- Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344030640
作品紹介・あらすじ
父の死後、年下の男に奔ったサチの母。70歳で男に捨てられ戻ってきたけど、どうも様子がおかしくて…。「母、出戻る?」避けては通れないシリアスなテーマを、ユーモアを交えて明るく綴る、全8編。
感想・レビュー・書評
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【おすすめの人】
親が介護を必要とする年齢の人
自分自身がもうすぐ高齢者に入るなと思う人
【感想】
認知症やリハビリなど
親の介護のリアルを描きながらも
なぜか面白く思えてしまう
なぜか最後は前向きになってしまう
そんな素敵な短編たちでした!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
群ようこさんは、小説やエッセイなどに時々ご家族のことを書かれるので、これもそういう本なのだろうと思ったら、短篇集だった。
主人公はそれぞれ女性で、彼女たちの介護の時が「ついに、来た?」という瞬間を切り取る。
パターンがそれぞれ違うので、「あ、うちはコレ!」と当てはまる人も多いだろうと思う。
暗さのない文章なので、まあ、ゆるく頑張りましょうよ、と前向きな気持ちに気分転換できそうだ。
そして、「介護小説」というのも、ジャンルとして確立されつつある気がする。
『母、出戻る?』
サチ、独身会社員。
昔、男と出ていった母が出戻ってきた。
『義父、探す?』
マリ、専業主婦。
元教師の義父が「食べていない」
PTAの役員も断れなかったし、夫は文句ばかりで何も手伝わない。
『母、歌う?』
マドカ、会社の係長、夫は塾の講師。
母子家庭だった実家の母が…
夫はとても良い人!
『長兄、威張る?』
ユキ、子供のいない共働き夫婦。
夫は男ばかり5人兄弟の末っ子。
或る日、長兄から兄弟夫婦全員が呼びつけられる。
母親の介護を手伝うか、施設に入れる金を出せ!
『母、危うし?』
ヤヨイ、拝金主義の祖父母が大嫌いで、家を出て堅実に働くお一人様。
祖父母と父他界後、ひとり暮らしとなった母の元を訪れると、見知らぬ女が応対する。
『伯母たち、仲よく?』
マツミ、わけあって失業中。
腰を痛めた母の代わりに、認知症の伯母が二人で暮らす、母の実家におかずを届ける。
エキセントリックな会話が飛び交う。
『母、見える?』
ハルカ、真面目な男と結婚したつもりが…
息子は絶賛反抗期、母は幻覚、そして夫はちゃらちゃら。
『父、行きつ戻りつ?』
アキとナツキの姉妹。
工務店を経営する父親がおかしい。
一番弟子のサトルさんが気付くが…
正常な日も多いのだ。
正常と思いたい姉妹だが… -
認知症の本人はさほど困らないのかもしれないけれど、周囲、特に子供は途端に身動きできなくなりそう。
こんな日がいつか来るのだろうか?
ついに、来た、という日がやってくるのだろうな。
近くにいないと様子を見に行くことも簡単にできないのだろうしね〜。今から考えておかないとね。 -
高齢家族の痴呆症に翻弄される家族達の短編集。
実父母、義父母が揃って70代半ば、かなり切実な話でした。
ただ、悲壮感が少なく、著者ならではの雰囲気で、淡々と書かれていることに救いを感じました。
各章の主人公の女性がおおらかで素敵。
遠くない未来に自分にも来ること、ここに出てくる人達のようにおおらかに老いた親たちに対していけたらいいな、いかなければならないなと思います。
昨今の介護事情も理解できました。
もしかしたらバイブルになりかねない本、とも思いながら読み終えました。 -
家族が認知症になる話。
職業柄、認知症の方やその家族と接することが多い為とても現実味があった。 -
群さんらしいハナシ笑笑
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全部で8話の短編集で、どの話も身内が認知症になるという話。
悲観的な場面も含まれるけどどの話にも希望があり明るく前向きにとらえている点は読みやすかったです。
現実味のある話ばかりで、いずれこういう日がくるのかなぁと考えながら読みました。 -
身近な人の「老い」の話。
最近義父が夏風邪で元気がなく、年齢的にもそう先の話でないなぁ、群ようこさんだと「老い」も楽しく読めるのかなぁと思って選択。
物語としては楽しく読めたけど、
自分の身に起こった時に、こんなに懐深く対応できるかな、実母と義母では対応も心の持ちようも違うのかな、とぼんやり考えた。
今は子育てでバタバタして、どちらの両親共元気でいてくれているので、今から少しずつお互い話をしたいと思う。 -
どこの家庭にもやって来る親の老化。その時時の問題はリアル
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避けては通れない老い、両親の介護、介護問題 8話
ともすれば暗くなる内容を明るくユーモアで綴っている。いずれは我が身かと考えながら読んだ。