たんぽぽ球場の決戦

著者 :
  • 幻冬舎
3.88
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本棚登録 : 188
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344039704

作品紹介・あらすじ

こんな人生だけど、もう一度「快音」を響かせたい!人生のやり直しをかけた(?)世紀の(!)草野球試合。胸に沁みるまさかの結末。読むだけで、じんわりやる気が湧いてきます。「ブンブン振って、ドタドタ走って、ポロポロ落として、でも最後まで、本気で勝ちに行きましょう!」かつて「超高校級」ともてはやされたピッチャーだった大瀧鉄舟は野球の道をあきらめ、人生そのものが停滞したまま20代半ばを迎えてしまった。そのまま生きていくのはツラすぎるけど、現実と向き合って人生をやり直す勇気もなかなか出ない。そんな鉄舟が、ひょんなことから草野球チームを創設することに。だが、彼の元に集まったのは結構クセ強な男女八人。すったもんだの果てに迎えた初の対外試合。全員挫折経験ありのへっぽこナインが、河川敷のグラウンドで奇跡を起こす!(……かも)

感想・レビュー・書評

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  • 野球で挫折した主人公が、また野球と向き合って立ち上がる、似たような設定は読んだことがある物語。
    それでも、読んでいて楽しかった。

    主人公の大瀧鉄舟は、前半は本当に嫌な感じ…
    それでも、野球クラブの代表となり、年齢も経験もバラバラな人たちと触れ合う中で、少しずつ変わっていく。
    親友だった航太朗に厳しく指摘されたのがとても良かった。

    クラブに入ってきた人達も、それぞれに味があって、引き込まれる。
    鉄舟以外の人が、みんな大人で人間ができているようには感じるけど、鉄舟も成長していく姿が良かった。
    読みやすくて、読後感も気持ち良い作品でした。

  • 読むと野球の楽しさが伝わる本ですね。

  • めっちゃ爽やかなストーリーで読んでて気持ちよかった。
    鉄舟の最初の言動にはヤキモキしてたけど、周りの人に助けられ、成長していく姿が嬉しくなってくる。
    航太郎が説教するシーンは印象的で感動できたな。
    あー野球やりたい。
    上手い下手関係なしにこんな風に野球楽しめたら楽しいやろうなー。
    またやりたいことが増えた。

  • 挫折した主人公が立ち直って成長していくよくあるお話ですが、最初から光景を思い浮かべながらホンワカした気持ちで読み終えました。
    WBCでいい試合を観戦させてもらったし、こんなチームで一緒に野球をしたくなりました。

  • 越谷オサム初読。
    2004年にファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー。既刊本には若者を主人公にしたライトノベル風なものが多くあるようで、本作とのギャップに戸惑う。「一作ごとに全く異なる設定」とWEB本の雑誌「作家の読書道」にも紹介されている。
    インタビューを読むと、年代が近いこともあり、自分と読書体験が被っていて勝手に親近感。他の作品もぜひ読んでみたい。

    文章が素直で明るく、所々に優しさや気遣いが感じられて、読みながら癒される。
    往年の映画『メジャーリーグ』を彷彿とさせる、欠点だらけの草野球チームが舞台。弱小チームが頑張るスポーツものが大好きなこともあり、胸を熱くしながら読んだ。
    「そうか、ここからか。ここからなんだな。」p367
    鉄舟さんのつぶやきが、私の背中も押してくれる気がした。

  • 野球の専門用語はわからなかったけれど、面白かった?

  • 元高校球児がコーチする草野球チームの話。
    メンバーは老若男女取り混ぜた寄せ集め。
    そのメンバー一人ひとりの挫折や野球への想いが描かれている。
    勝つことがベストではなく、そこに至るまでの道のりが大切だと思わされる。
    チームになっていくこととはこういうことなんだとあらためて感じた。

  • 「野球の楽しさ再発見!野球で挫折した人大歓迎!」
    ひょんな事から草野球チームの代表をすることになった元高校球児の大瀧鉄舟 
    27歳になった今でも高校時代に壊した肩と心は、鈍い痛みを抱えている。
    メンバーに募集に応募してきたのは、皆それなりに「野球で挫折した」面々。
    彼らとの交流で、再び野球の楽しさ喜びを感じる主人公。 
    初めての試合に向けての切磋琢磨やトラブルなどはある意味「スポーツ物」の鉄板展開。 
    ても、その展開が心地よい。 自分もまだ頑張れるかな?なんて思えるストーリーでした
    WBC記念頑張れ侍ジャパンってことで・・・

  • 高校時代にはマスコミにも注目される野球投手だったが肩を壊してからは引きこもりのような生活になり、まわりの友人たちが社会人となっていく中、実家暮らしで倉庫整理のアルバイトを意欲もなく続けている鉄舟は、母親の強い勧めにより野球同好会をなし崩しに作ることになる。

    河川敷の市民グラウンドに集まったのは、何かしらの野球の挫折を抱えた寄せ集め集団で、バッティングもまともにできない人間もちらほら。見切り発車の泥舟ではじまった同好会と鉄舟の紆余曲折をコミカルに描いた一冊だ。

    挫折したかつてのヒーローが再び立ち上がる物語、というとよくある内容だけれど、この鉄舟というのが現役時代は傲慢を絵に描いたようなイヤなヤツで、現在もふがいない割には自尊心の高いなんともしょうもない主人公なのがミソだな、と思う。

    お決まりの展開ではあるけれど、楽しく読んだ。
    バックサード、なんて言葉、自分も知らないよ。

  • 挫折したことない人はいないと思う
    そう言った意味で主人公の最初の心理は
    よくわかる
    周りの人に助けられていく姿が
    よかった

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著者プロフィール

1971年東京生まれ。2004年、『ボーナス・トラック』で第16回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『階段途中のビッグ・ノイズ』『いとみち』『陽だまりの彼女』等がある。

「2021年 『まれびとパレード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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