- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344428706
感想・レビュー・書評
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【感想】
「メモの魔力」の著者・前田裕二氏の本。
正直、「SHOW ROOM」というコンテンツには一切興味が無いし、個人的には自分の人生に今後関わる事なんてないのだろうけど・・・
前田裕二氏の考え方であったり、バイタリティそのものは他と一線を画するものがあり、目を見張るものがあると思っています。
本書では、そんな前田氏の生い立ちや幼少~学生時代、サラリーマン時代、そして起業に至るまでの経緯について触れられていました。
さて、前田氏の人生についてですが、どの時代を振り返っても2つ共通項があったなと読んでいて感じました。
1つ目は、自身の現状や現在地を客観的に把握し、本質を見極め、目標設定を行なっている事。
2つ目は、目標に向かって、常人とは比べ物にならないほどのモチベーションの質や量をもってやりきる事。
このように、前田氏は「コンパスの正確な設定」⇒「圧倒的な質と量での実行」というサイクルを回し続けているんですね。
単純ではありますが、PDCAを正確かつ大量に回転させ続ければ、誰でもある程度の成功を成し遂げる事はできそうです。
そして、前田氏のスゴイところは、色んな人脈や人並みではないスペックもさることながら、そういった泥臭い努力を持続し続けている点にあるんだなと思いました。
また、読んでいる上で心に響いた一文を1つ抜粋します。
【「人」に負けたいのではなくて、あくまで、自分に課された「運命」に屈したくない。】
今の境遇がどうあれ、「いくらやっても自分なんてダメだ」と運命に屈するのではなく、しっかりと改善に努めて生きていきたいと思いました。
誰だって、どんな境遇に生まれたって、人生において勝算をたてることは不可能ではない。
自分ももっと頑張ってみようと思える、いい1冊でした。
【内容まとめ】
0.「人」に負けたいのではなくて、あくまで、自分に課された「運命」に屈したくない。
これが生きる上での根源的なモチベーションであり、SHOWROOMを立ち上げ成長させる上での原動力になっています。
1.仮説思考の原点となったギター弾き語り
あらゆる仮説を立てて実証を繰り返し、工夫を重ねて多いときには月10万円ほどのお金を稼いだ。
また、次回来てもらう約束を取り付けるための「時間差リクエスト」など、ステップを経て絆を深めるという工夫も凝らした。
2.人に好かれる能力よりも、人を好きになる能力の方が、よっぽど大事
好きになられたら誰だって悪い気はしません。人間関係は鏡であり、人は好意を受けたら好意を返そうとする生き物です。
そして、人を好きになることは、コントローラブル。自分次第でどうにでもなります。
人に好かれる能力よりも、人を好きになる能力の方が、よっぽど大事だと僕は思います。
3.優秀な営業と玉砕する営業の違いは、会話スキルや運ではなく、モチベーションとエネルギー量。
同期より早く給料アップしたい、社長に褒められたい、同期の女の子にモテたいなど、何でもいいからモチベーションがハッキリしていることが大事。
モチベーションやエネルギーは、あらゆる仕事術に勝ります!
