人間の死に方 医者だった父の、多くを望まない最期 (幻冬舎新書)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344983595

作品紹介・あらすじ

医者は、どう死ぬのか。どう親の死を看取るのか。医療嫌いを徹底した著者の父が、87歳で果たした超絶オモロイ幸福死。

感想・レビュー・書評

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  • そう遠くない将来に起こり得る看取りの予習のために関連本を読んで勉強中。
    人間の死について、医師の観点からも、家族の観点からも書いてあり、とても参考になった。

  • 自分の死に対するのぞみ方と、今 生きている時の生き方を考えた。

    答えはシンプル。

    しかし、家族が死から逃れることが出来ない場合の、自分の考え方は難しい。

    自分じゃないから。

    そう、考えると、やはりひとりひとりが、自分の、考え方を明確にし、伝える、または残すということがとても大切だと思う。

    そうするのが、当たり前の世の中になって欲しい。

  • 膜妄想…不安や心配は妄想だから、しなくてよい

  • とても面白かった。常日頃から長生きすることに疑問を感じていたので、これを読み早く死にたくなった。誤解を招く表現だが、自殺願望は一切ない。感銘を受けた部分を抜粋。『実際の長生きはつらく過酷なものだ。あしこしがよわって好きなところにも行けず、視力低下で本も読めず、聴力低下で音楽も聴けず、味覚低下で美味しいものもわからず、それどころかむせて誤飲のきけんが高まり、排泄昨日も低下し、おしめをつけられ風呂も毎日入れず、容貌も衰え、なんの楽しみもなく、まわりの世話にばかりなる生活が“長生き“の実態だ』
    認知症になればまだましだが、頭がしっかりしているとことさら辛いことだろう。
    貯金使って美味しいもの食べたら、もういいやと楽になれた本。
    余命の聞かされる癌が1番ベスト。区切り分からずダラダラ生きる方が辛い。

    正月早々、考えさせられた1冊だった。

  • 20180423読了
    2014年発行。とてもおもしろかった。
    第1章 先手必敗の父
    第2章 定年を指折り数えるぐうたら医者
    第3章 糖尿病、検査しなけりゃ怖くない
    第4章 足の指が腐って奇跡が
    第5章 前立腺がんに思わず「しめた!」
    第6章 死を受容してきらめく日常
    第7章 しかし、思い通りにいかない人の死
    第8章 回復して新たな試練が
    第9章 認知症も怖くない
    第10章 安らかな死にも多少の苦しみ
    第11章 我が家は“病院死ゼロ”家族
    第12章 平穏な死はむずかしくない

    ・P7 多くの人が医療に頼るのは不安のせい。しかし医療に頼らなくても、いくらでも安心して愉快に過ごせる。
    ・P98 高齢者の終末期における誤解 高齢者が食欲をなくすのは臓器に栄養を利用する力がなくなるから。飛行機が徐々に高度を下げていくのと同じで、徐々に下げるから静かに着陸できる。無理に食べ物を与えると胃腸の負担が増え、消化不良となり嘔吐するか未消化で排泄されるだけ。
    ・P162 認知症は自然の恵み 認知症は不安や恐怖を消してくれる。過酷な老いの現実に対して、自然が用意してくれたある種の恵みである。治したいとか元に戻したいという思いに執着している限り家族は苦しみ状況を悪化させる。ありのままを受け入れると家族の気持ちが穏やかになり患者に無理を求めなくなってストレスも減る。
    ・P118 努力すれば必ず報われるというのはウソ。ことに病気や老化現象はなるようにしかならないと肚をくくり、努力せず無理せず執着しない。だからよけいな煩いもないし無駄な苦悩を背負いこむこともない。
    ・P202 最後まで治療をあきらめないというのは、理念としては美しいが現実には害が多すぎる。人間らしい尊厳を保つためにはある種の達観と賢明さが必要。

    少欲知足(しょうよくちそく 足るを知れば心は満たされる)

    莫妄想(まくもうぞう 不安や心配は妄想だから、しなくてよい)

    無為自然(むいしぜん よけいなことはせず、自然に任せるのがよい)

  • 久坂部先生のお父様のお話。

    お母様やお嫁さんは大変だったと想像がつくが、お父様のご希望が叶えられていてうらやましいと感じた

    お父様も麻酔医であったそうだが、お医者さんや検査を避けていて共感をもてた

    感情失禁というのがあるとは

    自分で排泄ができるうちにうまくがんになって死にたいものだ

  • 現役の医師でもある著者が、元医師である父親を自宅で看取る話である。医師が在宅で家族をケアするという特殊なケースであるが、それは医学的常識がことごとく覆されるような出来事の連続であった。認知症や延命治療に対して深く考えさせてくれる良書である。

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000885066

  • 在宅医療を知っている医者が書く、
    在宅で家族が死ぬということについて。

    通常の在宅医療や緩和医療のノンフィクションは患者本位であることが多いが、これは徹底して家族目線である

    そこが、面白かった

  • 医師でもあり作家でもある久坂部さんの実父を介護、看取るまでを書いた本。お父さんもユーモアがあって素敵だけど著者も素晴らしい。医者だから出来たとご自分で書いているがなかなか出来ないことをなんの躊躇もなくしている。「長生きは幸せではない」。私も年老いた親を見ていて、そう思う。介護する側もかなり振り回される。ただ、この本のおかげで認知症になるのが怖くなくなった。確かに認知症でもなく頭はしっかりしてるのに体の自由がきかない老人は辛そうだった。健康寿命を伸ばさなくては思う。

  • 久坂部さんの死生観や医療感のルーツがわかりました。
    先手必敗、覚悟の大切さ。

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著者プロフィール

医師・作家・大阪人間科学大学教授

「2016年 『とまどう男たち―死に方編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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