会社の研修で本書が題材とされるため事前学習のため手に取りました。読む前のイメージは、
デザイン思考=クリエイティブ職の思考方法?
というイメージ。ただ、一般企業の研修に活用される=汎用性のある思考法(デザインがキーポイント)と推測。推測通りなのか?また別の要素があるのか、確認していきたい。
結論:デザイン思考≒日本のおもてなし思考
アートとしてのデザインではなく、仕組みを
デザインする。
その際に、ユーザーベース(人間中心)のための
仕組みをデザインし、目的とする結果
(ビジネス/行政etc)が達成できるプロセス。
特に、下記の点が興味深い
→一般的にビジネスで求められる事
と相反する事をポイントとしている。
→主観を大切に(⇆客観的に)
→楽観的に(⇆最悪のケース想定)
→宙ぶらりん状態を楽しむ
(⇆地に足をつけ進める)
→プロセスの行き来OK
(⇆スタート→ゴールまで一直線戻らない)
→恰も、子供達が遊びに夢中になる様に、
自分達がやりたい事(目的)に素直で、
失敗を恐れず、試行錯誤を続け、
やりたい事を達成するかの様な思考であった
著者が、自分の経験を説明した
"夏の暑い日、郵便局員に冷たい水をあげた"
ここにポイントは詰まっていると感じた。
要約:
0.序章
・デザイン思考例
1. 自動車保険のお守りボタン
(ニーズ:⚪︎事故時、即スペシャリスト登場)
×微々たる補償内容の差、コスト差メリット
・デザイン思考=
1.ロジックで導きだせない課題への思考メソッド
2.トップデザイナーの視点と思考法
1.全ての人は「デザイナー」である
・アート=作品にアーティストの主張有り
受けての欲しいモノからあまり逆算しない
・デザイン=人の潜在的な課題や願望
(心や行動の変化から)を読み解き、あるべき姿
を形にすること。
→本質:課題の発見とその解決
例:暑い日に郵便局員に冷たい水をあげる
状況:暑そうにし汗をかく郵便局員
課題仮説:喉が渇いてる
解決:氷で冷えた水を渡す
・デザイナー:
プロジェクト全体に関わる
Start:課題への問い(テーマ)から、
Goal:実現可能なビジネスにしていくフェーズ
「誰の?どんな課題を?どう?解決するか?」
※著者:
大学中退→英国ロンドン芸術大学
在学中プロダクトデザイナー
新卒入社:パナソニック(6年間)
中途:PDD(Design innovation consulting)
→日本のデザイン思考の遅さ気づく
中途2:IDEO Tokyo 設立
中途3:Any Tokyo立上げ
中途4:BCGデジタルベンチャーズ
→新規事業創出
2.デザイン思考のマインドセット
・「優れたデザイナー」に必要な条件
自分の主観に自信も持つこと
→Creative confidence
周囲を変えれる!何か生み出せる!
自分の考えイケてる!
・Creative confidence のためのMind set
1.曖昧な状況でも楽観的
方向性や仮説なくても良いアイデア出せるさ
ゆっくりワクワクしながら、アイデア考える
2.初心者/旅行者気分
なんで?なんで?面白い!の視線。
3.常に助け合える状態をつくれる
そのまま、助け合い
4.クリエイティブな行動を信じること
「えいや!」で当てにいく感覚で行動
例:白い地図を片手に、航海へ
・日本は世界からクリエイティブと思われてる
日本人はそう思ってない→ブレーキ
ブレーキあると、クリエイティブ(創造)は、
難しい。
改善:
①ブレーキマインド持たない。自信もつ
②Creative行動取る(自信持つ前から)
例:リサイクル新聞紙のイス作った同級生
著者は価値なさそうと思った
→実際、素材メーカーから声かけられる
今、新規素材開発のエキスパートへ
3.デザイン思考4つのプロセス
・デザイン思考:人間中心
1.シンガポール移民例
移民不満:入国の書類に思いやりが無い
注意:ヒアリングだけで把握しきれない
→ニーズの汲み取り
→T型フォード:回答は早い馬車
ただ、本当は早い移動手段なだけ
・デザイン思考重視(↓が交わる領域ポイント)
1.人間中心
2.ビジネスモデル
3.テクノロジー
・デザイン思考:個人でなく、チーム(3-4人)!
IDEOフレーズ
「いかなる個人よりも全員の方が賢い」
・デザイン思考の4つのプロセス
①デザインリサーチ(観察/インタビュー)
→本当の課題を探る(立証のための仮説まだ)
Sacrificial conceptでOK
(顧客との対話活性化、更なる学びが目的)
→ポイント:観察眼/観察眼鍛え方
1.自分の観察からスタート
無意識の快・不快に気づく(→違和感)
トレーニング:"パンにバター塗る"観察
適量?パンクズ?
