- Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344032446
作品紹介・あらすじ
フェイクを信奉する時代に終止符を打ち、やがて来る堕落の底から浮上する新時代を切り開く、渾身の完全描き下ろし。
感想・レビュー・書評
-
この結末には不満がある。一神教は心の空洞を埋めるが、現実逃避になるだけかもしれず、太宰の自殺は「トカトントン」を克服出来なかった証明ではないか。 ふんしょ焚書までされた 子供は「ギブミーチョコ」と叫びながら米兵に集り、パンパンは米兵に身を売り、戦地からの帰還兵は尊敬されない存在になっていた。 何しろ日本の首都圏の上空には、日本の飛行機が飛ぶことを許されない「横田空域」という米国の管理空域があるのだ。だから羽田空港を立って西へ向かう日本の航空機は、まず東の千葉県の方へ飛び、そこから急上昇・急旋回してこの空域を飛び越えていくという非常に危険な飛行を強いられている。 教育勅語ちょくご うやうや恭しく奉読された アナクロニズム(時代錯誤)で道徳は育たないのだ‼︎ がんめいころう頑迷固陋 権力が暴走する時は、それを命懸けで批判する心構えを、本物の表現者は持っているものだ。権力が個人の内面にまで侵入してくるのを許し、犯罪が起こらない世界を実現しても、それは間違いなく病的な社会であり、真のユートピアではなく、実は「ディストピア」である。 「自由」は極めて抽象的な概念だから、鳥籠でも、動物園でも、サファリパークでも餌さえ与えられれば、不自由を感じない動物にはなれるのだ。 敗戦後にこそ、日本人の死を意識する倫理観は、消滅してしまったのだろう。堕落は明治の近代化の中に既に胚胎していた。日本人は明治以降、堕ち続ける一方なのかもしれない。 とはい徒輩 勇猛果敢に戦えるからこそ、支配者になるのであって、ルサンチマン弱者は小賢しいからこそ、「平和主義」等という自己欺瞞を創造してしまう。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
久しぶりに小林よりのりの本を読む。
面白い。
なぜ?
知っている知識について再確認することができる。
知っている知識がわかりやすく言語化されているので、知っている知識をより強く身に付けることができる。
知っている知識の新しい解釈の仕方を知ることができる。
知らない情報、知識、考え方を知ることができる。
そして今回は自分の考えが保守にだいぶ近いということに気づかされた。
小林よしのりの主張する保守とは、、、
天皇制を民主主義の暴走を防ぐ国柄として永続させることであり、対米自立、主権回復、自主防衛を目指す覚悟を持つこと、家族同期の苗床たる共同体を回復して、資本主義を健全に運営することである。天皇制を守り、対米自立自主防衛を志向し、主権回復を目指し、新自由主義、グローバリズムに反対している。
自分の考えをこれに照らし合わせていくと、
・天皇制の意味についてはまだ自分で消化しきれていない
・新自由主義、グローバリズムに関しては反対までの強い姿勢はもっていない。他にうまいやりかたがあると考えている。 -
小林よしのりの独論、毒論。小林よしのりの本は本当にそうだろうかと考えながら読むとさらに面白さがます。
所詮、年老いたおじいさんの考え、と思いなが読んでも、なるほどと読んでも良い。私の場合、こういう考えもあるのか!と思いながらどうしても納得してしまう。その説得力が小林よしのりの魅力だと思う。
今回の堕落論は太宰治や夏目漱石の有名作品が漫画化されわかりやすく説明があり、それらを読んだことない人にも非常に面白く読めるもの。そしてその小説からの考えが非常に面白かった。 -
坂口安吾の本は読んだこと無いが、エッセンスはわかった。
太宰や夏目の著作の背景なども解説されていて、現在の日本人が思想的に易きに流れ、堕落していると説く。
資本主義の根本にも触れ、その毒を語っているが、さりとて経済のグローバル化はもう止めようが無い。
対米追従も日米安保が有る限り、止む事は無い。
文化的・経済的・軍事的に、日本のような小国が真の独立を手にすることなど、もう無いであろう。
それを目指した大東亜戦は、私には線香花火の最後の勢いだったような気がしてならない。
著者はまだこの国と日本人に再興の望みを持っているけれど。 -
坂口安吾の堕落論。読みたくなった。
-
レビュー省略
-
もう充分に日本人は堕ちるところまで堕ちたような気もするが、いつになったら浮上出来ることやら。
-
とてつもなく、深い。
西部氏が自裁という形を選んで、その直後だからかもしれないが、小林氏も同じ覚悟を持っているのではないかと推察してしまう。
そして(本質的な感想ではないのだが)、「日本は今も八つ墓村」での描き方からは、氏が本当に繊細で細やかな心配りをしていることがうかがわれる。