もちろん、モチベーションだけで万事解決するわけではありませんが、超高速で力強く走り、目的達成するために、まずはそのための燃料が必要です。
4.本質を見極めて、やりきる。
UBS証券にいた時代、業務を進める上で、それなりに証券知識や特殊なスキルも必要でしたが、勝利を重ねられたのは結局、仕事への熱の投下量が誰よりも多かったからです。
しかし、「ただ頑張る」だけではいけません。「本質を見極めて、やりきる」ことが大切です。
「見極め」とは、どのようにすれば効率的に作業ができるか、着手する前に仮説を立てることにエネルギーを使うこと。
そして、「見極め」が完了したら、後は血みどろになっても掘る。絶対に見つけるまで掘る。
5.二つの大事なこと。
一つは、どんな時も揺らぐことがない、深く大きな愛情を持つこと。他者に対する想像力、共感力といった思いやりの気持ちを持つこと。
もう一つは、人生の価値観、向かうべきベクトルを明確に持つこと。つまり「人生のコンパス」を持っているということ。
コンパスを持つためには、とことんまで自分と向き合って、自分の心と深く対話する必要があります。
【引用】
p26
・仮説思考の原点となったギター弾き語り
「オリジナルではなくカバー曲(未知より既知)」など、あらゆる仮説を立てて実証を繰り返し、工夫を重ねて多いときには月10万円ほどのお金を稼いだ。
また、次回来てもらう約束を取り付けるための「時間差リクエスト」など、ステップを経て絆を深めるという工夫も凝らした。
これにより、「コミュニティ」と呼ばれる絆の集合体を生むことができた。
p56
生まれ持ってのルックスや、本質的な表現力のは関係ないコネなどで、その運命のほとんどが決まり、努力や工夫で成り上がることが難しい。
そんな今のエンターテインメント業界に疑問を持っていました。
僕は、不遇や逆境が、むしろ這い上がるためのバネになるということ。そして正しい努力は必ず報われるということを自らの人生を通じて証明したいと思っています。
「人」に負けたいのではなくて、あくまで、自分に課された「運命」に屈したくない。
これが生きる上での根源的なモチベーションであり、SHOWROOMを立ち上げ成長させる上での原動力になっています。
p88
宇田川さんは人に好かれる天才ですが、それ以前に、「人を好きになる天才」でした。
他人と接して、その人のいいところや、感謝できるポイントを自然に見つけて、まず自分から本当に好きになってしまう。
好きになられたら誰だって悪い気はしません。人間関係は鏡であり、人は好意を受けたら好意を返そうとする生き物です。
宇田川さんは、ビジネスの相手は勿論、その秘書やアシスタント、ショップ店員、タクシーの運転手にも最大の好意を持って接します。
人を好きになることは、コントローラブル。自分次第でどうにでもなります。
人に好かれる能力よりも、人を好きになる能力の方が、よっぽど大事だと僕は思います。
p107
・ディベートで鍛えた瞬発的仮説思考力
相手の顔色や声のトーンを察知し、瞬発的に他人のニーズを探るのが僕は比較的得意です。
そのために、これを言えば相手はこう返すだろう、こういう発言をするだろうという仮説を無数に持って、相手と対峙します。
相手がどんな引き出しを用意しているかを想定しながら議論を進めるので、突飛な手で来られても大体想定の範囲内。
p126
優秀な営業と玉砕する営業の違いは、会話スキルや運ではなく、モチベーションとエネルギー量だと思います。
同期より早く給料アップしたい、社長に褒められたい、同期の女の子にモテたいなど、何でもいいからモチベーションがハッキリしていることが大事。
モチベーションやエネルギーは、あらゆる仕事術に勝ります!
もちろん、モチベーションだけで万事解決するわけではありませんが、超高速で力強く走り、目的達成するために、まずはそのための燃料が必要です。
p127★
・本質を見極めて、やりきる。
UBS証券にいた時代、業務を進める上で、それなりに証券知識や特殊なスキルも必要でしたが、勝利を重ねられたのは結局、仕事への熱の投下量が誰よりも多かったからです。
しかし、「ただ頑張る」だけではいけません。
「本質を見極めて、やりきる」ことが大切です。
「見極め」とは、どのようにすれば効率的に作業ができるか、着手する前に仮説を立てることにエネルギーを使うこと。
そして、「見極め」が完了したら、後は血みどろになっても掘る。絶対に見つけるまで掘る。
p132★
徹底して自分と向き合うこと。
自分が人生をかけて何をするかを見極めること。
自分に関して、具体的なことも抽象的なことも、何を聞かれても即答できると自信が持てるまで、とにかく自己分析をやり尽くしました。
自己分析の目的は、「人生のコンパス」を持つことだと思っています。
最も不幸なことは、価値観という自身のコンパスを持っていないこと。持たぬが故に、隣の芝生が青く見えてしまうことです。
p142
人は死にます。今こうしているうちに人生の残り時間が刻々と減っています。
