神々の午睡 (幻冬舎文庫)

  • 幻冬舎
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344420571

作品紹介・あらすじ

その昔、神と人が共に暮らす世界があった。ある日、雨の神に選ばれたばかりのシムが降らせた恵みの雨が、止まなくなってしまう。姉を心配し、彼女のもとへ向かった弟のリュイは、その原因がシムの恋にあることを知る。彼女は人間の若き細工師に一目惚れをしていた…。恋愛や友情が人間だけのものでなかった頃の、優しく切ない六つの連なる物語。

感想・レビュー・書評

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  • うーん、期待ハズレだったかな。
    面白くなくはないんだけど、求めていたものとは違ったかな。

  • あさのあつこさんといえば『バッテリー』や『The MANZAI』といった青春小説しか知らなかったのだけど、鈴木康士さんの装丁画に惹かれ、思わずジャケ買いしてしまった本書。
    神と人とが共に暮らす時代の神話が6編。

    雨の神に選ばれたシムチャッカは、自分への捧げ物のために寝食を忘れて装飾品を彫り続ける細工師に恋し、
    皮肉屋の死の神グドミアノと醜いがゆえに忌み嫌われる心優しき沼の神フイモットの奇妙な友情、
    一世一代の恋に破滅を迎えた哀しい人間、
    天真爛漫でおてんばな風の神と盗賊たちのふれあい、
    神の失敗によって翻弄された、叔父と皇子の哀しい約束。
    少しだけ、人間のできないことができ長く生きるというだけで、地上に生きる人間となんら変わりない神々の存在。
    戦乱も諍いもあふれているけれど、
    小川のせせらぎのような、
    木漏れ日を浴びながら森の小路を歩いているような。
    物語のなかには、牧歌的で、やさしい時が流れ続けている。
    読み終えた時には、なんだかもったいない気持ちに。
    もう少しこの世界にいて、他の神さまのお話も聞いていたかったな、という名残惜しさを感じた。

  • 最近まで十二国記を読んでいたので、つい神々の物語などとあると堅い文章を想像してしまうのですが、そんなことはない。あさのあつこですもんね。人と神と、神と人の境の生き物と。入り混じっていた時代の物語は和洋折衷な感じで面白かったです

  • 鈴木康士さんの手掛ける表紙に惹かれて購入。

    連作短編集と言うと登場人物が多く各人の設定を忘れてしまうことが度々あるのだが、この作品は軸となるキャラクターがほぼ変わらないので非常に読みやすい印象を受けた。世界観の重厚さよりキャラクターの魅力で読ませてくる。

    あさの先生は美しく鋭利な男性を書くのが本当に好きなのだなぁ。

  • 何年か前に買ったままだったものをようやく読みました。面白い。個人的にはフイモットが好き。あさのあつこ先生のストーリーは本当にすき。読んだ後のこのほっこり感があさのあつこ先生だなぁと感じます。日頃ミステリー読んでる私には一種の癒し?なのかなぁ

  • その昔、神と人が共に暮らす世界があった。ある日、雨の神に呼ばれたばかりのシムが降らせた恵みの雨が、止まらなくなってしまう。姉を心配し、彼女のもとへ向かった弟のリュイは、その原因がシムの恋にあることを知る。彼女は人間の若き細工師に一目ぼれしていた・・・。恋愛や友情が人間のものでなかった頃の、優しく切ない六つの連なる物語。

  • 34/182

  •  要するに、神も人と大差ないのだ。愚かな過ちを犯し、後悔し、ときにしょげ返ったりする。泣いて、すねて、嫉妬する。
     しかし、人間たちはそんな神を敬愛し、頼り、畏れ、たまに……たまに困り果てながらも、崇めて暮らしている。祈りを捧げ、感謝を捧げる。神々も人を慈しみ、その日々を守り支えていた。
     この地では神々と人々は互いを尊び、大切にしながら長い時を共に生きてきたのだ。
    (P.274)

  • 想像してた以上にファンタジーだった。人名も植物や動物の名前も洗練されてると思った。こういう作品もいいな。

  • ☆3.8
    愚かで聡明、だからこそ愛おしい神々と人々の話。
    神も人のように恋に落ち、嫉妬する。
    特定の国や文化が描かれているわけではないけれど、日本が古来より信仰してきた八百万の神のように、ローマやギリシャ神話のように様々な神々が登場する。
    私としてはぜひフィモットと沼の淵で静かに語り合ってみたい。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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