HELLO,DESIGN 日本人とデザイン (NewsPicks Book)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344034440

感想・レビュー・書評

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  • 元IDEOのデザイナーの方によるデザイン思考の本。
    200ページくらいの薄い本なので、ちょっと舐めていましたが、
    読んでみたらとても面白かった。
    ちょうど「デザイン思考って何?」と思っている人にとっては、
    とっつきやすく理解もしやすい本になっていると思います。

    IDEOのデザイン思考に対する考え方や
    デザイン思考を使った実例が(豊富ではないですが)分かりやすく載っています。
    デザイン思考にはマインドセットが大事とよく言われているのですが、
    自分には今ひとつピンときませんでした。
    (「まぁ大事かもしれないけど、メソッドを教えてよ」と思ってしまいがちでした。)
    しかし、この本を読んでマインドセットの重要性を改めて腹落ちさせることができました。
    かなり昔にIDEOの有名な本を読んだのですが、
    そのころはまだ学生で今一つビビっと来るものがなかったのですが、
    今読んだらまた違った印象を感じるのかもしれないですね。

    ※発想する会社!
    https://booklog.jp/item/1/415208426X
    (もう一冊読んだ気がするけど、忘れた…。)

    佐宗さんの「世界のトップデザインスクールが教える デザイン思考の授業」と一緒に読むと、
    より理解が深まるのではないかと思います。
    (佐宗さんの本の方がより詳細なメソッドが載っていますが、
    こちらの本がよりベーシックで基本的な内容かと思います。)

    ※世界のトップデザインスクールが教える デザイン思考の授業
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4532199948#comment

  • 会社の研修で本書が題材とされるため事前学習のため手に取りました。読む前のイメージは、
    デザイン思考=クリエイティブ職の思考方法?

    というイメージ。ただ、一般企業の研修に活用される=汎用性のある思考法(デザインがキーポイント)と推測。推測通りなのか?また別の要素があるのか、確認していきたい。

    結論:デザイン思考≒日本のおもてなし思考
      アートとしてのデザインではなく、仕組みを
      デザインする。
      その際に、ユーザーベース(人間中心)のための
      仕組みをデザインし、目的とする結果
      (ビジネス/行政etc)が達成できるプロセス。

      特に、下記の点が興味深い
      →一般的にビジネスで求められる事
       と相反する事をポイントとしている。

       →主観を大切に(⇆客観的に)
       →楽観的に(⇆最悪のケース想定)
       →宙ぶらりん状態を楽しむ
        (⇆地に足をつけ進める)
       →プロセスの行き来OK
        (⇆スタート→ゴールまで一直線戻らない)

      →恰も、子供達が遊びに夢中になる様に、
       自分達がやりたい事(目的)に素直で、
       失敗を恐れず、試行錯誤を続け、
       やりたい事を達成するかの様な思考であった

       著者が、自分の経験を説明した
       "夏の暑い日、郵便局員に冷たい水をあげた"
       ここにポイントは詰まっていると感じた。


    要約:

    0.序章

    ・デザイン思考例
     1. 自動車保険のお守りボタン
      (ニーズ:⚪︎事故時、即スペシャリスト登場)
      ×微々たる補償内容の差、コスト差メリット

    ・デザイン思考=
     1.ロジックで導きだせない課題への思考メソッド
     2.トップデザイナーの視点と思考法

    1.全ての人は「デザイナー」である

     ・アート=作品にアーティストの主張有り
      受けての欲しいモノからあまり逆算しない

     ・デザイン=人の潜在的な課題や願望
      (心や行動の変化から)を読み解き、あるべき姿 
      を形にすること。
      →本質:課題の発見とその解決

       例:暑い日に郵便局員に冷たい水をあげる

        状況:暑そうにし汗をかく郵便局員
        課題仮説:喉が渇いてる
        解決:氷で冷えた水を渡す

     ・デザイナー:
      プロジェクト全体に関わる
      Start:課題への問い(テーマ)から、
      Goal:実現可能なビジネスにしていくフェーズ
      「誰の?どんな課題を?どう?解決するか?」 
      
