いつかの岸辺に跳ねていく (幻冬舎文庫)

著者 :
  • 幻冬舎
4.15
  • (64)
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  • (25)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 510
感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344431096

作品紹介・あらすじ

1

感想・レビュー・書評

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  • 重たい本を読んだ後にはうってつけの水戸黄門!!

    うーん、この本はスカっとした後味。
    そしてとても心がホカホカと温かくなる(^^)

    前半は護目線。
    俺の幼馴染の徹子は変わり者。道端で突然見知らぬ人に抱きついたり、俺が交通事故で入院した時、夜中にも関わらず枕元で泣いて謝ったり。


    うーん、もうこの時点で、この本はファンタジー的なノリかなぁ??と感じられる(笑)

    しかし護くんは好感触。素敵な子だなぁという印象。

    さて、突然話が変わったと思ったら、後半は徹子目線。
    これまでの不可解な行動が明らかにされていく。。。

    ちゃんと気持ちよく伏線が回収され、落ち着くところに見事に着地(^^)

    実に清々しい!


    日本人ってやっぱり水戸黄門が好きだよね!
    こうい小説は文句なしにスッキリする(^^)

  • さてさてさんが、加納朋子さんの描く世界観の中で、一番好き、と、おっしゃっていたので、加納朋子さん、初めてだったのですが、この本を読んでみました。
    最後まで読んで、すごく良かった! (T_T)
    子どもみたいな感想ですが、読めて良かったです!
    さてさてさん、ありがとうございました!
    この頃 すごく遅読なのですが、加納朋子さん、また読んでみたいと思います。 \(^o^)/

    • さてさてさん
      りまのさん、お読みになられましたね。
      そうなんです、加納さんの作品は魅力的なものがたくさんありますがこの「いつかの岸辺に跳ねていく」は別格...
      りまのさん、お読みになられましたね。
      そうなんです、加納さんの作品は魅力的なものがたくさんありますがこの「いつかの岸辺に跳ねていく」は別格だと思います。お書きになられている通り、”最後まで読んで、すごく良かった”を実感する作品ですよね。レビューを見ていると〈フラット〉でギブアップされたという方もいてなんともったいないと感じます。この作品は、〈レリーフ〉に感動の全てが凝縮されていますが、それは〈フラット〉あってのこと。読み切った者へのご褒美があの感動だと思います…と書いていたら読み返したくなってきました。ただ、記憶がまだ鮮明(それだけ心に突き刺さった)なので、もう少し記憶が薄れてから再読したいと思います。
      人におすすめしたい作品は幾つかありますが、この作品はその中でも未だに筆頭格です!
      2022/02/01
    • りまのさん
      さてさてさん
      こんな拙い 私のレビューに、丁寧なコメント、どうもありがとうございます!実は レリーフ の、イヤな男と 悲しいストーリーの描か...
      さてさてさん
      こんな拙い 私のレビューに、丁寧なコメント、どうもありがとうございます!実は レリーフ の、イヤな男と 悲しいストーリーの描かれように、途中 気分が凹みましたが……最後まで読むと、読後感、幸せ〜 になれました!
      さてさてさん、ありがとう!
      2022/02/01
    • さてさてさん
      りまのさん、そうですよね。
      幸せに包み込まれる読後、これがやっぱり大切ですよね。りまのさんの顔文字が上手く幸せ感を伝えてくださっています。
      ...
      りまのさん、そうですよね。
      幸せに包み込まれる読後、これがやっぱり大切ですよね。りまのさんの顔文字が上手く幸せ感を伝えてくださっています。
      ((✿╹◡╹)
      ご紹介できてよかったです。
      2022/02/01
  • aoi-soraさんのレビューに惹かれて。
    加納朋子さんの作品は大好きなので、読むのが楽しみでした♪

    幼なじみの護と徹子。護の視点での前編は青春物語かぁと思った。前編のラストに、あぁ…そういう結末なのね…、と思わせておいてからの後編がすごい。視点が徹子に移り、いきなり衝撃の事実が明らかとなり、前編での違和感や引っかかりが一気に解消される。前半のラストのこともどこかに吹き飛んでしまったくらい。
    現実にありそうなファンタジーのようなミステリーのような…想像力を働かせてこんな物語を生み出す加納朋子さんはすごいなぁ。

    徹子が真面目で優しくて責任感も人一倍強くて、それゆえ一人で抱え込んでしまうところがあって。
    一方の護は、困っている人がいたら、その重荷を奪い取ってやるような男気のある人だ。
    護の「徹子はそういう人だよな」や、徹子の「護はそういう人だよね」と言うシーンがよかったなぁ。幼なじみでお互いのことをよくわかっているのだということがとても伝わってくる。
    もう絶体絶命…!!ってときに救ってくれるヒーローってカッコよすぎでしょ!もう惚れちゃったよね。

