日本国紀

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (509ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344033856

感想・レビュー・書評

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  • なかなかボリュームのある賛否両論の百田氏の日本通史
    偉そうに評価するような知識もない上、ただただ日本の歴史本を読むことが好きなので、そんな激しい議論の世界の蚊帳の外で平和に読めた
    教科書じゃないから、それぞれの表現の自由もあった方が個性が出て面白いと無責任に思ったりもする

    こちらは現代史の割合がかなり高め
    そして関東大震災時の朝鮮人大虐殺や南京大虐殺、慰安婦問題、また「自虐史観」の発祥を敗戦後のGHQによる「洗脳」(としている)…
    この辺りを熱く激しく書かれているのが特徴的である
    それはともかく何より百田氏の日本に対する深い愛がひしひしと伝わる

    何度となく歴史書を読むたび、幕末から明治維新、また戦後の復興などの日本人の誠実さ、勤勉さ、底力、能力の素晴らしさ
    本当に頭が下がるし、誇らしい
    逆に大東亜戦争頃の世界からの孤立と理不尽な風当たりは本当に悲しくなるし、日本人の愚かないくつかの出来事も嘆かわしい
    しかしこれが歴史で歴史から現代人は学ばなくてはいけない

    どの歴史書でも感じる事だが、これ以上前の時代になると、リアリティにかけてしまい、ついノンフィクションとフィクションの狭間でふらふらする感覚に陥って、すこし景色を遠くに感じてしまう
    しかし、明治維新以降の自分が経験していない時代とはいえ、リアルで感情を激しく揺さぶられる
    そういう意味で現代史に比重の重いこちらは、心の震える感動のある反面、読むのが辛く気持ちが重たくなることが多かった

    これからも様々な著者の歴史書を読んでいくであろう
    その都度、自分なりに読み込んで自分の頭で徐々に考えられるようになれば良いかな…
    と緩めながらも、日本人として真摯に歴史に向かい合いたいと考えている

  • ※追記
    「今までの常識を覆すものだから批判されている」訳ではなく、Wikipediaやその他の文献からコピペなのでは??それって書物として如何なものかという話が本質です。
    系天皇の記述をこっそり訂正して4刷という体たらく。

    商品として劣悪なコヒペ本のようです。


    「その他小説」へカテゴライズ

    ストーリーとヒストリーは違います。

    先行研究を正しく引用せずに、歴史の話は出来ません。自分の見解と先行研究を分けてやらねば、知的財産を盗み出した事とかわりありません。

    ルールを守りましょう。

    「日本ヰ紀」で間違いないようです。

    文系の論文も理系の実験と一緒。

    理系なら天気湿度気温を記録した上でデータを取っていくけど、文系は先行研究と自分の考えをしっかり分けて記述するのが常識のはず。
    申し訳ないけどこれで歴史を勉強した気になるのは、まずいよ。

  • 百田尚樹さん曰く、「日本の通史である」とのこと。古代から平成までの歴史が分かりやすくまとめてあります。

    世界の歴史ともリンクして世界の中の日本の位置づけもわかり、頭悪い私にはありがたい本でした。

    一貫して言えることは日本人の勤勉さ、誠実さが至る所に出てくること、一方で狡猾さに欠けること。

    それでも日本人であることを誇りに思える内容でした^_^

  • 4年以上積読かれていたがやっと読了
    日本の歴史を再学習するのに最適な本書
    教科書と違い、単なる事実の羅列ではなく、日本の国柄がどのように紡がれていたのか、そこにどんな経緯があったのかを、語り部調に記されているので、日本(人)の物語を読んでいる感じです。
    見た目は分厚くて取っつきにくいかもしれませんが、読みやすいので意外と早く読めます。
    なお、現在は文庫版が出ていて、そちらのほうが加筆・改訂されているそうなのでそちらがオススメだそうです。