どんなに幸せで満たされた時間を過ごしていても、僕たちは皆死に向かって生きているのです。
そう強く意識して、1日の密度をできるだけ濃くしたい。1分も無駄にしたくない。
p158
再現性が高く、努力次第でいくらでも成功が生み出せるビジネスや勉強と同じように、エンターテイメントも誰に対しても開かれた透明で公平な場所にしたい。
投じたエネルギーの大きさが成果に直結する仕組みを、「頑張れば報われる」というエンターテイメントビジネスの実現を目指すようにしたのがSHOWROOMです。
p199
なぜ世界的なネットサービスがアメリカからばかり生まれるのか?それは、アメリカ人がルールを作ることに長けているからです。
日本は傾向として、作られたルールの中で成果を出していくことに競争性があり、その面に関しては本当に勤勉で、しっかり結果を出す能力があります。
しかしアメリカの場合、先にルールやハコを作ってしまうため、マウントプレイが異様にうまく、当然ルールを作った当事者であるので一番強いプレーヤーでいられます。
アメリカの優れた起業家は、既存ビジネスの精度を高めるよりも、はなからプラットフォームを作っていく発想をするのです。
p211★★
・二つの大事なこと。
一つは、どんな時も揺らぐことがない、深く大きな愛情を持つこと。他者に対する想像力、共感力といった思いやりの気持ちを持つこと。
もう一つは、人生の価値観、向かうべきベクトルを明確に持つこと。つまり「人生のコンパス」を持っているということ。
コンパスを持つためには、とことんまで自分と向き合って、自分の心と深く対話する必要があります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人生のコンパスを持っているか?
勝算とは自ら信じることであり、信念である。
前田さんの原点やビジョンはもちろん、その生き様に惹かれる。SHOWROOMが目指す場所、叶えたい夢、インド列車の少年、色々な情景が重なる瞬間があった。
本気は伝わる。さぁ今日も全力で行こう。 -
人生のコンパスを持つ
自分にとって大切なことを選択し、決めること
死を意識する -
人生の勝算 前田裕二
人生を切り開いていくもの、
それはスナックのようなみんなが絆を作っていく、そういうプラットホームが必要。 -
前田さんのことは知っていたしメモの魔力と合わせてこの本も知っていたけど暇があったら読むかぁくらいにしか思っていなかった。
読めてよかった。出来れば中学生くらいで読んでおきたかった。
一人の人間のビジョンのスケールに圧倒されたのはユーグレナの出雲社長が初めてだったけど、この本を通じて二人目に出会うことができた。
幼少期から頭のキレがすごいけど前田さんの魅力はそこじゃない。
メディアで慕われていることからも分かるように彼の特筆すべき点はその人柄の良さと人望の厚さだ。
僕がそれをどう捉えたかについてちょっと書いてみる。
大学に入ってすぐ、サークル・バイトに忙しいけど満たされない自分がいて虚しくなった。これは「鍛錬」が好きという自分の性質に逆らって周りに合わせて「大学生らしいこと」をやっていたからだった。そう気付いた僕は筋トレやピアノ・読書に打ち込み始めることでこの第一次虚無虚無期をやり過ごした。
もうお分かりだろう。そう、第二虚無虚無期がやってきたのだ。
自分一人ができることに限界を感じてしまった。趣味に関して言えば、もとからボディービルダーやピアニストを目指してやっている訳じゃない。勉強も学者になるためにやっている訳じゃない。どれもトップになるためにやっている訳じゃなかった。だけど何事も限界があるという当たり前の事実を圧倒的に分かってしまった。そしてそれと自分のためにやりたいことが何一つないという事実が合わさって、生きるのがだるくなった。(元からだるいけど)
僕の中に死ぬという選択肢はないからこの状況をなんとかしなきゃいけない。
そこで上の二つの要素を足してひっくり返してみた。
「色んな人が力を貸したいと思うような人物になって他人のために何かをする」だ。
心優しいからとかじゃなくてこういうメンタリティーじゃなきゃもう生きる気力が湧かなくなってしまった。
(一人じゃ生きていけないって能力の問題じゃなくてこういうことなんだろうなぁ)
話を戻そう。前田さんは人柄が良いという表現をしたけど、ぼんやりと上のようなことを考えていた僕は彼から次のようなメッセージを受け取った。
「自分一人でできることなんか限られてる。皆それぞれ凄いところがあってそれを尊重するのは当然。だから全ての人に対してリスペクトを持たなければならない。」
このような哲学で人と接するから彼は人柄がいいと言われるのだろう。
僕はこのメッセージを大切にしなきゃいけない。
他人を見下す意識はなかったけれど、ここまでの意識は持っていなかった。
道徳の教科書に載ってる答えとしてでなく、齢20にしてようやく実感を伴ってリスペクトの大切さが分かった。
で、結論君は何するの?