    あおちゃんのおかげで楽しい読書タイムを過ごせました!ありがとう♪

    • ひろさん
      かなさん、こんにちは♪
      素敵な作品ですよね(*^^*)今作は驚きも大きかったです!
      ありがとうございますっ
      昨日、試験が一つ終わって少しホッ...
      かなさん、こんにちは♪
      素敵な作品ですよね(*^^*)今作は驚きも大きかったです!
      ありがとうございますっ
      昨日、試験が一つ終わって少しホッとしたところでした。
      かなさんも体に気をつけてお過ごしくださいね~ヾ(*ˊᗜˋ*)
      2023/12/04
    • aoi-soraさん
      ひろちゃん、お久しぶり〜
      素敵な感想をありがとう(⁠灬⁠º⁠‿⁠º⁠灬⁠)⁠♡
      前編は「ふうぅん……?」
      って感じだけど、後編がすごいよねっ...
      ひろちゃん、お久しぶり〜
      素敵な感想をありがとう(⁠灬⁠º⁠‿⁠º⁠灬⁠)⁠♡
      前編は「ふうぅん……?」
      って感じだけど、後編がすごいよねっ。

      試験、お疲れ様でした。
      息抜きに遊びに来てくれて嬉しいです♪
      2023/12/04
    • ひろさん
      あおちゃん、お久しぶり~
      アイコンがクリスマス仕様になってて可愛いっ♡
      そう後篇がすごいよねっ!惹き込まれたよ~(*>∇<)ノ
      素敵な作品を...
      あおちゃん、お久しぶり~
      アイコンがクリスマス仕様になってて可愛いっ♡
      そう後篇がすごいよねっ!惹き込まれたよ~(*>∇<)ノ
      素敵な作品をありがとう!

      ここに来るたびに元気をもらえてるよ(*^^*)
      ほんとにありがたいなぁって思います。
      またちょこちょこ遊びに来るね♪
      2023/12/05
  • 森野護と平石徹子は幼なじみ。
    徹子は、ふだんは生真面目な優等生なのだが、時々意味不明な行動をとる。
    護は、そんな徹子をひたすら守ろうとする。

    護目線で書かれた前半の「フラット」を読み終えて、後半の「レリーフ」の扉を開ける時の高揚感がたまらなかった。

    水面を跳ねる石のように、いくつかの場面が広がっては閉じていく徹子の世界。
    ひとりきりの世界で戦い、頑張っている徹子が痛々しかったけれど、護をはじめ、優しい友人たちの存在に気づいて、ふと我に返る徹子がいた。

    終盤は、ただ静かな、どこまでも滑らかで、穏やかな日常に光が差し込んでくる。
    神様に祝福された未来を生きている徹子が幸せで、本当に良かった。

  • 初めて読む加納朋子さん。
    みなさん、とても素敵なレビューを書かれているので、気になっていた作品です。

    率直な感想は…読んで良かった!!
    読了後もしばらくの間、胸の中に熱を持っている感覚。
    この熱は炎ではなく、温かな灯火だろうか。
    なぜなら最後のページ。穏やかでなだらかで、幸福に満ちた場面で終わりを迎えるから。
    しかし、この穏やかな場面に辿り着くまでは、長い道のりなのです。

    作品は前半の「フラット」と後半の「レリーフ」の二部構成からなる、幼馴染の護(まもる)と徹子の物語。
    前半は、ヘンテコな行動をする徹子を見守る護の視点で語られる。
    淡い恋心など青春の日々を、淡々と描いている感じ。
    それがパタッと唐突に終わってしまう。
    えっ?って感じ。

    そして後半。こちらは徹子視点で、前半の答え合わせの様に進んでいき、雰囲気も全く違う。
    もうここからは、ページをめくる手が止まらない。
    途中、読むのが辛いほど悲しい場面もあるが、絶対に最後まで読むべし。
    みなさんのレビュー同様、最後まで読んでこその作品なのです。

  •  清々しい読後感の物語でした。幼なじみから、ずーっと人を信じて疑わない一途さが、じわじわと心に沁みてきました。
     前半は、徹子のフラットさ(内心が読めない、言葉の意図が測れない、行動も目的も読めない)と、それ故に人に侮られ軽んじられることが許せない護の目線で描かれます。
     後半、徹子目線でハートウォーミングなラブストーリーが続くと思ったら…。徹子の意味不明だった行動も意図が明かされつつ、物語が急展開し、文字通りレリーフ(浮き彫り)の如く動いていきます。
     悩み、迷い、苦しんでいる人と最後までその人を信じて支える人…。新たな一歩を踏み出す勇気をもてるかどうかは、不遇が放置されている状況へ、踏み込む所から始まるのかなと思います。理解し合うためには、「分かり合えないところから」始まる気がします。
     人との繋がり、未来への希望に飢えている人におすすめの一冊です。