  • 日本に誇りを持てる。

    歴史から学ぶことは多く、自分が何者か、日本がどういった国なのかを考えさせてくれる。

    縄文時代から命を紡ぎ、日本となるまで。
    武家社会への変遷。
    江戸幕府、265年の凄さと弊害。
    明治維新の激変の十数年。

    そして学校で急にハイペースとなる明治維新以降で、半分の250頁を使って、しっかりとやってくれる。

    「第八章 明治の夜明け」以降は日本は国際社会に飲み込まれて行く。ここから熱量が変わってくる。

    急速な近代化を果たした日本。大正から昭和、そして戦争、敗戦、GHQ、中国、韓国、北朝鮮。

    大東亜戦争、第二次世界大戦に入ってからは、その重苦しさ、混迷を極めた事実に愕然とする。

    しかし、敗戦から現代に至るまでは、知られざる日本が描かれており、考えさせられる。

    また、朝鮮人大虐殺、南京大虐殺、慰安婦問題、靖國参拝問題と特に熱を持って語られている。賛否両論あろうが、知っておかなければならない内容だと思う。

    日本が今後世界とどう付き合って行くのか、メデイアをどう見るのか、世界の動向の見方が変わる一冊。

    以下はちょっと気になったトピックス。

    廃藩置県から130年、大阪都構想が変化を好まない日本の大きな変化の前触れとなるか、新型コロナが国家レベルを超えてテクノロジーで世界を日本を変えるか。そして安倍首相の後、憲法改正はどうなるのか。

    そして過去の歴史は新しいエビデンスにより、見直される。また数十年おいてから読み返したい。

  • 何故 日本国+紀 なのか。紀とは記紀、日本の正史を総称する。それは著者が、この書こそ、日本の歴史を正当に書き記したものであると示唆しているからなのである。
    正史は、太平洋戦争は、大東亜戦争、終戦は、敗戦と記す。紙面の半分にもおよぶ、明治以降の日本に、著者は想い憂うのである。
    「序にかえて」で、「ヒストリーという言葉は、ストーリーと同じ語源とされています。つまり歴史とは、「物語」なのです。本書は日本人の物語、いや私たち自身の壮大な物語なのです。」と語っています。

    気になったことは以下の通りです。
    ・非戦闘員の殺害を禁じた、ハーグ陸戦条約は破られ、アメリカ軍の空襲によって数十万人の非戦闘員の命が失われた。同様、2発の原爆攻撃で一般市民の多量虐殺が行われた。
    ・戦争終了したにも関わらず、東南アジア、ソ連において激しい拷問と虐待のため、多くの日本兵が死亡した。
    ・朝鮮半島を経由した多くの帰国した子女が朝鮮人に強姦され妊娠、性病感染させられていた。
    ・米軍によって、貴重な文献7000点が焚書された。
    ・教職追放されて、そのあとに共産主義者である要員が教職についた。これによって日本の伝統的な教育精神が破壊された。
    ・GHQによって黙認された朝鮮人に日本人は乱暴狼藉の限りを尽くされた。
    ・日韓基本条約により、日本政府は11億ドルもの金を支払った。しかも、韓国国内に残した53億ドルもの資産を全て放棄した上でだ。請求権を韓国は放棄したにも関わらず不当な請求を繰り返している。