     ※著者:
      大学中退→英国ロンドン芸術大学
      在学中プロダクトデザイナー
      新卒入社:パナソニック(6年間)
      中途:PDD(Design innovation consulting)
        →日本のデザイン思考の遅さ気づく
      中途2:IDEO Tokyo 設立
      中途3:Any Tokyo立上げ
      中途4:BCGデジタルベンチャーズ
        →新規事業創出



    2.デザイン思考のマインドセット
     ・「優れたデザイナー」に必要な条件
       自分の主観に自信も持つこと
       →Creative confidence
        周囲を変えれる!何か生み出せる!
        自分の考えイケてる!

     ・Creative confidence のためのMind set
      1.曖昧な状況でも楽観的
       方向性や仮説なくても良いアイデア出せるさ
       ゆっくりワクワクしながら、アイデア考える

      2.初心者/旅行者気分
       なんで?なんで?面白い!の視線。

      3.常に助け合える状態をつくれる
       そのまま、助け合い

      4.クリエイティブな行動を信じること
       「えいや!」で当てにいく感覚で行動
       例:白い地図を片手に、航海へ

     ・日本は世界からクリエイティブと思われてる
      日本人はそう思ってない→ブレーキ
      ブレーキあると、クリエイティブ(創造)は、
      難しい。
       
      改善:
        ①ブレーキマインド持たない。自信もつ
        ②Creative行動取る(自信持つ前から)

      例:リサイクル新聞紙のイス作った同級生
        著者は価値なさそうと思った
        →実際、素材メーカーから声かけられる
         今、新規素材開発のエキスパートへ


    3.デザイン思考4つのプロセス

     ・デザイン思考:人間中心
      1.シンガポール移民例
       移民不満:入国の書類に思いやりが無い
       注意:ヒアリングだけで把握しきれない
          →ニーズの汲み取り
           →T型フォード:回答は早い馬車
            ただ、本当は早い移動手段なだけ

     ・デザイン思考重視(↓が交わる領域ポイント)
      1.人間中心
      2.ビジネスモデル
      3.テクノロジー
     
     ・デザイン思考:個人でなく、チーム(3-4人)!
      IDEOフレーズ
      「いかなる個人よりも全員の方が賢い」

     ・デザイン思考の4つのプロセス
      ①デザインリサーチ(観察/インタビュー)
       →本当の課題を探る(立証のための仮説まだ)
        Sacrificial conceptでOK
        (顧客との対話活性化、更なる学びが目的)

       →ポイント:観察眼/観察眼鍛え方

         1.自分の観察からスタート
          無意識の快・不快に気づく(→違和感)
          トレーニング:"パンにバター塗る"観察
                適量?パンクズ?
                どう解決?

          →観察:現場をユーザーと一緒に。
           →Bank of AmericaのDebit card例
            ユーザーの買い物等に付いて行く

         2.類推思考
          他分野の似た性質→課題へ適用
          例:F1ピットストップ→緊急治療室
           道具常に2つ,ドライバーへのケア

           :料理教室→コミュニティ運営

       →ポイント:インタビュー
        人の潜在ニーズを探る(表面のみ→凡庸化)
         →対話型(深掘り要:なぜ?いつ?例?)

         注意:インタビュー中のウソ
          例:主婦食卓インタビュー

          ウソ(理想):オーガニック,健康,手作り
          現実(実態):冷凍,テイクアウト
          →回避方法:お宅訪問(×カフェ,会社)

          更に注意:ウソも本当!
           →打ち手:手軽なオーガニックキット

         →インタビューの裏技
          A:へビーユーザー,
          B:ライト〜ノーマルユーザー
          C:ポテンシャルユーザー

          A,Cへインタビュー!
           →極端なニーズを取れる!
            →革新的な改善へ

          Bへのインタビュー
           →現実的なニーズ!
            →現状の改善


      ②シンセシス(問いの設定)
       →仮課題を決めていく(リサーチ前の仮課題)
        ①ちょうどいいサイズの課題
         広すぎず制限しすぎず、議論広がる事!

