芸術闘争論 (幻冬舎文庫)

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  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344428157

感想・レビュー・書評

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  • 2023.10.16 芸術家として生きていくための指南書と言えるのでは。

  • 2021/03/31
    2021年6冊目。
    前作の方が好きだけど、読んで良かった。

  • 正直、村上隆という人には良いイメージがなかった。「オタクの表象の上澄みのいいとこ取りで商売しているエセ芸術家」だとオタクのひとりとして軽蔑すらしていた。しかし、私がアートシーンに興味を持っていることを知った知人から薦められ、興味本位でこの本と「芸術起業論」の二冊を購入してみた。起業論のほうは今読んでいるのでこちらから。

    一読して、かなり引き込まれた。なんだか私、村上さんを誤解していたみたい。村上さんはルックスも独特なので(すみません)誤解されることが多いんだろうな…と気の毒にすらなった。この本は、それくらい真摯に現代アートシーンを解き明かしたわかりやすい名著だ。村上さん自身が買われる作品というのが「オタクのようでオタクほどもクオリティが高くない…ちょっと下手な作品。そんな作品を見るとシンパシーで癒される」と書いてあり、意外なほどのピュアな魂に驚いてしまった。

    正直、もっと傲慢で俺様テイストの鼻持ちならない文章なんだろーなーとあまり期待していなかったのだか、村上さんが先人(特にアニメーターの金田伊功氏)に払う敬意とリスペクトは素晴らしいじゃないか!と思った。あと、かなり努力家で苦労人のようで、パブリックイメージとのズレにいろいろ目からウロコの一冊だった。

    現代アートの仕組みと仕掛けについて、絶好の教科書だと思うので興味ある方にはぜひ読んでいただきたいです。

  • 現代美術のビジネス書第2弾。実践編の、手の内明かされても真似できないクオリティへのこだわりは圧巻。

  • 日本人芸術家への指南書。同氏の「芸術起業論」の続編だが、未読でも問題ない。日本人が全く分かっていないARTを構想→鑑賞→作成→発表の4ステップそれぞれで説明。

    私は芸術家でもなければ、ちゃんと芸術を見たことがない人間で(ウォーホールについても聞いたことがあるな程度)、芸術というものを理解する入門書として読んでみた。

    イギリスやアメリカから始まった現代美術ではルールが存在しそれに則ってハイブロウカルチャーとして作品が作られていること、それが構図・圧力・コンテクスト・個性の4つであること、それを持った作品をキュレーター・ギャラリー・画商が作家の物語をさらに付加して売ること。

    また、読んだ後に調べたら、氏は最近はYoutuberとのコラボも行っているそうだ。氏のアンテナの鋭さは率直に素晴らしい。氏の作品も鑑賞できるようになっていきたいと思った。

    そのために、まず素人としては現代美術までの美術史を勉強しようと思う。芸術という日本人がてんでオンチな世界へのガイドブックとして、読んでよかった。

  • 実作者の目で現代美術を見たい、しかもアカデミックにではなく、というものを求める読者にとって、これは他に例を見ない本だと思う。現代美術界というものが、どこか汚れのない理想郷のように語られてきた、どこか幼稚な日本における言説をとことん叩き潰す。
    絵は上手くて当然。また下手でもOK。そこに現代美術の面白さ、野蛮さ、ゲーム性、etcがある。

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著者プロフィール

北海道大学スラブ研究センター教授。1942年長野県生まれ。
上智大学外国語学部ロシア語科卒業。(社)ソ連東欧貿易会ソ連東欧経済研究所調査部長を経て,1994年4月から現職。2000年4月から2002年3月までスラブ研究センター長。
専門分野は旧ソ連のエネルギー経済,ロシア極東経済,日ロ経済関係。
著書・論文には,『めざめるソ連極東』〈共著〉(日本経済評論社,1991年),『ソ連崩壊・どうなるエネルギー戦略』〈共著〉(PHP研究所,1992年),「ロシア石油・天然ガス輸出市場の形成」西村可明編著『旧ソ連・東欧における国際経済関係の新展開』(日本評論社,2000年),「サハリン大陸棚石油・ガス開発にともなう環境問題」(『ロシア研究』日本国際問題研究所,2001年),『サハリン大陸棚石油・ガス開発と環境保全』〈編著〉(北海道大学図書刊行会,2003年)など多数。

「2004年 『北樺太石油コンセッション 1925-1944』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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