    他、
    ・日本にはほぼ同時に青銅器と鉄器の技術が入ってきたため、青銅器時代と鉄器時代の境がない。
    ・四世紀半ばに日本から朝鮮半島に派兵を行ったことに対して、つまり日本の国力が相当大きかったと考えられ、当時の日本にとって朝鮮半島の一部が非常に重要な地域であったとも考えられる。もしかしたら、もとは同じ一族が住んでいた可能性もある。ただしそれらを示す歴史的資料はない。
    ・聖徳太子は、遣隋使に「日出ずる処の天子より」という書をおくった。彼は初めて天皇という文字をつかって、中国の皇帝と、日本の天皇は、対等な立場であるとのメッセージを発したのである。
    ・17条憲法の冒頭にある、「和を以て尊しと為し」は第2条の仏教を大切にせよでも、第3条の天皇を大切にせよでもなく冒頭にある。当時としては画期的なことであり、民主主義の表れである。
    ・遣唐使が中国の文化のすべてを輸入したわけではない。宦官や科挙の制、死体の凌辱も、易姓革命の思想もそう、食人文化もそうである。すべてを受け入れた朝鮮半島とは一線を画したのである。
    ・古事記は、自国民に向けた書かれた書であるに対して、日本書紀は対外的(対中国)に書かれたものとみられている。
    ・万葉集は、高貴な人の詠んだ歌ばかりでなく下流役人や、農民、防人などが詠んだ歌も含まれている。優れた歌の前では身分は一切問われなかったのだ。万葉集こと、日本人が世界に誇るべき古典であり、文化遺産であるとおもう。
    ・元寇は、決して神風の戦いではなかった。当時の最強軍団、元の4万の兵力(承久の役)にも、15万人の兵力(弘安の役)も、鎌倉武士は勝利する。世界を席巻したモンゴル軍に勝利したのは、日本とベトナムの2国に過ぎない。日本の武士団は世界最強の軍隊であった。
    ・鉄砲伝来から、またたくまに、火薬と鉄砲を量産したのは、驚異に価する。
    ・キリスト教伝来について、その説法に対抗したのは、当時の高い教養を身に着けた、禅僧たちである。ために宣教師はその対処に辟易した。
    ・朝鮮出兵については、秀吉の死で終了となったが、そのまま戦っていれば明に勝てたと断言する。それが証拠に文禄慶長の役を境に明の国力は下降していく。
    ・江戸時代は、世界最高の教育水準、識字率は、70~80%。世界でも類を見ないほどの高い教養をもっていた。
    ・版籍奉還は、当時の藩が返済困難な借金を追っていたため、それを帳消しにするという名目でスムースに行われた。
    ・日清戦争が起こったのは、朝鮮の独立をさせるためだった。その後朝鮮を併合したのも、日本の意図ではなかった。日本は朝鮮半島という痩せ細った土地を欲してはいなかった。
    ・日露戦争で、イギリスとの同盟はさまざまな利点を日本にもたらした。
     ①バルチック艦隊は、日英同盟のために、満足に港によることができず、戦場についたときはボロボロだった。
     ②露と清の密約で、対日参戦する予定であったが、清は背後に日英同盟があったため、参戦を見送った
     ③ロンドンで戦費である外債をさばくことができた。当時の国費の8倍で、返済には、昭和61年までかかったが。

    目次は以下の通りです。

    序にかえて
    第1章 古代~大和政権誕生
    第2章 飛鳥時代~平城京
    第3章 平安時代
    第4章 鎌倉幕府~応仁の乱
    第5章 戦国時代
    第6章 江戸時代
    第7章 幕末~明治維新
    第8章 明治の夜明け
    第9章 世界に打って出る日本
    第10章 大正から昭和へ
    第11章 大東亜戦争
    第12章 敗戦と占領
    第13章 日本の復興
    第14章 平成

  • 2018年初版。歴史というものは、いろんな角度から見ることで解釈は変わるものだと思っています。もちろん真実は分かりません。500ページの長尺ですが読み物として楽しめました。著者は、大学在学中から関西ローカルのバラエティー番組「ラブアタック」(上岡龍太郎さん司会)で、エキセントリックなキャラクターの素人として登場、よく観ていました。その後、放送作家として活躍して文筆家として活躍されています。きっと著者の根底には何が面白がられるのか注目されるのかというアンテナが張り巡らされているのではないかと思います。少々、過激な発言もその表れなのかなあと思ったりします。ただ、著者が言っている日本の平和ボケと言っていい状態には同感する部分もあります。中国・ロシア・北朝鮮・韓国など、関係が良好と言えない隣国を考えると戦争が近く感じてしまう最近です。日本の国のあり方を考えなければならないのではと考えました。

  • この本を「歴史本」と呼ぶのはいくぶん不適切かもしれない。
    ではなんと呼ぶべきかといえば、恐らく「自己啓発本」が適当だろう。


    歴史は観測する立場によって変化する不定形な現象である。
    例えばロシアの教科書では、自国が第二次世界大戦でナチスを倒し、「正義」を実現したとする公式見解が反映されている。

