度で対応すべきが、その理屈と共に書かれています。

    若い時に出合っていれば。。という思いをページをめくるたびに感じましたが、気を取り直して、今からでも遅まきながら挽回すべく、今後の人生に活かしていきたいですね。今の若い人たちは、この本を読んで事前に対策できるので、恵まれているな、とも思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・男性からしたら「言ってくれればいいのに」なのだろうが、そこを言わずにやってもらうのが女性脳にとっての「愛」であり、暗黙の意思表示は「愛の抜き打ち試験」なのである(p18)

    ・大切な女性の前で、他の女性をけっして褒めてはいけない、「あの人綺麗ね」と言われても、「そうかな」とはずらかすのが正解である(p35)

    ・女性脳はプロセス指向型、成果よりも「ここまでの道のり」に対して意識を集中する脳である、状況把握・当面の対応よりも先に「そもそもの人間関係の歪み」に気づく(p37)

    ・感謝やねぎらいで自分が役になったことをフィードバックされると、満たされて愛を育む、その相互作用が起こらない相手には静かに絶望していく(p48)

    ・車やファッションなどは「流行った事象」から7年目に「対極の事象」が現れ始める、7年というのはどうも「なんとなく一巡した感じで、盛り上がっていた気持ちが一段落する周期」である(p51)

    ・女性は本気でそれをやめたかったら「大変なんだからね」という言い方はしない、いきなり代替案を突きつけてくる(p66)

    ・男性は、しなかったことを謝る前に、気づかなかったことを謝るのが極意、女性は「やってくれない」のが悲しいのではなく、「察してくれない」のが悲しい(p79,84)

    ・「気づいてあげられなくて、ごめん」は、最高の愛の言葉である、「君の気持を察してあげたい」を伝える言葉だから(p85)

    ・「こと」ではなく、気持ちに対して謝る、待たしてしまったことではなく、待たせていた間の彼女の気持ちに謝る(p91)

    ・女性脳は、共感してもらうことで、ストレスが減衰する、共感してもらうことで、自分と子供との生存可能性が上がるから。共感こそが彼女の最大の問題解決である(p101)

    ・目の前で大切な女性がキレたら、これはもう、真摯にあやまるしかない(p107)

    ・問題が生じたとき、気持ちを味わい、その気持ち(情動)とともにある関連記憶を引き出してよりよい対処法を探ろうとするのが女性脳、問題が生じれば、気持ちを確かめる前に、問題解決の演算が始まるのが男性脳である、なので、どんなアドバイスよりも「共感」が、女性に「腹落ちの答え」をもたらす(p111,112)

    ・共感する対話では、「で、結論は?」「で、何が言いたいの?」「要するに」は言ってはいけない(p115)

    ・昔のことを蒸し返されたその場ではなく、別の場面で、自発的に同情と反省のことばを口にする(p139)

    ・長らく狩りをしてきた男性脳は、遠くから飛んでくるものに同時に照準を合わせるために、身の回りを「定番のもの」「芸版の事態」で固めておく性質がある(p152)

    ・女性脳は、生来フェアになんかできていない「自分のこと」を最優先に意識するように作られている、公平性ではなく、優しさや母性のおかげである(p159)

    ・「君ならできる」と言われたら「何の根拠があって」と言い返される、「君しかいない」と言い切るべき(p163)

    ・人の目は光の三原色に対応する三種類の色覚細胞を持っていて、赤・緑・青の組み合わせで認識するといされているが、女性の約半数は、赤の領域にあたる光を2種類(つまり四原色)に分別する(p174)

    ・「あ~、そうなんだ。それはつらいよね」と親身(風)に相槌を打ちつつ、気持ちよく話を聞いてあげると、女の話は最短で終わるというデータがある(p176)

    ・ヒトの生殖サイクルは、妊娠・授乳期間があるので約3年、女性は恋に落ちてから3年間だけ、相手の男性に「あばたもえくぼ」状態になる。そして3年以内に生殖に至らないと、急に相手のあら捜しを始めるようになる(p182)

    ・女性は「この人と一緒にいる意味」をいつも探している、「一緒にいる意味」とは、一言でいうと「共感」である(p189)

    ・男性脳と決定的に違うのは、容れ物が別々なので、いくら楽しいプラスの時間を積み上げても、マイナスの時間を相殺できない(p190)