        ②良質な課題が出るまで諦めない
         例:明治チョコ
          1.パッケージのリデザイン
          2.チョコの消費量を増やしたい(日本)
          3.チョコで新しいライフスタイル提案
           (大人も楽しめるチョコライフ)


      ③ブレスト&コンセプト作り
       →一言コンセプトに纏めるフェーズ
        方法:選択肢の拡散→決定への収束

        (例:bank of America
        課題:講座開設したくなるサービスは?
        拡散:ブレストして選択肢出す
        収束:お釣り貯金可能なデビットカード

        →自由なプレスト(7のルール)
         1.トピックには忠実に
         2.ぶっ飛んだアイデアOK
         3.すぐに判断,否定するな
         4.会話は1人ずつ
         5.質より量
         6.視覚的にアイデア残して共有
         7.他のアイデアを広げる
         ※リーダーは第一に破天荒アイデアを!
         ※HMW(how might we)+yes and

       →宙ぶらりでも拡散を続ける
         拡散段階で、収束したくなる→小課題へ
         (方向性fix,予算は?etc)

         仮説:暫定解でOK(=呼び水機能の犠牲)

       →可視化:ポストイットおすすめ
             特にポストイット部屋
             入室=常に情報共有可能
             
       →性質でターゲティング
        例:保険会社の顧客
         1.探求者:調べ尽くして決める
         2.先駆者:とにかく早く終わらせる
         3.フォロワー:0-10まで教えて(コン


      ④プロトタイピング&ストーリーテリング
       →プロトタイピング
        試作品を使い、アイデアを手に取れる、
        目に見えるレベルで確認する

         →本番と同条件/同材料の必要無し
          大雑把OK。但し、短時間(1分)で
          作れるモノを繰り返す(TRY&ERROR)

         →完成の見本では無い
          目的:チームの価値観/イメージ擦り
             合わせ。アイデア促進。
         
         →IDEO WORD
          Build to Think, Think to Build

        →ストーリーテリング
         Not事実, butストーリーで伝える
         目的:賛同/有志を集める
      
         ビジネス:ロジックだけでなく
         直感で判断されること増加中
         →スタートアップは、ストーリービデオ
          を活用して投資募る。

         例:シンガポール移民
         緊張感と高揚感に胸を高鳴らせ、一人の
         若者が〜漸くシンガポールに辿り着いた
         彼は入国書類にペンを走らせた。
         その時、明らかに彼の顔から高揚感は
         崩れ去っていった。

      ※プロセス①〜④:非直線的+反復的
       答えに向かって一直線の問題解決に慣れてる
       と戸惑い、悩む。
       →「宙ぶらりん」状況楽しむマインド必要!
       

    4.デザイン思考を実行する組織と、「個」のあり方
     →デザイン思考が出来る社会/組織とは?
       その中で各個人が「個」として
       どう生きるべきか?

     ・著者野望:デザイン思考を日本の「当たり前」
           にする!

     ・日本背景:問い設定下手
      ①日本:予め決められた仕様守りつつ、販売目標
         を達成するためのデザイン
         テレビを薄く!or 薄く見える形/色/素材

      ②グローバル:真のニーズを探り、ユーザーに
           とっての価値探す
           なぜ薄いTV?そとそもTV価値は?
           TV視聴とはどうゆう人の行動?

     ・デザイン思考出来る組織の例
      →IDEO:助け合いの文化(研究で判明)
          横/斜めの助け合い盛ん
          自分の部署外×同じor異なる役職層

       →どうやって?(IDEOの例)
         ①各々がプロ領域持つ!
         ②オフィスに雑談Counter(Barの様な)
         ③気軽にコーヒーとか一緒に行く
         (勤務時間の中でも)
         ④誰か詳しい人いない?を全体に聞ける
         ⑤コラボの徹底(Not 1人仕事分業しない)
          チーム全員で↓を行う
           →リサーチ
           →問い設定
           →アイデア出し
           →プロトタイプ作り
            (但し各項纏め:リサーチャーや
            デザイナーが纏める)

          メリット:
           →各項で多様な視点で見れる。
            心理学的には〜
            エンジニアの要件では〜
            ファイナンシャル的観点では〜 

     ・チームビルディング/セットアップ大事
       ただ、人を集めるだけじゃダメ!
       
