- Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344028395
作品紹介・あらすじ
ウケる、とはどういうことなのか?話芸と文芸、二人の"芸"達者が、付かず離れず、自由自在に「芸能」を掘る、掛け合いエッセイ。芸能談義、49番勝負!
感想・レビュー・書評
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清水ミチコさんは緊張した時に「平常心のモノマネ」(いつもの自分のモノマネ)をするという話が印象に残った。
私は人前が苦手だ。
小学生の頃からずっと「発表」や「代表」はできる限り避けてきた人生だった。
人前で話そうとすると上手く言葉が組み立てられなくなって、しどろもどろになって、そんな自分にパニックになって平常心が保てなくなって...と悪循環になりがち。
だけど、あの清水ミチコさんだって本番前は緊張するんだ。
舞台慣れなど全くしていないただのパンピーが人前で緊張するのは当たり前。
酒井順子さんの「中年がおどおどしていても、良い事って一つも無いんだな」っていうのもしっくり来る。
緊張の原因は人によって色々あるだろうけど、私の原因はうまくできない自分を許してしまう事。
つまり緊張を外に出すのは、私にとって甘えだ。
事前に練習やイメトレをしっかりして臨んだ人前の場はそこまで緊張しないし、緊張しても平常心は何とか保てる。
それはわかっているのに、ついつい準備に時間をかけなかったり、こんなもんで良いやと妥協してしまったり、できないと思われても仕方ないと諦めてしまったり…そんな自分への甘えが緊張という形で表れる。
うまくできないかも…と感じても、顔に出さずに平常心のモノマネをすることは自分に負けないという事。
そろそろ人前が苦手な自分に負けずに生きていきたい。
おどおどしていても、良い事って一つも無いんだし。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白くて、あっという間に読み終わってしまいました。
酒井順子さんも、清水みっちゃんも大好きなんです。
対談ではなくて、リレーエッセイというのがすごく良い選択だと思います。
対談にすると上手くいかない例をいくつか見ているので。
面白いだけじゃなくて、冷静に分析しているお二人。
いろいろ勉強になります。
最後のほうで劇場の生花について触れていて、
私はお友だちのバレエ発表会を見にいくと、しばしばプレゼントのお花をもらってきて、これはとても良い方法だと思っていたんです。
でもみっちゃんのお話では、最近それがNGのところが増えているとか。
そういうのがひろがらないでほしいなあと思いました。 -
清水ミチコさんと酒井順子さんのリレーエッセイ(掛け合いエッセイ)「芸と能」、2015.10発行です。タレントの清水さん、エッセイストの酒井さん相手に大奮闘ですw。でも、やはり軍配は酒井順子さんでしょうか~(^-^) 酒井順子さんの「集団行動」「森光子」「水着と眼鏡」「往年のヒット」、清水ミチコさんの「ライバル」、面白かったです。
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ふたりの往復書簡…と言えばいいのかな?最初のうちはあまりふたりを順に出して○○様(相手の名前)へと書く意味があるのかな?と思いつつ、読んでいましたが、
後半になるころには、往復書簡が成り立ってきていました。 -
さらりと読了。
みっちゃんのライブ見たくなった。 -
私やっぱり酒井順子の文体苦手だ。
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サカジュンとミチコさんなら面白くないわけがない、と思い手に取り。ちょうど「ゴロウ・デラックス」に清水さんが宣伝ででていたのを見ていたこともあり気になってました。
掛け合いエッセイ、といいつつも当初は全然掛け合ってないお二人。その時その時の自分旬ネタなどを披露していきながら段々ちょっとだけ掛け合い風になって行ったような。ちょっとだけね。
サカジュンは元々歌舞伎ですとか日本伝統芸能がお好きな方と思っていましたが、段々とその方面が深まって広がっているようで、多分その方面に何の興味も持てない方々には徐々についていきにくい話になってきているように思われます。
エッセイストとして今後どの方面で生き残っていくのかというのがかなり迫ってきているように思います。
清水さんの話のほうが面白い、と思う人が多いでしょうね。私はそれぞれの話の内容というより、掛け合いの全然掛け合ってないっぷりが面白かったけれども。
これ続編あるかなぁ。ない気がするなぁ。 -
清水ミチコさんは、芸も文章も大好きな人。酒井順子さんは…、うーん、ちょっと微妙。面白いなあと思って読んだものもあるけれど、好きとは言えない。何というか、「冷静で落ち着き払った感じ」がして、根がおっちょこちょいの私は親しみを感じにくいのだと思う。
これはお二人のリレーエッセイという形だが、お互いにほめあってばかりの内輪話というよくあるものとは(当然ながら)違っていて、相手の話題を受けつつ好きなことを言ってる感じで、そこが良かった。特に清水さんは、酒井さんの質問をあっさり無視したりしてて、いやまあそれは照れくさいからだと想像できるのだが、そういうはずし方がいかにもミッチャンである。
お気に入りの箇所をそれぞれいくつか。
酒井さん
八代亜紀さんのライブでのトークがすごく可愛いそうで、「赤ん坊に話しかけるお母さんと、ヤクザに入れあげる情婦を足して二で割ったような、何とも甘い、とろける滑舌」と書かれている。最近読んだなかで一番強烈な比喩。
「アナと雪の女王」を見て、自分の子どもの頃とは「姫」観が違うと感じ、「ただ『王子様に見初められて幸せになりたい』のではなく、『幸せを自分の力でもぎ取りたい、でもきれいな格好をしてなくちゃイヤ。なんなら、王子様を私が助けてあげるわ』くらいな感じなのか」と。なるほどなあ、最近じゃアイドルもニッコリしてるだけじゃダメだもんね。
タカラヅカを見るとつい「ぷっ」と吹き出しそうになる、と書かれていて、おお!これはなかなかできない勇敢な発言ですよ。対する清水さんには「轟寿々帆」というヅカスターネタがあるそうで、さすがだ。(美輪明宏のマネも鉄板らしい)
清水さん
いつも思うのだが、ミッチャンって洞察力があって、しかもそれをきっちり言葉にできる人なのだなあ。言われてみればそうだよね~と思うことが多い。
「文章というものは、やはりネタにも似て、『共感こそ命!』なのではないでしょうか」「モデルの方なんかに多く見られる、イバリちらした、安っちい幸せ生活の文章のどこがいいの?と思うようなブログでも、そこには享受する人が必ずいる」
「酒井さんもそうですが、黒柳徹子さん、松任谷由実さん、矢野顕子さんなど、東京生まれの女性は、アキラメが早いのが特徴のような気がします」「物事にぶつかったらすぐに、『そりゃ、しょーがないじゃない』つってカラッと次に行く」「しがみつかないあのカンジ」
高校生の頃、テレビに出だしたタモリさんを見て「なんてステキな芸風なのだ、テンション低めだし、言葉遣いが丁寧」と夢中になったそうだ。「当時新人だったはずなのに、腰が低くはなかったのです。なぜか妙に威厳があるという」 この「妙に威厳がある」というのは実に言い得て妙。 -
清水ミチコの文才を再認識。