    2019年12月15日作成

  • この本こそ女性蔑視ではないか、と思えるほど、女性セリフをカテゴライズすることでその対処法を教科書的に並べるということが、店先にぬいぐるみを並べて勝手にそのキャラをポップ書きするような気持ち悪さがある。女はアレクサ(スマートスピーカー)ではない。「ああいったら、こうかえすべきだ」を並べて、「男だったら、思ってなくてもイイから女にはこう言っとけ」という、ホットドックプレスのモテテクより酷い。男も馬鹿にされてる。

    というマゾヒズムを嗜むことができる。

  • 「鈍感な男 理不尽な女」に加筆・修正したもの。
    夫との関わりに悩む♀が読んでみた。首がもげるほど同意する反面、こんなふうに夫から思われていたのかと恐ろしくなった。毎日のように夫にイライラしてしまうが、半分くらいは夫は悪くない…
    男女の違いを理解したうえでアサーティブに関わっていけるよう、努力します。

    メモ
    ・身の回りの物事への観察力、男女脳で3倍違う(3倍!)
    ・女性はリスクヘッジのために察する能力が強い
    ・私からのアドバイス、夫は無視してるんじゃなくて唐突で聞き入れやすいタイミングじゃなかっただけ
    ・女性から大切にされる男性は出世する、なぜなら察する力でリスク回避してるから
    ・涙は「心の汗」
    ・男性は出来事を過小評価する。報告しない、共有しないのはそのせい

  • 女性が機嫌のの悪い時に出るあんなこんなセリフ。18種類に対してどう対処したらいいかの処方箋が書いてある本。
    いつの間にか妻、パートナーが不機嫌になっていて、よかれと話し合ったり説明してみたのによりキレられた男性に向いてます。

    女の私が見ていても、理不尽だなーと思った笑

    印象だったこと
    目の前のあなたに1番大事にされたい
    プロセス思考
    とにかく共感
    会話は、感情文脈
    失点は相殺されない

  • 男性向けではあるけど女性が読んでも良い内容。どうして理解してくれないの?という前に、脳の違いを理解すべき。

  • 作り方わかりやすい。男性向けに納得しやすく「翻訳」してる。しかし、最初の方特に、異言語すぎるギャップに呆然。

  • 妻、母、姉…etc.自分の周りにいる女性に対する何故?の理由がわかったように思う。

  • 男女脳の違いも学べるし普段のコミュニケーションにも役立つ。
    とにかく文章が読みやすい。
    筆者と同じ女だからか「分かるわー」と膝を打ってしまう箇所が多く、是非とも周りの女性陣に読んでもらいたい。
    男も結構苦労しているようなので、女もある程度の理解を示した方がうまくいきそう。

  • 自己理解のために読んだ。
    私と夫の会話を覗かれているのか、と思うくらい我が家の毎度の展開。夫に読んで欲しいけど、そういうタイプではないので、自分がこういう妻語は避けよう、とか、期待するのはやめよう、と思える気がする。ふふふ

  • 『妻のトリセツ』や『夫のトリセツ』とかぶる内容もあったように思うけれど、こうして「妻語」ごとに解釈の仕方と対処方法が書かれているととても読みやすい。男と女は行動原理が違うのだから、自分の思ったのと異なる行動をされたときに非難しあっても仕方がない。お互いの特性を認めあった上で、どう家庭を築いていくいくか考えていけば、お互い、あるいは、家族がハッピーになれる。

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著者プロフィール

黒川伊保子(くろかわ・いほこ)
1959年長野県生まれ。奈良女子大学理学部物理学科卒業。
(株)富士通にて人工知能(AI)の研究開発に従事した後、コンサルタント会社、民間の研究所を経て、2003年(株)感性リサーチ設立、代表取締役に就任。脳機能論とAIの集大成による語感分析法を開発、マーケティング分野に新境地を開いた、感性分析の第一人者。また、その過程で性、年代によって異なる脳の性質を研究対象とし、日常に寄り添った男女脳論を展開している。人工知能研究を礎に、脳科学コメンテーター、感性アナリスト、随筆家としても活躍。著書に『恋愛脳』『成熟脳』(新潮文庫)、『人間のトリセツ ~人工知能への手紙』(ちくま新書)、『妻のトリセツ』(講談社+α新書)、『定年夫婦のトリセツ』(SB新書)、『息子のトリセツ』(扶桑社新書)、『思春期のトリセツ』(小学館新書)、『恋のトリセツ』(河出新書)など多数。

「2022年 『女女問題のトリセツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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