    起こった事実はたった一つしかない。しかしその事実をどのように捉え、どの立場から世界を切り取るかによって、語られる歴史は多種多様な顔を見せる。

    それは歴史が「事実の寄せ集め」ではなく「物語」として語られることから来る必然の結果と言えるだろう。物語の流れを辿るには、当時の人々と同じ思考を追体験する必要がある。
    歴史を語るときに一定のバイアスがかかるのは避けられないのだ。

    そうしたことを前提に本書をカテゴライズするならば、本書は歴史の流れを「日本礼賛」でソートしたファイルの寄せ集めである。
    これはいいことか悪いことかでいうと、悪いことなのかもしれない。記述が価値中立的でなく、自国が及ぼした過ちや悲劇を俯瞰的に眺めず、他国の立場から物語を論じられていない。

    だが、やはりそれもまた「歴史」の物語の一部分なのだ。

    日本の歴史の教科書において、第二次世界大戦およびそれ以降の時代の扱いが乏しいというのは、疑いようのない事実である。日本があの戦争の中でどういう役割を演じ、どのように負け、どのような罪を背負ったか。ならびに当時の国民の心の中に起こっていた葛藤はいかなるものであったか。ここが抜け落ちてしまっていていいのだろうか、と私は思うのである。
    別段、教科書検定の内容に疑義があるわけではない。しかし、日本という国のターニングポイントはやはり第二次世界大戦の敗北であった。それが片手落ちに語られてしまうのは、戦後を生きる人々への教えとしてあまりに心もとないのではないか。

    そして、その教育の不十分さが今の日本人における「自信の無さ」に繋がっているとしたら、この本が日本に再び活力を与えるきっかけとなるのかもしれない。


    本書は歴史本ではない。恐らく、非常に遠回りな自己啓発本なのだ。

  • 大好きな永遠の0を書いた著者の日本史観。
    想像していた通り日本人称賛の嵐。日本人としてそのこと自体否定したくないがが、極端過ぎる。
    歴史は客観的に見るべきであると思っているのだが、著者の考察が多過ぎでどこまでが真実なのかよく分からない(自分の知識不足も大きいが)。
    ある一方から見た歴史ということで理解しておこう。

  • 百田尚樹さんは歴史家ではないので、「通史」の形ではあるものの、歴史書というよりは、史実に基づく、大好きな日本へのラブレター、といった内容。

    自虐史観よりは圧倒的に健全と思うが、同程度の愛国的史観はおそらくどの国にもあるので、「日本は特別だ」とはあまり思わないほうが良いように思う。天皇制の万世一系のレア度合いは、その通りと思うが。

    天皇家に限らず、日本人に限らず、全ての生き物に共通して言えるのは、『直系のご先祖様をどこまで辿っても、誰ひとりとして、子をなすより前に早死にしたひとはいない』ということであり、生まれてきただけで奇跡のようなもので、すべての人(民族も、種も)は尊重されるべきと思う。


    P405 昭和二十年八月九日の御前会議における昭和天皇(当時44最初)の発言
    「本土決戦を行えば、日本民族は滅びてしまうのではないか。そうなれば、どうしてこの日本という国を子孫に伝えていくことが出来ようか。自分の任務は祖先から受け継いだこの日本を子孫に伝えることである。今日となっては、一人でも多くの日本人に生き残っていてもらい、その人たちが将来的再び起ち上がってもらう以外に、この日本を子孫に伝える方法はないと思う。そのためなら、自分はどうなっても構わない」

    P447 タイのククリット•プラモート元首相のジャーナリスト時代の言葉
    「日本のおかげでアジアの諸国はすべて独立した。日本というお母さんは難産して母体を損なったが、生まれた子供はすくすくと育っている。今日、東南アジアの諸国民が英米と対等に話ができるのは、いったい誰のおかげであるのか。それは身を殺して仁をなした日本というお母さんがあったためである。十二月八日は、我々にこの重大な思想を示してくれたお母さんが一身を賭して重大決意をされた日である。我々はこの日を忘れてはならない。」(現地の新聞サイアム•ラット紙、昭和天皇三十年十二月八日)

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著者プロフィール



「2022年 『橋下徹の研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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