明け方の若者たち (幻冬舎文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344431393

作品紹介・あらすじ

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感想・レビュー・書評

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  • 2023.9.13 読了 ☆9.2/10.0



    20代前半の、"何者でもない自分"が"憧れの自分"に恋焦がれて、「こんなはずじゃなかった」ともがき、回り道をし、でも歩みを止めることは出来ない人生の残酷さと希望の光を、ものすごくリアルで、等身大に描いていて眩しいくらい。

    年齢層もドンピシャだから、自分ごとのように没頭できた。


    人生のマジックアワー、親友の尚人の性格や発せられる人生訓、恋愛観、価値観がモロ刺さりで何度も読み返すだろうなぁ

  • へー、映画の原作なんだ。
    と手に取り、パラパラっと中を見た。
    そしたら、舞台となってる街のほとんどが、かつて若者だった自分の過ごした街と重なっている。
    よく行った場所も多数出てくる!
    と、気が付いたら購入し、夢中で読破。
    20代の頃の、よく分からない苦しさが甦ってきた。
    当時の自分は、いつも灰色の世界で、もがいていた様な気がする。
    それでもやっぱり、「人生のマジックアワー」だったのかな。
    今の自分には、心にピタッと嵌まった、とても面白い作品でした。

  • それでも、振り返れば全てが、美しい。
    人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。
    とのこと。

    出会いと挫折と別れと復活の兆し。
    20代半ばの主人公達が数年前の事を懐かしく思い出しながら「マジックアワー」と言っているのを読んで「いや君たち、そのマジックアワーはまだ続いているんだよ」と。

    以下あらすじ
    明大前で開かれた退屈な飲み会。そこで出会った彼女に、一瞬で恋をした。本多劇場で観た舞台。「写ルンです」で撮った江の島。IKEAで買ったセミダブルベッド。フジロックに対抗するために旅をした7月の終わり。
    世界が彼女で満たされる一方で、社会人になった僕は、“こんなハズじゃなかった人生"に打ちのめされていく。息の詰まる満員電車。夢見た未来とは異なる現在。深夜の高円寺の公園と親友だけが、救いだったあの頃。

    それでも、振り返れば全てが、美しい。
    人生のマジックアワーを描いた、20代の青春譚。

  • いや、まさかの不倫かい!!!
    意外な展開過ぎて。。。笑笑 思い返せば、作中、彼女のの名前が一切出てこなく、『彼女』と表現されていることに納得がいく。
    最初から彼女との日常が綴られていたので正直、彼女目線の日常も読んでみたかったな〜。
    映画もあると知り観たくなった。

  • なんだか共感できる気がしてスラスラ読んでしまった。自分自身、過去を振り返れる年齢になったなぁと思った。


    ★上司の判断は正しいのかもしれない。正しいのだとしても、正しさだけで成り立つ世界は、こんなにも生きづらさに溢れてしまうのだろうか。

    ★イチローや本田になれそうにもない僕らに足りないものは、三振続きでも諦めずに打席に立ち続ける覚悟と、それを支えるメンタルなのかもしれない。

    ★失恋の傷は、異性で癒そうとするな、時間で癒せ

    ★「こんなハズじゃなかった」とか考えてる余裕があったら、さっさと目の前の課題を進めた方が、よっぽど効率的なんだ。

    ★大切な人は、いつも突然いなくなる。でも実は「突然」でも何でもなくて、きっと行動や表情には見えない心の機微が積み重なって、「突然」のように見えているだけなんだ。それに気付けなかった僕にこそ、問題があった。残される側の人間に、彼らを引き止める権利を持たされていない。

    ★二十三、四歳あたりって、今思えば、人生のマジックアワーだったと思うの

    ★過去を思い出す事は、それほど悪くないのかもしれない

  • 人生のマジックアワーを描いた青春譚。恋も仕事も純粋に、悩んで、迷って、前に進む。あの頃のこんなはずではなかったという挫折感や焦燥感。汚れなく美しい。あれだけ苦しんだ日々が輝いて見えるし、あの頃はよかったと思える。不思議だ。そう思えるのは、真剣に生きた証だと思う。

  • 主人公が彼女の好きなところをたくさん挙げていて、こんな風に人の好きなところいっぱい見つけられるようになりたいと思った。

    ただ女が酷すぎて胸糞悪い…
    人生のマジックアワーという単語が気に入った。

  • 誰かを心の底から愛して傷つく、
    ということを経験した人生はとても価値あるものだと思う。
    その人をまるごと愛するってどういうことなんだろう。
    どうやったらそうなれるんだろう。
    人生のマジックアワー、その一瞬の恐ろしいくらいのきらめきと苦しみ 
    目の当たりにできて良かった。
    映画も是非観たい。

  • 随所にサブカルが散りばめられてて、そういうのが好きな人にはめちゃくちゃハマるだろう。

    私は正直、思ってたより知らないものが多くて、勉強せねばという感じだったけど。

    でも、去年少しだけこの作品と同じ様な経験をしていたから、「僕」と私を重ねて読むことができたのが良かった。

    同じ様な経験なので、言うまでもなく成就しなかったんだけど、自分なりいろいろ気持ちを整理してきたつもりだ。

    だけどまだ何となく言葉にならないもやもやがあって、この作品の言葉がそんな私のもやもやに少し輪郭を与えてくれた気がする。(もちろん、まだもやもやしていたりもするのだけど。。。)

    たとえば、「彼女の下心を僕の真心と交換することで成り立っていた三年」みたいな表現で、「ああ。私は真心、彼女は下心だったんだな」と気づかされたりした。

    最近、小説を自分の気持ちを理解するためのテキストみたいに読んでる。


    さて、次は何読もうかね。

  • 大学生の自分には心にスッと入ってくる話だった。

    彼女とのやりとりで、
    「日常」がいかに輝いているのかを感じられた。

    言葉の言い方、物事の捉え方一つで変わる。

    恋はタイミング、という言葉が似合う。

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著者プロフィール

1986年東京生まれ、大学を卒業後、2009年より一般企業にて勤務。趣味で書いていたブログをきっかけに編集プロダクションに転職し、2017年4月に独立。ウェブライター、編集として活動中。本書がデビュー作となる。

「2020年 『明け方の若者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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