そんな声が聞こえてきたからお答えしよう。
他人のためになっているかどうかは僕が決めることじゃない。となると現状できることは力を貸してあげたいと思ってもらえるような人間に向けて精進することだ。
だから飽きるまでは人生を徳レベルをあげるゲームだと思って頑張ってみます。
いつもと変わらない駅からの道。横断歩道を渡りながら見上げたいつもと変わらない空。移ろいゆく雲を眺めていると自分が地球の上に立っているという事実が突如頭を支配した。エゴが消え去った、そんな気がした。
僕はちゃんと変わっている。-
いままでの感想で一番SUKO。文章書く能力上がってるなあ。と感じた。
前田さんの人柄の良さから汲み取ったメッセージがいいね。俺も似たよ...いままでの感想で一番SUKO。文章書く能力上がってるなあ。と感じた。
前田さんの人柄の良さから汲み取ったメッセージがいいね。俺も似たようなこと感じていたけど、うまく言語化してる。
リスペクト持って頑張りやしょ。
2020/03/22
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一人の力では地球は動かせない!チームがあるからこそ大きな力が発揮できる☆
人生のコンパスを持つ!コンパスがあればあとは熱量だけ✨ -
理解しやすい構成、論理的、文章も上手い。かなり完成度の高い本。前田氏のことは「ああ、有名女優の彼氏だった人ね」というぐらいの認知度だったが、一発で尊敬した。
とにかくやることなすこと理にかなっている。そして目標達成のために努力を惜しまない。おまけに情もある。まったく非の打ち所がない人物だ。
読んでいるうちにワクワクしてファンレターを書きたくなった。
だが、読後1日経つと「はて、誰に書いた本だったんだろう?」という疑問が。プロローグには「不幸や苦境に直面していたり、自分から見える景色が真っ黒だ、という人に書いた」とある。確かにそういう人がこの本を読めば、元気をもらえるだろう。しかし、前田氏の真似をしようとすると熱すぎてまったく参考にならない。
唯一「決めることの強さ」という項の「仕事よりも家族のことを優先することを”決めていてけっしてブレない”兄を尊敬している」という部分に救われたが、全体から見て弱っている人が実行できそうなのはここだけ。
最終的に「前田氏のファンを作る=ショールームの認知度アップ」のための本だと感じて☆を一つ減らした。 -
自分のやりたい事・好きな事をやり続ける考え方や方法が、前田さんの人生経験を踏まえて記載されている。個人的には、努力をしててもなかなか結果が出ない時に読むと、勇気をもらえる本でもあると感じた。
上手くいっている飲食店等には、顧客ではなく、ファンが集まるコミュニティが存在するから。そのコミュニティの形成の仕方や重要性も経験を通して書かれている為理解しやすい。
個人的に好きな部分。
人生は大航海と同じようなもの。自分のコンパスを持っていなければ、進むべき道を定めず、どこに向かっているかわからなくなり、広い海のうえで途方に暮れる。コンパスを持って進んだけど、途中で違うと思ったら、一旦陸に戻ってまた別のコンパスを見つければいい。 -
・SHOWROOM の原型は弾き語り
・人に好かれる努力より、人をを好きになる
・隣の芝生が青く見えるのは、コンパスを持っていないから
・代替可能な仕事に割く時間はない