どう解決?
→観察:現場をユーザーと一緒に。
→Bank of AmericaのDebit card例
ユーザーの買い物等に付いて行く
2.類推思考
他分野の似た性質→課題へ適用
例:F1ピットストップ→緊急治療室
道具常に2つ,ドライバーへのケア
:料理教室→コミュニティ運営
→ポイント:インタビュー
人の潜在ニーズを探る(表面のみ→凡庸化)
→対話型(深掘り要:なぜ?いつ?例?)
注意:インタビュー中のウソ
例:主婦食卓インタビュー
ウソ(理想):オーガニック,健康,手作り
現実(実態):冷凍,テイクアウト
→回避方法:お宅訪問(×カフェ,会社)
更に注意:ウソも本当!
→打ち手:手軽なオーガニックキット
→インタビューの裏技
A:へビーユーザー,
B:ライト〜ノーマルユーザー
C:ポテンシャルユーザー
A,Cへインタビュー!
→極端なニーズを取れる!
→革新的な改善へ
Bへのインタビュー
→現実的なニーズ!
→現状の改善
②シンセシス(問いの設定)
→仮課題を決めていく(リサーチ前の仮課題)
①ちょうどいいサイズの課題
広すぎず制限しすぎず、議論広がる事!
②良質な課題が出るまで諦めない
例:明治チョコ
1.パッケージのリデザイン
2.チョコの消費量を増やしたい(日本)
3.チョコで新しいライフスタイル提案
(大人も楽しめるチョコライフ)
③ブレスト&コンセプト作り
→一言コンセプトに纏めるフェーズ
方法:選択肢の拡散→決定への収束
(例:bank of America
課題:講座開設したくなるサービスは?
拡散:ブレストして選択肢出す
収束:お釣り貯金可能なデビットカード
→自由なプレスト(7のルール)
1.トピックには忠実に
2.ぶっ飛んだアイデアOK
3.すぐに判断,否定するな
4.会話は1人ずつ
5.質より量
6.視覚的にアイデア残して共有
7.他のアイデアを広げる
※リーダーは第一に破天荒アイデアを!
※HMW(how might we)+yes and
→宙ぶらりでも拡散を続ける
拡散段階で、収束したくなる→小課題へ
(方向性fix,予算は?etc)
仮説:暫定解でOK(=呼び水機能の犠牲)
→可視化:ポストイットおすすめ
特にポストイット部屋
入室=常に情報共有可能
→性質でターゲティング
例:保険会社の顧客
1.探求者:調べ尽くして決める
2.先駆者:とにかく早く終わらせる
3.フォロワー:0-10まで教えて(コン
④プロトタイピング&ストーリーテリング
→プロトタイピング
試作品を使い、アイデアを手に取れる、
目に見えるレベルで確認する
→本番と同条件/同材料の必要無し
大雑把OK。但し、短時間(1分)で
作れるモノを繰り返す(TRY&ERROR)
→完成の見本では無い
目的:チームの価値観/イメージ擦り
合わせ。アイデア促進。
→IDEO WORD
Build to Think, Think to Build
→ストーリーテリング
Not事実, butストーリーで伝える
目的:賛同/有志を集める
ビジネス:ロジックだけでなく
直感で判断されること増加中
→スタートアップは、ストーリービデオ
を活用して投資募る。
例:シンガポール移民
緊張感と高揚感に胸を高鳴らせ、一人の
若者が〜漸くシンガポールに辿り着いた
彼は入国書類にペンを走らせた。
その時、明らかに彼の顔から高揚感は
崩れ去っていった。
※プロセス①〜④:非直線的+反復的
答えに向かって一直線の問題解決に慣れてる
と戸惑い、悩む。
→「宙ぶらりん」状況楽しむマインド必要!
4.デザイン思考を実行する組織と、「個」のあり方
→デザイン思考が出来る社会/組織とは?
その中で各個人が「個」として
どう生きるべきか?
・著者野望:デザイン思考を日本の「当たり前」
にする!
・日本背景:問い設定下手
①日本:予め決められた仕様守りつつ、販売目標
を達成するためのデザイン
テレビを薄く!or 薄く見える形/色/素材
②グローバル:真のニーズを探り、ユーザーに
とっての価値探す
なぜ薄いTV?そとそもTV価値は?
TV視聴とはどうゆう人の行動?
・デザイン思考出来る組織の例
→IDEO:助け合いの文化(研究で判明)
横/斜めの助け合い盛ん
自分の部署外×同じor異なる役職層
→どうやって?(IDEOの例)
①各々がプロ領域持つ!
