大往生したけりゃ医療とかかわるな【介護編】 2025年問題の解決をめざして (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344984547

感想・レビュー・書評

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  • 目から鱗の話題の前作の続編です。
    生き方、死に方を考える事は、非常に大切な事。
    延命治療や延命介護については、言われるとおり、よく考えなければいけません。
    仏教の空の精神、とらわれず、こだわらず、あるがままを受け入れる。これが大切なんですね。
    大変参考になりました。

  • アグリー

  • いずれにしても、自分達の行為が、本当に相手のためになっているかということを、きちんと考えない限り、医療の虐待、介護の拷問は避けることはできず、なかなか安らかには死なせてもらえないということです
    繁殖を終えれば、いつ死んでもいいというのが、自然界の掟なのです
    繁殖を終えた年寄りに残された最後の大事な役目、自然な死が穏やかであることを、後続の者に見せることである

  • 中村仁一さんの「大往生したけりゃ医療とかかわるな(自然死のすすめ」に続く「同じタイトル(介護編)2025年問題の解決をめざして」(2017.3)を読みました。団塊世代の一員として、多くの示唆をいただきました。病気を治す主役は「自然治癒力」。医療を利用するのは回復するかQOLが改善できるかの時で、死を先送りするだけの治療(延命治療)はやめる。食欲は本能。自分で飲み食いできなくなれば「寿命(お迎え)」。あらゆる生きものに共通の最期の姿。医療の虐待、介護の拷問はやめる。手をつけなけば、お膳はそのまま下げる。

  • 介護で、無理に食事させるのも、苦痛を増すだけなので、終末期の老人が食べない場合は、無理に食べさせないで飢餓状態に於けば、安楽に死ねるという主張

  • 「死に時」が来たら、まだ早いなどとぐずらないで、「長生き」は辞退して「潔く死を受け入れる」ことが「健康寿命」を延ばすことに負けず劣らずに重要なことだ‼️前作から5年、後期高齢者の医師だからこそ言える、きれいごとを排した医療と介護の真実とは。世間では2025年問題を解決すべく、様々な取り組みがなされているが、それは結局“弱っても死ねない身体づくり”をしているだけ。つまり健康寿命を延ばそうとすることで要介護期間が延び、社会全体の医療と介護費用はますます増えてしまうのだ。誰もが「ピンピンコロリ」を願うが、それは1等7億円のジャンボ宝くじに当たるよりむずかしいこと。ならば老人はどうすればいいのか?生き方、死に方についての意識が変わる、目から鱗一冊。

  • 人間には穏やかに死ねる仕組みが本来備わっている、飢餓状態脱水状態酸欠状態などは、すべて穏やかに死ねわる手助けをしてくれる。私に時が来たら食べなくなるのは自然の摂理である。だから無理矢理食事をさせる介助は拷問と心得るべし
    オプチーボの仕組み がん細胞は、免疫細胞から攻撃にブレーキをかけ、身の安全を図っています。そこでこの防衛策を無力化して、もう一度免疫細胞が攻撃の力を発揮できるように環境作りをする薬

  • これは「介護編」で、もとのは読んだかどうか忘れたが、中村さんの本でぼくにとってもっと印象深いのは「ガンとは闘うな」で有名な近藤誠さんと書いた『どうせ死ぬならガンがいい』である。ふざけた本だ思う人もいるだろうが、近藤さんの本の愛読者ならすっと入る内容だ。中村さんは老人ホームの所長を2000年から勤めて来た人で、多くの老人の「自然死」を看取ってきた。それを見ていると、高齢者にとってなにもしないで死んでいくのが最も自然ではないかという理屈が出てくるのである。高齢者のがんはいわば老化の現れで、これになったら闘ったりせず、死ぬまでの準備をするのがいいというのである。この「介護編」では「自然死」はどのような経過をたどるかが詳しく書かれている。そして、わたしたちは高齢者になったら、アンチエイジングなどという愚かしいことはせず、自分がいかなる死をとげるかを時間をかけて準備するべきなのである。中村さんは毎年何回も柩に入る儀式をしていて、それに賛同する人も少なくないと言う。年をとって、自分でご飯が食べられなくなったら、無駄な治療はしない方がいい。へたに救急車など呼び病院へ担ぎこまれれば必ず治療が行われる。その結果本人が望まない生き方をさせられる恐れがある。しかし、それは本人にとっても過酷なものになるし、医療費の無駄だ。同感である。中村さんはあちこちで講演をしているらしく(死亡証明を書かなくてはいけないので泊まりはしないそうだ)、本書もその口調があちこちに出ていて心地よい。業界用語がわかりにくいのところで、「食間」を食事中、「座薬」を座って飲む薬と思った人がいたというのは笑ってしまった。また、「認知症」ということばは本当は「認知機能低下症」なのに、長いから省いているがわかりにくというのはなおさら同感だ。「認知」できるならけっこうなことなのだから。

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著者プロフィール

医師・社会福祉法人「同和園」附属診療所所長

「2016年 『とまどう男たち―死に方編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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