上原ひろみサマーレインの彼方 (幻冬舎文庫 こ 27-1)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344413702

感想・レビュー・書評

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  • 「上原ひろみ サマーレインの彼方」を読了。今月16冊目。

    ピアニストの上原ひろみを追いかけたノンフィクション。アルバム的には3rdの「スパイラル」が中心。文庫版の加筆で以降のアルバムについても描写がある。

    なんというか、圧倒的なんだね、彼女は。ピアノのプレイだけじゃなくて、言動、行動、生き方そのものが、あのピアノプレイそのままなんだ。

    ”私が大切だと思っていることは、努力、根性、気合の三つです。”

    あれだけのものを見せつけられた上での、この言葉。もう、軽くうちのめされてしまう。この人の場合、本当にそうなんだっていうのが分かってしまう。なんの疑いも抱いていないはず。

    「沈黙の艦隊」で海江田が原潜に乗る為に必要なことを全てしたように、上原ひろみの行動は全てピアノの為にある。やはり成し遂げる人は、どの時代を見てもブレがないし、どこまでも真っ直ぐ。怖いくらいに。

    ”新しい楽曲ができると、ひろみは必ず友人の前で演奏を行う。友人は、音楽家には限らない。職業もさまざまな人の前で、彼女は新曲のお披露目をする。
    この話を聞いて、友人たちの客観的な意見を知るためだと思った。しかし理由を尋ねると、まったく違う答えが返ってきた。
    「観客がいる環境で、自分がいかにその曲を気持ちよく演奏できるか。自分で自分を確認するためです」”

    もう次元が違うと思った。お手上げ。完敗です。いや乾杯したい気分だな。すごく素晴らしい内容なので、彼女を知っている人は必読。そうでない人でも発見があるに違いない一冊。強くオススメ。

  • 読んでいて興奮せずにはいられない。
    文中にでてくるすべての曲とともに上原ひろみの考えや言葉が頭を駆け巡る。

  • 過去記録。

  • 文中に出てくる曲を聴きながら読んだ。
    友達から借りてなかったら出会ってなかったかもしれない本。とても良かった。

    上原ひろみがますます好きになった。
    ほんとうに、なんてすごい人なんだ。

  • バークリー時代がすごい。
    満足度7

  • ・絵は好き。専門的なことや作家の名前はほとんど分からないけど、有名無名にかかわらず同じ気持ちで鑑賞する。
     筆の細かいタッチや配色の妙はわからないから、全体を観て、好きと思うか、好きだと思わないか。私が絵を楽しむ基準はそれだけ。

    ・「矢野さんが演奏すると、それがほかの人が作った曲だったとしても、まるで矢野さん自身の曲のように聞こえてしまう。矢野さんの持つ世界の強さのせいだと思います。」

    ・自信を持ったとき、人って、すごく力を発揮するんですよ。私、うまいかもしれない、って思えた瞬間に、1つ上のステージにジャンプできる。

    ・「音楽をやることに限っていえば、私はただの一度もあがったことがありません。デビュー前も、デビュー後も。ピアノは毎日弾いています。だから、いつどこで演奏することになっても、準備はできています。緊張の多くの理由は、たぶん十分な準備ができていないからなるのだと思います。それに私の場合、これから楽しいことが始まるというワクワク感で胸一杯。嬉しさと好奇心で緊張どころではないんですよ。」

  • 上原ひろみファンにとって、この本は実に嬉しい。出版した時期的に、スパイラルを出した辺りのエピソード中心となるが、上原ひろみという人物はそれより前もその後も変わっていないだろう。

    だから、最新アルバムMOVEを聴く前や聴いた後であっても、この本はそのアルバムをより楽しませてくれるカンフル剤となる。

    この本は上原ひろみの音楽をメインディッシュとした時に、オードブルにもデザートにもなり得る。そしてメインディッシュと共に楽しむワインにもなり得る。
    音楽の裏にある、人物像を見せてくれることにより、その人の音楽を聴いている喜びをより強く感じさせてくれるのだ。

    ここまでベタ褒めしておいて、★3つなのは、ファンじゃないと読んでも実感がわかないような気がするから。
    もっとも、ファンじゃなきゃこの本を買わないかな。

  • 今までJazzに全く興味を示さなかったが、上原ひろみの嵐のように降り注ぐピアノソロに魅了され聴くようになった。あんなにも楽しそうな破顔で、楽器を奏でる演奏者を僕は見たことがない。純粋に音楽を愛し、人生を音楽の創作のために捧げている。そこにはとてつもない努力・根性・気合いが込められていることがこの本で分かる。彼女は僕にとって高嶺の花のような存在。

  • 上原ひろみのCDを1枚でも持っている(orダウンロードした)人には読んで貰いたい本です!

    11歳の初海外演奏(in 台湾)で音楽は言葉を超えて世界の人と繋がることができるんだ!ということに気づいたんですねぇ。

    今年は、Tokyo Jazz 2011、人見記念講堂での「Get Together」収録、東京フォーラムでのトリオ「Voice」公演、そしてNHKホールの矢野顕子x上原ひろみ公演と、4回も上原ひろみさんのライブパフォーマンスを楽しませてもらいました。

  • この人の音楽が好きだ。くしゃくしゃに歪ませた笑い顔が好きだ。おっとりとした話し方からは想像もつかない激しくて情熱的な演奏が好きだ。

    ピアノの鍵盤が弾かれるのを耳にするとそれだけでわたしの眼からは涙が出てしまう。

    しかし、わたしはこの華やかな演奏の裏で彼女がどれだけ強固な気持ちをもって努力を続けているかに想いを馳せたことなどこれっぽちもなかった。

    血の滲むような徹底した努力。柔らかな姿からは似ても似つかない。この人は真の音楽家だと思った。つよいつよい人。ああ、また涙が出てしまう。

    一生、届きたくて、でも届かない大好きな人だと思う。
    (20110516)

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