暗闘

著者 :
  • 幻冬舎
3.74
  • (18)
  • (32)
  • (18)
  • (7)
  • (2)
本棚登録 : 203
感想 : 30
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344030633

作品紹介・あらすじ

そのときトランプ、オバマは、そしてプーチン、朴槿恵は-。駆け引き、軋轢、裏切り-安倍外交の知られざる舞台裏。最も政権中枢を取材してきたジャーナリストによるスクープ・ノンフィクション第2弾!!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • トランプ政権誕生後の安倍政権の動きを克明につづったノンフィクション。
    表にはなかなか出ないであろう政権中枢の肉声を丹念に拾い集めて読ませました。
    過激な発言でメディアを賑わわせるトランプ大統領ですが、初めて直接会談した際の安倍首相の印象は違ったそうです。
    「威圧感はなく、逆にどちらかといえば緊張しているように見えた」
    巷間伝わるトランプの印象とはかなり異なります。
    TPPから永久に離脱するという大統領令に署名したトランプですが、日本政府がなお一縷の望みを捨てていないことも分かりました。
    北方領土を巡るロシア側との激しい駆け引きは迫真もので、巻を措く能わず時間を忘れて読み耽りました。
    昨年12月に山口県で開かれた日ロ首脳会談は、「大きな進展はなかった」という見方が大勢のようですが、著者の見立ては違います。
    会談後に出された「プレス向け声明」を丁寧に読み解き、今後の領土交渉に前向きな意味があることを教えてくれます。
    著者の山口さんには、安倍首相や麻生副総理とかなり近いことから、「政権の走狗」「ジャーナリスト失格」との批判も強いです。
    私も著者の前作「総理」を読んだ時に、面白いと同時にジャーナリストとしてはいかがなものかと違和感を持ちました。
    ただ、現在、これだけ政権中枢に肉薄しているジャーナリストは恐らく数える程度でしょう。
    しかも、そのリアルな肉声を、政権側に軸足を置きながらも、真摯に伝えています。
    むしろ、政権と厳しく対峙しているように見せかけながら、その実、裏では政権としっかり「チークダンスを踊っている」(辺見庸氏)大手メディアの方が罪深いのではないかと最近、思い始めています。
    政治の舞台裏に興味のある方はぜひ。
    私は図書館で借りて読みました。

  • トランプ就任時期の本なんで、ちょっと古い。
    が、改めて安倍さんが何を考えてどう動いていたかを知ると、スケールの大きなすごい政治家だったんだなと感じる。
    勿論そんな立場から記述しているのはそうなんだろうが、こんなこと考えてこんな風に行動出来た人がいたかと。
    ま、日本が、日本になって欲しくない人達が、心の底から憎み倒したのも、理解出来るわ。

  • 2021年50冊目。満足度★★★★☆ 安倍総理のトランプ大統領との初めての首脳会談、プーチン大統領との北方領土問題を巡る首脳会談の裏側など、安倍外交のインサイド・ストーリー。第2次安倍政権で新設された国家安全保障局(NSS)が、外務省に対する不信感から生まれたという話は、総理に近い著者ならでは。カネの問題で辞職した元法務大臣の河井克行氏がトランプ政権誕生時、総理補佐官として、外交において極めて重要な役割を果たしていたことを知った。

  • トランプ外交、日露外交など、諸外国への安倍外交に関するジャーナリスト本。
    前作と違って、ライブ感というか生々しさが鳴りを潜めていたのが残念。トランプの章はまだ舞台裏という感じでしたが、後の章はオープン情報で構成されている印象。

  • 総理に続き2冊目である。
    山口敬之氏はこれらの情報をどこからどうやって仕入れたのだろう。
    ジャーナリストとしての誠実な人柄と、丹念に時間をかけて繰り返された取材の賜物であろう。
    1日も早くジャーナリストとしての第一線に戻って来ることを願わずにはいられない。

  • トランプ氏が大統領選挙に勝ってすぐに対談を実現したエピソードが中心。本人の体験よりも他人から聞いた話で構成されているようだ。

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/Abe_Trump_Meeting.html【書評】『暗闘』トランプとの電撃会談の背景、親ロシア派の意味、ケミストリー : なおきのブログ
    http://naokis.doorblog.jp/archives/Japan_America_Russia_China.html【書評】『暗闘』〜日米露中四か国関係 : なおきのブログ


    <目次>
    第一章 安倍・トランプ会談の衝撃
    第二章 トランプ陣営の正体
    第三章 安倍・トランプ時代の日米関係
    第四章 官邸と外務省の暗闘
    第五章 日露交渉
    最終章 安倍外交が目指すもの
    あとがき

    2017.07.21 読書開始

  • 読んでおいて損はない

  • 安倍晋三さんの代弁者山口敬之さん、『総理』に続く第二弾。
    ニュースで断片的ににしか見られない安倍さんの本音が知れて、とても面白いです。

    たとえばトランプ氏が当選した直後、安倍さんとの会談があって、
    当時私にはとても軽くお調子者に見えたのですが、
    実はずっと前からきちんと根回しされていたことを知りました。

    トランプ氏が就任前に会談をした海外首脳は
    安倍さんただ一人だったそうです。
    これって凄くない?

    そして最終章に書かれている安倍さんの真珠湾訪問。
    なぜ2016年12月27日だったか?いろいろな件が複雑に絡み合っている。
    また私は真珠湾攻撃について「それは、アメリカ怒るでしょう」と思っていたけど
    この本で別の見解を知りました。

    安倍さんの真珠湾での演説が素晴らしく、その中に
    「憎悪を消し去り、共通の価値の下、友情と、信頼を育てた日米は、今、今こそ、寛容の大切さと、和解の力を、世界に向かって訴え続けていく任務を帯びています。」
    とありました。

    池上彰さんの本を読むと、トランプ氏に厳しい意見が書かれています。
    でもこの本では結構称賛している。
    真珠湾演説を読んでそれが安倍さんの方針なんだと思いました。

    最近スキャンダル続きで大変だけど、頑張ってほしいです。
    詩織さん(山口さんに準強姦されたという人)の会見を見た時は
    「民進党が安倍さんを辞めさせようとしくんでいるのでは」と思いました。
    『総理』を読んだ後は、「財務省ではないか」と思いました。
    この『暗闘』を読んでからは「いや、外務省が怪しい」と思い始めました。

    山口さんの第三弾が楽しみなんですが、発行できるでしょうか…。

  • 野党は無策で、自民党内にもポスト安倍はいない。もはや国内では敵無しとなった安倍長期政権の次の目標は外交だ。

    本書は外務省に頼らない、総理自らが直接指示する安倍外交の分析に多くのページを費やしている。そして、安倍外交の最重要ターゲットがトランプ大統領だ。

    トランプの大統領就任前にいち早く面会し、良好な関係を築き上げた安倍総理は在日米軍問題や対北朝鮮問題の解決を狙う。これぞ、安倍総理が保守政治家として期待されていることだが、その結果、親安倍派はますます安倍総理を応援し、反安倍派はますます攻撃を強める。

    安倍総理としては、自身の評価が2極化することを覚悟の上で、政権の総決算に挑んでいる。その最終目標が憲法改正だ。

全30件中 1 - 10件を表示

山口敬之の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×