重力波とは何か アインシュタインが奏でる宇宙からのメロディー (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344984264

作品紹介・あらすじ

重い物体があると時空が歪む。その物体が動くと、歪みの変化が極めて微弱な波となって空間を伝わる。宇宙から伝わるその波、いわば「宇宙が奏でるメロディー」が「重力波」だ。重力波は、一九一六年にアインシュタインが存在を予言。彼の数々の予言のうち、最後まで残った宿題「重力波」が、一〇〇年後の二〇一六年、ついに観測された。重力波を観測することで、「宇宙誕生の瞬間」も見ることができる!人類永遠の謎に挑む「重力波天文学」の世界を、日本の重力波研究のフロントランナーが語る。

感想・レビュー・書評

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  • 潮汐の理由がやっと理解出来た。
    重力波とはどのようなものか、それが観測出来るとどのようなメリットがあるのかが書かれている。分かりやすい講演をベースに書かれているとの事だが、簡単ではない。

  • 2017年11月3日、「なみとつぶのサーカス」という題目で東大本郷キャンパスで開催された講演を聴きに行ったときに、講演に立った川村先生がこの本を書いたということを言われたので、その場でスマホからAmazonでぽちっと購入。中で使われている図は、先生の息子さんが書かれたものだと言う。

    川村先生の講演を聴いた編集者が、大栗先生や村山先生が書いたのと同じように新書で本を出さないかと声を掛けたことでこの本が世に出ることになったという。その編集者がいなければ、大栗先生も村山先生も一般向けの本を書いていなかったかもしれないことを思うと、一人の力であっても何か世の中に影響の跡を残すことはできるんだということをふと思った。

    さて、内容だが、2016年にその検出が大々的に発表された重力波についての本である。理論的な話よりも、まずリアルな「物」としていかに重力波検出設備が作られて、今後さらに何が期待されているのかということが書かれている。

    著者はカルフォルニア工科大学に7年間在籍し、その間、重力波を検出したLIGOプロジェクトにおいてノイズハンターとして貢献してきた。LIGOによって重力波が検出されたときには飛び上がって喜んだという。

    重力波の検出には、日本でもKAGRAが建設されており、「地下」と「低温」というアドバンテージを持っているという。また、日本のお家芸でもあるニュートリノ天文学との相性もよいそうだ。

    原始重力波の研究は、Bモード偏光の検出などとの競争が行われている。宇宙でのレーザー干渉計の可能性も研究されているそうだ。今後の重力波天文学の発展と、それによる宇宙の始原の解明を期待している。


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    「なみとつぶのサーカス」のチラシ
    https://www.ipmu.jp/sites/default/files/imce/press/201711_PL.pdf

    ■幻冬舎新書
    『重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る』(大栗博司著)のレビュー
    http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4344982614
    『強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く』(大栗博司著)のレビュー
    http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4344982932
    『宇宙は何でできているのか』(村山斉著)のレビュー
    http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/434498188X

    ■ブルーバックス
    『大栗先生の超弦理論入門』(大栗博司著)のレビュー
    http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4062578271
    『宇宙は本当にひとつなのか―最新宇宙論入門』(村山斉著)のレビュー
    http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/4062577313
    『数学の言葉で世界を見たら 父から娘に贈る数学』(大栗博司著)のレビュー
    http://booklog.jp/users/sawataku/archives/1/434402740X

  • 話の内容としては非常に興味深いものだった。だがどうしても専門的になり、重力波の話よりもそれを検出する装置の話題が中心となっていてる。専門に勉強している学生にはいいかも。

  • 重力波についての簡単な説明から始まり、それを観測することが何を知ることができるのか、わかりやすく解説している本です。KAGRAやDECIGOの今後が、とても楽しみです。

  • 自然科学の啓蒙書でありながら、著者の人柄も感じられる一冊。中学生、高校生にもおすすめしたい好著。

  • 重力波について読んだ何冊かの中で一番読みやすかった。重力波とは何かについて、なんとなくイメージできたように思う。重力波についてと、重力波観測の意味、歴史的経緯がバランスよくわかりやすく説明されていた。

  • 請求記号 441.1/Ka 95

  • 重力波検出の歴史などがわかる。

  • やや実験系に傾きがちな内容

    約138億年前に宇宙が誕生した

    宇宙最初の38万年間は非常に高エネルギーの状態で、粒子が激しく動き回る時代であった。このころは原子核が電子を捕まえられないため飛び回る電子と光の相互作用のため光がまっすぐ飛べない時代であった。重力波にはこのような相互作用がないため、初期の宇宙を観測するためには重力波が適している。

    ビッグバンの証拠としては、ビッグバンの火の玉から放射された光が宇宙の膨張によって引き伸ばされ、マイクロ波として宇宙を満たしている。これは宇宙マイクロ波背景放射(CMB)として観測される。十分に宇宙が膨張して宇宙のエネルギー状態が下がってからは電子を原子核が捕まえられるようになった(宇宙の晴れ上がり)ため光がまっすぐ勧めるようになった。この光がCMB。

    物体が加速度運動をすると重力波が出る。現在、考えられている重力波源としては
    超新星爆発
    中性子星連星の合体
    ブラックホール連星の合体
    の3つ。
    超新星爆発などは星の中心部がごく短い時間で収縮するため加速度運動する質量が大きく、強い重力波が生じる

    将来的な目標はインフレーションの観測、余剰次元の観測

  • ニュートン、光の合成則

    アインシュタイン、速さが光速に近づけば近づくほど、時間が遅れたり空間が歪んだりする。特殊相対性理論、一般相対性理論、存在を予言されたのが、重力波
    宇宙の始まり、ビックバンの前に起きたインフレーション、急膨張、ブラックホール、楽また、重力波検出、宇宙が加速膨張している、余剰次元、五次元以上、重力と電磁気力が統一できる、

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