星屑

著者 :
  • 幻冬舎
3.92
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  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344039797

作品紹介・あらすじ

この子たちをひときわ輝く〈スター〉にしてみせる――。博多で父親を知らずに育ったミチル。東京でお嬢様として我儘に育った真由。反りの合わない二人が、ペアを組んでスターダムを駆け上がる!昭和の芸能界を舞台にした、ド・エンタメのスター誕生物語。東京の大手芸能プロダクション「鳳プロ」のマネージャーながらも、雑用仕事ばかりでくさっていた桐絵は、ある日、博多のライブハウスで歌う15歳の少女・ミチルに胸を射抜かれ、周囲の反対を押し切って東京につれてきた。鳳プロでは、その年、専務の14歳の娘・真由を大型新人としてデビューさせることが決まっていたので、ミチルのデビューの目はないはずだった。しかし、二人はペアを組んでデビューすることになる。正反対の性格で、反りの合わない二人はまったくうまくいかない。しかも二人には出生の秘密もあって……。昭和の芸能界を舞台に、必死にもがく少女たちと、彼女たちをなんとかスターダムにのしあげようとする大人たちによる、ド・エンタメの、痛快スター誕生物語。

感想・レビュー・書評

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  • 大手芸能事務所「鳳プロ」のマネージャー・桐絵は、博多のライブハウスで歌う16歳の少女・ミチルに惚れ込み、独断で上京させた。
    おりしも、専務の愛娘・真由のデビューが決まっていた。
    ミチルをデビューさせるのは、無理な話であった。
    しかし、ミチルの声は、周囲を動かし、納得させ
    デビューに漕ぎ着けた。

    出生の秘密やスキャンダル。

    色んな困難を乗り越え、少女達は、何を掴んだのだろう。

    村山由佳氏の作品は、
    不倫のドロドロ系や、ダメ男に尽くし、我慢する自虐的な女性や、美味しいコーヒーのいれかたのような、爽やか青春系があるが、この作品は、爽やか青春系に区別されると思う。

    わたしは、こういう作品が好みだ。

  • ――星――いつも光輝き消え入ることのない星。少しの間光り、そのうちに散ってしまう星。始めから、輝くことなく
    散っていく星屑。
    星たちは競い合う。

    この話は、昭和の歌謡曲全盛期が舞台に
    なっている。
    大手プロダクションに務める桐絵は、
    オーディションの為、博多へ行った際
    ライブハウスで歌うミチルに出逢う。
    ハスキーなミチルの声は磨けば光る!
    桐絵の思いのみで、東京へ連れて来て
    しまった。

    その頃、東京ではデビュー予定の少女が
    いた。真由、我が儘放題に育った娘。
    実は、プロダクション会長の孫、専務の
    娘だった。そこへやって来たミチル。
    歌のレッスンをする作曲家は、真由に
    ソロではなくデュオにすると言い出す。
    ふたりの声は良く合うと――真由は怒り
    出し、ミチルを田舎者と馬鹿にし、
    地団駄を踏み鳴らす。

    本の中でミチルは、博多弁を喋る。
    それが良い味を出しているのではないかと思う。好きな歌を思い切り歌いたい!
    その思いで東京へやって来たミチルの
    ことを、私は読みながら健気に思った。。

    反発する真由、相手に合わせようとするミチル。
    そんな時・・・・あることをきっかけに
    磁石はSとNになる。

    ――ただひとつ、お互いの出生の秘密を
    知らぬままに――

    村山由佳さんの本は、初読みだった。
    そんなことはなかろう、と昔の記録用紙まで調べたがない!
    ・・・・ブクログ歴1年8ヵ月。
    読んだことのない作家さんは、これからも減っていく。間違いなく減っていく。
    読むって楽しい!(^_-)-☆

    2022、10、25 読了




    ――――ネタバレ コーナー ―――――

    これから読む方は、ご遠慮下さい<(_ _)>

    ラストはハッピーエンド。
    でも、ふたりはお互いを応援しつつ、
    別々の場で活躍する!