       参考方法
        ①プレフライト(プレミーティング)
         目的,期間,ビジョンの共有
         メンバーと各スキル/役割の確認

        ②ミッドフライト(途中に全体感の確認)
         第三者交えてのチェック
          チームのムードどう?
          プロセスの修正/課題ない?
          新たに追加して何が出来る?

        ③ポストフライト(修理後の反省)
         個人個人へのFB
         チーム学びの共有

        ④チームアグリーメント(5-6個とか)
         チームのルール(目的:心地よく仕事!)
         
         例:
         →全ての発言はプロジェクト成功のため
          (私情入れない)
         →アイデア出しに役職意識しない
         →プロジェクト期間内の働き方希望OK!
          →お迎えのため17時up,朝は8時in
           それに合わせチームで調整

        ⑤ファイブダイナミクス
         各々の気分特性チェック!
         1.Explore:プロジェクトの始動
         2.Excite:テーマ/コンセプト決め
         3.Examine:リサーチ/検証
         4.Execute:アイデアを実現化

         →メンバーが何処でやる気up or down
          するか把握
          足りない特性を事前に補う等する

        ⑥需要な文化(頼る/弱み共有)
         →全方位優秀な人材じゃなくていい
          →苦手はプロへ頼る
         →自分の弱みを最初に共有
          苦手分野をアサイン打診された時
          僕でいいんですか?〜経験無いが...

     ・リーダーのなり方@IDEO
      人事や上司からの指定ではなく、
      周囲から"あの人がリーダーだよね"と
      認められる時。

     ・現場に決定権を。
      上司や他部署に確認取ってるうちにモチベ衰退
      トレンド変化→結果が出ずらい
      →チームを小さく丸い「ミニ会社」に
       チーム内で決定も完結。
       従来の縦型ピラミッド組織では無い
     
     ・目指すべき人材タイプ
      →まずパッションと専門スキル大前提
       飛行機初めて飛ばしたのは?
       パッション溢れるライト兄弟チーム
       (Not ハーバードチーム)

      →鳥居型⛩
       →複数の専門スキル
       →幅広く強い好奇心(他分野とのコラボ力)
       →好奇心の横軸が2つ以上

        電柱型(1つ手前)
         →複数スキル
         →幅広く強い好奇心

        H型(2つ手前)
         →複数スキル
         →幅広い好奇心(電柱より弱い)

        T型(3つ手前)
         →単一スキル
         →幅広い好奇心(電柱より弱い)

    ・終章(5):デザイン思考 日本人最強説
     →おもてなし=デザイン思考
      (料亭/自販機/石田三成etc)

     ・日本人の欠点"パッケージ力"
      →そのため、デザイン思考の先駆者ならず
       (米国,英国が日本式見習う所もあり発信へ)

      →例:サーキュラーエコノミー(循環型経済)
        日本:伊勢神宮の遷宮(20年おき)
          →材木の再利用で実行していた
        但し、米国がサーキュラーエコノミー発信

        プロセス:
        ①抽出(何してる?)
         →無駄省く、木材再利用
        ②抽象化(つまり、どうゆうこと?)
         →自然を尊重し資源循環してる
        ③構造化(他にも転用するためには?)
         →経済活動で生産時の様々な資源
          エネルギーを循環→地球全体を意識
        ④名付け(どんなラベル付けて売り出す?)
         →サーキュラーエコノミーと呼ぼう!

