下北沢について

著者 :
  • 幻冬舎
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本棚登録 : 341
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344030084

感想・レビュー・書評

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  • 下北沢の街の雰囲気、カルチャーは確かに吉本ばななさんにとてもフィットしていると思えたし、このようなエッセイからも吉本ばななさんのスタンスや考え方、物事の捉え方が滲み出ていてやはりとても好きだなと思えた。
    二度と戻らない日々を懐かしく思い出しながらも前を向き、今を生きること。
    神様のイタズラみたいな偶然が人生を面白くしてくれること。

  • 下北沢は思い出の街だし、現在進行形かな。
    昔主人が住んでて、結婚前はしょちゅう行ってた。
    そして今は息子が住んでるし。

    いろ~んなお店があって、いろ~んな人たちが闊歩してて、その中には吉本さんもいて、吉本さんの日常が繰り広げられているんだろうな。

    私は今度いつ息子に会いに下北沢に行けるかな~

  • 面白かった!
    この人の人生観好きだと思う。
    文中の、
    「自分にとっての学校というもののあまりの意味のなさにすっかり失望して、学校というシステム自体に参加する気がなくなっていた。」というところ共感してしまう。
    「安心できる制度があり、ある程度一生守られているけれど、ある一定の決まりを超えたら全部だめになるよ、だからおとなしく同じようにしていてください、という雰囲気」が、もちろん今の日本のスタンダードなもので、私はいつもそれを意思とは関係なしに超えてしまったりする人間だから嫌だったのだけれど、それを「単純に面白くないから私はそこに入れない」と名言しているところが強くて好きだなと思った。切羽詰まったわけじゃないそんなゆるい理由で迎合しない意思を示す人っているんだな良いな〜〜〜と。

  • 私の(漠然とした)憧れの街である下北沢のお話。吉本ばななさんが下北沢で体験した出来事のエッセイ本。
    きっと、この本で描かれているのは少し前の下北沢が多くて、自分のイメージする下北沢であるカルチャーが混在しててそのカルチャーを愛する人が多くいる街が、そっくりそのまま描かれていて読んでいてワクワクします。
    そして、この本には愛とパワーがあって、読んでいてほっこりします。押し付けがましいものではなくて、生きる上で培われてきたような愛とパワーが素敵です。

  • 「住むところ」で自分自身の人生も少なからず変わっただろうなと最近特に感じていましたが 「選べなかったほうの人生を夢見ることはできない。

    でも、選べなかった人生が私に微笑みかけてくれるとき、いつでもその人生に恥じないようにあることはできるかもしれない。」(本文より)
    この一文で少し救われた気持ちになりました。

    ばななさんの上の階にぶたが住んでいたり(笑) 
    お風呂に入っている時、上の階で同じく入浴中のトータス松本さんの歌声が聴こえて来たり そんな裏話も羨ましく思いながら、微笑ましく読ませて頂きました。

  • 20210226 そういえばそんな街だった。下北沢にはみんなそれぞれの想いがあるのではないだろうか。私も大学時代と社会人の、最初の何年かお世話になった記憶がある。今は無理かも知れないが落ち着いたら行きたいと思う。まだあるかなと言うお店がいくつかある。

  • ご近所の先輩、半引退が気になる。
    バリバリ書いて欲しい。

  • そう、下北沢は昔はゆっくりしすぎた感じの雰囲気で、本とお茶が飲めるところが結構あって、八百屋さんがあって(懐かしい!何年前だろう。小さい頃、おじさんがよく飴をくれた!)、魚を食べるには意外といい場所。

    「私は、世界が彼のお店のような、時間をかけて創られて行った場所をなくしてしまうような方向に流れたことを悲しく思う。いつかまた流れは戻ってくるかもしれないが、あのお店はもう戻ってこない。
    何を得て何を失くしたかだけには、自覚的でいたい。
    そして私は、彼はきっとこの期間の私に神のようなものがつかわした天使なのだと思っている。

    一度でも誰かの天使になったひとは、きっと幸せになる。そう信じている。」

    自分に染み込んで欲しい言葉。

  • 吉本ばななさんのエッセイ本。
    子育て中の人にぜひ読んでもらいたい。この一日一日を、大変だけど大切に生きようという気持ちが受け取れる本です。人生への考え方にとても共感するところがあり、大切にしたい1冊になりました。

  • 彼女の本を読んだのはおそらくTUGUMI以来。
    下北沢に長く暮らしている吉本ばななのエッセイだが、私自身も7年ほど小田急線沿線に暮らし、定期券でよく下北沢に行っていたので、懐かしくてこの本を手に取った。
    しかし、図らずも、私が読書を疎かにしていたことに、この本から気づかされた。
    私がそこはかとなく気づいていたことがすべて言葉として表現されていたから。
    なんか悔しい(笑)。
    やはり同世代だし(あちらが少しお姉さんか)、老いていく親のこと、昔を思い出すこと、読んでいていろいろと切なくなる。
    みんな同じなのだな、と。

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉本ばななの作品

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