    !―――――――――――――――

    • ポプラ並木さん
      アールグレイさん、
      読みました。自分はまだ村山さんは未読作家さんでした。
      登場人物同士の人間模様と心の揺れ動きを楽しむ内容だね!
      昭和...
      アールグレイさん、
      読みました。自分はまだ村山さんは未読作家さんでした。
      登場人物同士の人間模様と心の揺れ動きを楽しむ内容だね!
      昭和レトロと田舎がリンクして切なさも倍増しそうです!
      楽しめてよかったね(^^♪
      2022/10/28
  • 昭和の芸能界を舞台に、容姿も性格も正反対のミチルと真由がマネージャーの桐絵と共に成長していく物語。
    その先に一体どんな舞台が待っているのか、どんな景色が見えるのか・・・
    本作はミステリでもホラーでもないのに久々に読書をしていて心臓がバクバク(高鳴り)しました!
    何と言ってもミチルと真由の成長過程にとても胸が熱くなります。
    桐絵だけでなく周りにいる両親や、大御所歌手の方、指導者、桐絵の先輩…登場人物誰もが優しく時に厳しく二人を包んでいて、いつの間にか自分も二人のことを愛しく感じ、親心の気持ちで見守っていました。笑
    ミチルの純粋な気持ちと素直さ、後半にかけて真由の心境の変化や覚悟に涙が出そうになり、電車でウルウルしながら読んでいました。
    個人的には桐絵と先輩である峰岸の掛け合いが可愛くて、いじらしくて好きです。
    読了後は二人が「星屑からスター」へ駆け上がっていくのを勝手に想像しながら余韻に浸っておりました。
    暗いミステリ作品が好きな自分にとって久々に幸福感に溢れた読書体験ができました。
    この一冊と出会えて良かったと思える作品です!!!

  • 「星屑」 「スター」が煌めいていた時代 朝日新聞書評から|好書好日
    https://book.asahi.com/article/14688263

    村山由佳『星屑』/反田恭平『終止符のない人生』―華やかなステージの表も裏も描いた小説&ノンフィクション|アルパカ通信 幻冬舎部|アルパカ内田/コグマ部長 - 幻冬舎plus
    https://www.gentosha.jp/article/21504/

    <訪問>「星屑(ほしくず)」を書いた 村山由佳(むらやま・ゆか)さん:北海道新聞 どうしん電子版
    https://www.hokkaido-np.co.jp/article/715379/?rct=s_books

    星屑 | 株式会社 幻冬舎
    https://gentosha.sakuraweb.com/book/b14437.html

  • 昭和のスター誕生物語。
    当時あった、音楽番組を思い出したりしながら懐かしい気持ちになった。
    スターの原石として博多から上京してきたミチルをずっと推しながら読んだ。
    溢れる才能の持ち主なのに、純朴なところが可愛い。
    自分の気持ちは完全にマネージャーの桐絵になってしまい、ハラハラドキドキしながら一気読み。
    面白かった!

  • 昭和の歌謡界が舞台のスター誕生物語。
    さくさくと物語が進んでいって、自分も当事者の1人となって物語に入り込んで、主人公の成長を見届けているような感覚になりました。さすがの村上由佳作品でした!
    地元の新聞の朝刊で連載されていて、単行本化されたのですが、連載していた新聞社はもっとこの本を宣伝して欲しい!

  • ステージ上で輝く彼女たちの姿を想像して、
    胸が熱くなった。

    桐絵さん達の、本人が持っている以上魅力を引き出すマネジメント力に感動。

  • 星4にするか5にするか悩んだけど、久しぶりに先が気になりすぎて一気に読んだ本なので5にしました。
    エロくない村山作品久しぶり…泣。良いよーかなり良かった。少女の頑張る姿、真っ直ぐで反発したりクソ生意気だなと思ったりもするけど、キラキラしてて。桐絵や峰岸のマネージャーたちも、大御所演歌歌手も、嫌な奴一人も出てこないのが素晴らしい。嫌なやつ出てこないのに面白い作品って難しいと思うんです。それが良かった。
    不幸なことが起きるのではないかとハラハラしながら一章一章大切に読んだ。ミチルも真由も頑張ってて、読者のわたしも熱くなった。

  • ドラマを観終えた感じ。
    いろんなことが、これからきっとうまくいくであろう途中で終わったのが良い。


  • 大手プロダクション勤めの主人公(桐絵)が
    博多のライブハウスで見出したミチル。

    大手プロダクション社長の祖父と
    専務を父に持つお嬢様の真由。

    磁石の両極のように真逆の個性を持つ二人が
    反発し合いながらも徐々に互いを受け入れ、
    打ち解けあってスターを目指す。

    時代設定は1900年半ばか、
    それよりいくらか前ぐらいのイメージなので
    新聞や雑誌が広告宣伝の主流になっていた
    テレビ全盛期のアイドル誕生の物語。

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著者プロフィール

村山由佳
1964年、東京都生まれ。立教大学卒。93年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2003年『星々の舟』で直木賞を受賞。09年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、島清恋愛文学賞、柴田錬三郎賞をトリプル受賞。『風よ あらしよ』で吉川英治文学賞受賞。著書多数。近著に『雪のなまえ』『星屑』がある。Twitter公式アカウント @yukamurayama710

「2022年 『ロマンチック・ポルノグラフィー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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