     ・欠点:ルールメイカーなれず
         →ルールフォロワーに甘んじてる
          他国が作ったルールなどの中で
          最高のoutputを目指すことで成長
          →限界に到達

     ・挽回の可能性
      →カインドテクノロジー
       空気を読み人に優しくするおもてなしを
       テクノロジー(AI/ロボ)をパッケージ化!
       →つまりドラえもん!

     ・ちなみ、イギリス:Creative産業大国
      デザイン会社/教育機関多い
      元々、重工業大国(産業革命)
      但し、社会保障政策などで失敗→衰退
      →ここ数十年でCreative産業で復興!
       (Creative産業のパッケージ化)

       イギリスCreative産業労働人口
       →8%(日本の建設業人口7.6%より多い)

       if story:
       日本のマイナンバーカードもイギリスなら
       より広く広まった
       何故なら、デザイン会社が国策でもスタート
       から入りユーザーニーズ(人間中心)に
       デザインするから。

      →イギリスの対比イタリア
       →歴史と職人の文化

      →日本はイギリスの様なCreative国となるか?
       イタリアの様に歴史と職人文化を続けるか?

       →日本はイギリスの様にCreative国家になる
        ポテンシャルは豊富にある

     ・読み/書き/そろばん/デザイン
      →著者は、デザイン思考を基礎能力に
       組み込みたい
       日本を教育からCreative国家へ

    終わり

  • これからの日本に必要な考えが書かれていてとても勉強になる一冊。

  • デザイン思考という言葉が叫ばれて久しいが、日本ではデザインの意味がとても狭義に捉えられている。その危機感から、デザイン思考とは何か、日本との親和性がとても高いこと、そしてこれからデザイン的な考え方がますます重要になっていくことを説いている。
    著者は、世界的なデザインファームIDEOの日本法人を立ち上げた石川さん。

    以下きになったところメモ。

    ○ビジネスとデザイン
    ・ビジネスシーンで活躍しているデザイナーに共通している点は、優れた主観を持っていること。主観に自信を持っていること。
    ・デザインとは人が抱える大きな課題を本質的に解決すること。
    ・デザイナーは職種ではなく、スタンスの問題。

    ◯マインドがまず大事
    ・世の中を変えてきた全てのアイデアは誰かの主観から始まっている。自分の主観を信じるところからイノベーションは生まれる。
    ・論理的思考やマーケティングではない。調べればデータが豊富にある世界では皆同じ結論にたどり着く。

    ◯デザイン思考のプロセス
    ・人間中心、リアルなユーザーの思いを汲み取り、人の深層心理を深く理解して潜在的な課題を捉えよう。
    ・多様化が進んだ世界では、人からスタートしないと、結局誰にも求められずすぐに世の中きら消えるモノを生み出すことになる。
    ・多様な主観を持ち寄るためにチームでコラボ

    その上で
    1. デザインリサーチ(観察、インタビュー)
    ・仮説ありきでになく、ユーザーとの対話を活性化させ、学びを得る。
    ・インタビューで出てくるのは顕在ニーズなので、深く掘り下げたり、現場(家)など素の空間に行くことが大切。

    2. シンセシス・問いの設定
    ・自分たちが解くべき問いは何か?を掘り下げて行くフェーズ。
    ・質の高い問いは、広過ぎて過度に抽象的でもなく、指示のように狭過ぎないサイズ。
    ・なぜこれをやらないといけないのか、というのも明確なことが大事。

    3. ブレスト&コンセプトづくり
    ・アイデアの方向性を固め、一言で表すコンセプトをまとめていくフェーズ。
    ・ポストイットは頭の中にあるアイデアの見える化が目的、どんどん貼ろう。
    ・ターゲットを考えるときに年齢や性別ではなく行動パターンで分けると実態に近くなる。ただし、母数がどれくらいかわかりにくい。
    1. Explorer: 自ら進んで学びチャレンジできる
    2. Path Finder: ゴールや道筋「示せば自ら進める
    3. Passenger: 常に並走してガイダンスを求める行動をできる