②オフィスに雑談Counter(Barの様な)
③気軽にコーヒーとか一緒に行く
(勤務時間の中でも)
④誰か詳しい人いない?を全体に聞ける
⑤コラボの徹底(Not 1人仕事分業しない)
チーム全員で↓を行う
→リサーチ
→問い設定
→アイデア出し
→プロトタイプ作り
(但し各項纏め:リサーチャーや
デザイナーが纏める)
メリット:
→各項で多様な視点で見れる。
心理学的には〜
エンジニアの要件では〜
ファイナンシャル的観点では〜
・チームビルディング/セットアップ大事
ただ、人を集めるだけじゃダメ!
参考方法
①プレフライト(プレミーティング)
目的,期間,ビジョンの共有
メンバーと各スキル/役割の確認
②ミッドフライト(途中に全体感の確認)
第三者交えてのチェック
チームのムードどう?
プロセスの修正/課題ない?
新たに追加して何が出来る?
③ポストフライト(修理後の反省)
個人個人へのFB
チーム学びの共有
④チームアグリーメント(5-6個とか)
チームのルール(目的:心地よく仕事!)
例:
→全ての発言はプロジェクト成功のため
(私情入れない)
→アイデア出しに役職意識しない
→プロジェクト期間内の働き方希望OK!
→お迎えのため17時up,朝は8時in
それに合わせチームで調整
⑤ファイブダイナミクス
各々の気分特性チェック!
1.Explore:プロジェクトの始動
2.Excite:テーマ/コンセプト決め
3.Examine:リサーチ/検証
4.Execute:アイデアを実現化
→メンバーが何処でやる気up or down
するか把握
足りない特性を事前に補う等する
⑥需要な文化(頼る/弱み共有)
→全方位優秀な人材じゃなくていい
→苦手はプロへ頼る
→自分の弱みを最初に共有
苦手分野をアサイン打診された時
僕でいいんですか?〜経験無いが...
・リーダーのなり方@IDEO
人事や上司からの指定ではなく、
周囲から"あの人がリーダーだよね"と
認められる時。
・現場に決定権を。
上司や他部署に確認取ってるうちにモチベ衰退
トレンド変化→結果が出ずらい
→チームを小さく丸い「ミニ会社」に
チーム内で決定も完結。
従来の縦型ピラミッド組織では無い
・目指すべき人材タイプ
→まずパッションと専門スキル大前提
飛行機初めて飛ばしたのは?
パッション溢れるライト兄弟チーム
(Not ハーバードチーム)
→鳥居型⛩
→複数の専門スキル
→幅広く強い好奇心(他分野とのコラボ力)
→好奇心の横軸が2つ以上
電柱型(1つ手前)
→複数スキル
→幅広く強い好奇心
H型(2つ手前)
→複数スキル
→幅広い好奇心(電柱より弱い)
T型(3つ手前)
→単一スキル
→幅広い好奇心(電柱より弱い)
・終章(5):デザイン思考 日本人最強説
→おもてなし=デザイン思考
(料亭/自販機/石田三成etc)
・日本人の欠点"パッケージ力"
→そのため、デザイン思考の先駆者ならず
(米国,英国が日本式見習う所もあり発信へ)
→例:サーキュラーエコノミー(循環型経済)
日本:伊勢神宮の遷宮(20年おき)
→材木の再利用で実行していた
但し、米国がサーキュラーエコノミー発信
プロセス:
①抽出(何してる?)
→無駄省く、木材再利用
②抽象化(つまり、どうゆうこと?)
→自然を尊重し資源循環してる
③構造化(他にも転用するためには?)
→経済活動で生産時の様々な資源
エネルギーを循環→地球全体を意識
④名付け(どんなラベル付けて売り出す?)
→サーキュラーエコノミーと呼ぼう!
・欠点:ルールメイカーなれず
→ルールフォロワーに甘んじてる
他国が作ったルールなどの中で
最高のoutputを目指すことで成長
→限界に到達
・挽回の可能性
→カインドテクノロジー
空気を読み人に優しくするおもてなしを
テクノロジー(AI/ロボ)をパッケージ化!
→つまりドラえもん!
・ちなみ、イギリス:Creative産業大国
デザイン会社/教育機関多い
元々、重工業大国(産業革命)
但し、社会保障政策などで失敗→衰退
→ここ数十年でCreative産業で復興!
(Creative産業のパッケージ化)
イギリスCreative産業労働人口
→8%(日本の建設業人口7.6%より多い)
if story:
日本のマイナンバーカードもイギリスなら
より広く広まった
何故なら、デザイン会社が国策でもスタート
から入りユーザーニーズ(人間中心)に
デザインするから。
→イギリスの対比イタリア
→歴史と職人の文化
→日本はイギリスの様なCreative国となるか?
イタリアの様に歴史と職人文化を続けるか?
→日本はイギリスの様にCreative国家になる
ポテンシャルは豊富にある
・読み/書き/そろばん/デザイン
→著者は、デザイン思考を基礎能力に
組み込みたい
日本を教育からCreative国家へ
終わり