  • 久しぶりに加納朋子さんの本を読みました。やっぱり面白いです。
    前半の「フラット」を読み終わったとき、ほろ苦い幼なじみの恋の話でせつないけどいいなと思ったと同時にミステリーは???、どういうこと???となりました。でも、後半の「レリーフ」を読み出すと謎がどんどん解けていき、私が望んでいた結末になり、よかったです。途中は本当に嫌で嫌でしょうがなかったです。

    さてさてさん、お薦めして頂きありがとうございました。
    りまのさん、やっと読めました。面白かったですね。

    • メイさん
      さてさてさん、りまのさんありがとうございます。
      これは本当に最後ですよね。嫌なのが一気に吹き飛びましたね。みんな、いい人ばっかり。

      途中で...
      さてさてさん、りまのさんありがとうございます。
      これは本当に最後ですよね。嫌なのが一気に吹き飛びましたね。みんな、いい人ばっかり。

      途中でりまのさんがコメント頂いたときは失礼しました。レリーフを読み出し始めたぐらいだったので、それ以上は言わないでと思い中途半端な感じで返事を返してしまいました。申し訳なかったです。
      2022/02/15
    • りまのさん
      メイさん
      全然 失礼な事、ありません。まったく気にしていないので、メイさん、謝られること ないですよ〜。(*^_^*)
      お互い、さてさてさん...
      メイさん
      全然 失礼な事、ありません。まったく気にしていないので、メイさん、謝られること ないですよ〜。(*^_^*)
      お互い、さてさてさんのおかげで、良い読書をしましたね♪ありがとうございます!
      続けて、加納朋子さんの本を読んでいこうと思います!
      2022/02/15
    • さてさてさん
      メイさん、りまのさん
      この作品、レリーフの伏線回収はすごいですよね。どうなるかヒヤヒヤものでしたが、読み終えた後の充実感というか、読後感の...
      メイさん、りまのさん
      この作品、レリーフの伏線回収はすごいですよね。どうなるかヒヤヒヤものでしたが、読み終えた後の充実感というか、読後感の素晴らしさに酔いました。
      たくさんの方に是非読んでいただきたい作品だと改めて思いました。
      今年もこんな一冊に出会いたいです。
      2022/02/15
  • 前半と後半で物語の視点ががらりと変わるのがすごい!

    加納さんの作品らしいやさしさはしっかりとあり、それでいて、芯の強さもある。

    それが好き!

    楽しかったです♪

  • 加納朋子さんの作品の中で、『カーテンコール!』の次に好きな作品となりました。(☆5)
    後半から出てくる人物(ポアロ最終作品のある人物が浮かびましたね)の言動部は読むのに少しのパワーを要しましたが、加納さんらしい終盤の怒涛の回収と温かいエンディングは読書の喜びを与えてくれました。
    加納さんの作品はこれで9作目の読了となりましたが、期待を裏切られたことは一度もありません。
    (全て☆4以上)
    幸いなことに、加納さんの未読の作品が多数存在しますし、新作も期待できますので、これからも読み進めていこうと思います。

  • これはすごく良いお話だった。

    幼馴染みの護と徹子。幼い頃から始まって小学校、中学、高校で進路は分かれたが、それでも大学、社会人と続く二人のお話。
    時々訳の分からない行動をしたりするちょっと変わった子である徹子を見守る護の視点で描かれる前半は、幼い頃の河原での記憶や高校時代の友人を絡めたエピソード、成人式の出来事などに彩られながら進む青春物語で、ちょっと切ないけれど適度な距離間の二人の関係にほのぼのとさせられる。
    ところが、徹子視点で語られる後半はその雰囲気がガラリ一変。これまでの徹子の突飛な行動の訳が明かされ、彼女なりの倫理から一人で困難に立ち向かう闘いに胸が詰まる。
    終章、時を経て、徹子が冒頭に語った光景に行き着く展開に、胸は温かく満たされた。

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著者プロフィール

1966年福岡県生まれ。’92年『ななつのこ』で第3回鮎川哲也賞を受賞して作家デビュー。’95年に『ガラスの麒麟』で第48回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)、2008年『レインレイン・ボウ』で第1回京都水無月大賞を受賞。著書に『掌の中の小鳥』『ささら さや』『モノレールねこ』『ぐるぐる猿と歌う鳥』『少年少女飛行倶楽部』『七人の敵がいる』『トオリヌケ キンシ』『カーテンコール!』『いつかの岸辺に跳ねていく』『二百十番館にようこそ』などがある。

「2021年 『ガラスの麒麟 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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