    4. プロトタイピング&ストーリーテリング
    ・アイデアを確認できるものにして、手に取る

    ◯IDEOの組織
    ・IDEOをIDEOたらしめているのは、助け合いの文化
    ハーバードビジネスレビュー
    IDEO Culture of Helping
    ・上司への相談よりも全く違う職能を持っている同僚に相談、が盛んに行われており、あらゆる階層に助言者として引く手数多の人がいる。
    ・ベースとして個々人の能力や役割が際立っており、信頼関係がある。
    ・必ずチームで仕事をするため一人にかかる精神的な負担が軽くなる。専門が違う人と組んでも分業しない。各分野のプロとして多様な視点が求められる。全員が全てのフェーズで当事者意識を持てる。
    ・ファイブダイナミック(オンラインテスト)を使うと得意不得意がわかる、これは気分的なもの。これでチーム感のバランスを見る。
    ・上下関係はない中、チームを引っ張るリーダーは必要だか、これは自然と選ばれる、つまりあの人はリーダーだよね、という人がなる。
    ・リーダーの役割は、メンバーの能力を引き上げる、自由にすることとクライアントや上司との調整。

  • めっちゃ良かった。
    今欲しかった言葉がこの中にあった。
    仕事も、私生活も、人との関わりも、
    デザインしていく。
    想像力をもつ。
    祈りを持とう、という自分の考えに
    近いものを感じた。
    人と人をつなげられる事務の人から、
    人と人をつなげるクリエイティブディレクターになりたいのだ!!!
    石川さん、ありがとう!!!

  • 「デザイン」の本来の意味は、数冊本を読んだことで大体理解できていると思っていたが、うわべだけの知識に留まっていた部分もあったようだ。本書を読んで、やっと本質がつかめたように感じた。メルクセローノの注射器や、T型フォードの例が、とてもわかりやすかった。

    その上で、本書において、特におもしろいと感じたポイントを紹介する。

    ①いいサイズの「問い」
    大きすぎる「問い」を設定したのでは、考えること、決めることが多すぎて、取り組む人が途方に暮れてしまう。具体的すぎる「問い」は、「問い」ではなく指示になってしまう。広げすぎず、制限しすぎず、適度に遊びをもたせた「問い」が、いい「問い」である。いい「問い」がいいアウトプットを生む。

    ②ただ人を集めるだけでは、チームとして機能しない
    セットアップを行って、チームがうまく作動するよう整える必要がある。プロジェクトの中に、チーム全体の気分が落ち込むフェーズがあったり、不足している人材がはっきりしている場合は、新しいメンバーをチームに引き込んで補うようにする。チームに、無理に障害を乗り越えさせようとするのではなく、不足を補い、建設的に問題を解決する。また、チームの一員として、見栄を張らないことも大切。できないことはできないと言い、人に任せるか、相談して教えてもらう。

    ③優秀な参加者(ルールテイカー)からルールの作り手(ルールメイカー)になる
    新しい思想や概念をパッケージ化することで、グローバル・スタンダードを作り上げる。

    全体的に、難解な言葉を使わず、実例を多く取り上げながら説明してくれているので、わかりやすかった。(読み手のことを考えて、この本もデザインされていると感じた。)

  • 日常で小さな不満を観察する目を持つ。チームでダイアログのできる場を作る。相手の視点を聞くことが大事で、すぐに自分の意見で反論しない。各人のコアなスキルのコラボレーションが思わぬ成果を生み出す。

  • オーディブルで。

  • デザイン思考初心者向け
    読みやすいけど、マインドセットゲーだなと
    ちょくちょく説得力のないとこがあったけど、学べることもあった

  • デザインの本質は、「課題の発見とその解決」にある。「1. 曖昧な状況でも楽観的でいること」「2. 旅行者/初心者の気分でいること」「3. 常に助け合える状態をつくること」「4. クリエイティブな行動を信じること」4つのマインドを持って、クリエイティブ・コンフィデンス(つまり主観への自信を持つこと)を高めていくことが重要だ。まずは、潜在的なニーズを発見できる観察眼を養いたい。

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