アベノミクスの真実

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344023741

作品紹介・あらすじ

デフレの原因から脱却への道筋、未来予測まで。政権ブレーンが分かりやすく解説。

感想・レビュー・書評

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  • 改めてアベノミクスとはなんだったのか?そして、それが実行に移された目的と背景をしっかり理解できました。
    経済理論を筆頭に、反論に対するデータなどが保有で読みやすかったです。

  •  本が好き!様からの、献本でいただいた一冊。是非読んでみたいと思っていたので嬉しかったです、感謝! <(_ _)>

     さて、題名の示すとおりに「アベノミクス」についての一冊になります。著者の本田悦朗さんは、内閣官房参与とのことで、第二次安倍内閣のブレーンのお一人でもおられるようです。

     内容はとてもわかりやすくまとめられていて、経済に対して苦手意識のある私でもさらっと読めました。この辺りは『アメリカは日本経済の復活を知っている』と同じですかね、、わかりにくい事をわかりやすく伝えてくれる方は本当に凄いなぁ、、と。

     そのアベノミクスの軸は「三本の矢」とも呼ばれる以下の3点。

     第一の矢は、金融政策によるデフレ脱却戦略
     第二の矢は、機動的な財政政策
     第三の矢は、民間投資を喚起する成長戦略

     「日銀の金融政策が不十分だからこそ、こうしたデフレと円高という状態が続いた」とされて、まずそれに対する処方箋と、市場の期待の喚起。これは、企業の内部留保を吐き出させるための戦略でもあるとのこと。そして、醸成された「期待」に対し、具体的な財政政策(規制緩和や経済特区等々)で応えていくと。

     この流れだと、どうしても株を持っている投資家などが先行してしまいがちですが、投資が活性化されていけば全体の物価指数も底上げされて、結果、株を持っていない人々の所得増にもつながっていくのだろうと、、中長期的に見る必要がありそうですが。

     近視眼的に反対している方に共通しているのは「アベノミクスに反対する人は「現状をどうすればよいのか」という建設的な提言をしようとしません」との点でしょうか。反対のための反論になっていて、具体的な対案を耳にした覚えがありません、、確かに。

     また、個人的にスルッと入ってきたのは、「通貨を共有するためには、経済的な条件のほか、歴史・伝統・文化やアイデンティティを共有する必要がある」との点。今のユーロ経済圏がいびつになっている事を踏まえ、制度設計上の欠陥があるとされています、、なるほど、確かにEUからは不景気な話しか聞こえてきません。

     そして「安倍総理は、自由・民主主義国家が経済面でも緊密に連携することの地政学的(ジオポリティカル)な意味も強く認識しています」とされているのは、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を意識されてのことでしょう。あくまで普遍的な価値観を前提にしての、経済圏、そして国防圏の確立。

     安倍さんと麻生さんが掲げている「セキュリティ・ダイヤモンド」や「自由と繁栄の弧」の根底にある「価値観外交」ともリンクして、非常にわかりやすい戦略になっていると、思います。安保と経済、この二つは古代ローマの頃から分かちがたく国防の軸でもあります、そこを見失っていたのが、この間までの民主党政権であったかと。

     個人的には、非常に期待もしていますし、頼もしく感じます。価値観を共有できる人々と伍していく必要はあるでしょうが「同じルールで議論ができるかどうか」は、重要と思います。

     そんな事を経済という切り口からあらためて考えさせてくれました、そんな一冊です。

  • 2020.11.15読了

  • アベノミクスが始まった当初に内閣官房参与の本田悦朗さんが書いた本。

    特に第1の矢、大胆な金融政策について書かれています。

    もう6年以上経過しましたが、インフレ率が2%に到達する気配は全くありません。

    ただ、大胆な金融政策を実施してなかったら、今より低いインフレ率だったろうし、もっと円高だったと思います。

    やっぱりデフレの正体は、藻谷さんの言う通りな気がします。

  • アベノミクスが良く分かる内容だった。
    社会主義と資本主義の経済の違いも解説されており、読み応えのある内容。
    安倍首相公認の本。アベノミクス反対本も読んで、より内容を深めていきたい。

  • おそらくこの人は消費税8パーセント増税時に、斬られ役として意図的に増税推進派にたったのではないか。

  • アベノミクスを正しく認識するための最適の書だと思う。
    非常に分かりやすい言葉で書かれており、スタンスも公平なので拒否感なく読み進められる。

    アベノミクスの政策の中身(第一の矢である金融緩和が中心ではあるが)や、それがどう経済に作用するかなど具体的且つ丁寧に書かれているので、アベノミクスを理解するには持って来いだ。

    と同時に、巷に溢れている反アベノミクス関連本が如何に如何わしいものであるかもよ~く理解できた。
    (P135に手短に総括してます)

    後、ポール・クルーグマン関連の書籍も読むとさらに理解が深まります。

  • 最近、アベノミクスは必ずしも良い方法ではない(特に、わざとインフレを起こすこと)という本を読んできたので、今回は安倍総理も公認していると本に書かれている通り、アベノミクスの素晴らしさを解説している本を読んでみました。

    アベノミクスを構成する3本の矢のなかで、最も重要なものが一本目の「金融政策によるデフレ脱却戦略」で、それが最優先課題で、その成功により、二本目の「機動的財政政策」、三本目の「民間投資を喚起する成長戦略」となるようです。

    もう20年近くもデフレしか経験していない人たち(年齢では35歳以下)は、デフレに慣れきっていて考え方を変えるのは難しいかもしれませんが、インフレを経験した中高年の人も、高成長を伴うインフレは経験しても、この本で述べられているインフレは経験したことがないので、すべての人にとって初めての経験になることでしょう。

    私は個人的には会社に勤務するのは10年程度ですが、その間に、考え方を揺るがすような大変化がおきるか可能性は否定できないと思います。思い返せば、新入社員時代の平成元年から言われてきたと思いますが、常にその対策をうって、後悔をしないように、社会人生活を送りたいと思いました。

    この本で、最も疑問に思ったのは、「2%程度のインフレ率が実現する際には、賃金はそれ以上に上昇しているはず(p100)」と、さらっと述べているのみで、なぜ賃金が上がるのかに対する説明が、私は見つけられませんでした。

    しかし、2%インフレとは、通貨が徐々に価値を失っていくこと(p167)であり、この仕組みは、成功した「地域通貨」の考え方に似たところがあると思いました。確かにお金を使う気にさせる一つの要因として、価値が減っていくお金なら使ってしまおう、という気になるのは理解できました。

    以下は気になったポイントです。

    ・崩壊直前のソ連では、ソ連製ではないモノが本当の価値を持っていて、それがマールボロが金の役割をして、みながマールボロを通貨の代わりに使っていた(p17)

    ・2002-07年まで日本の実質経済成長率はプラスであったが、日本の労働者の賃金は増えなかった、理由は企業間にインフレ予想が生まれなかったので利益は内部留保に回った(p26)

    ・1本目の矢は金融緩和、ベースマネー(民間金融機関が日銀に預けている日銀当座預金と、現金を足したもの)をふやすこと、当座預金を増やすには、民間銀行が保有している国債を買い入れる(p29)

    ・デフレ下の日本が円高になっていたのは、実質国債金利がプラスになっているので、海外ファンドマネージャが自国通貨を売って円を買って国
    債を購入したから(p34)

    ・日銀の金融緩和が不十分だったので、デフレと円高が続いた(p73)

    ・買いオペにより金融市場等の投資家の期待を変えようと思うと、残存期間が5年以上の長期国債を買わなければ効果がない、それらを通して予想インフレ率が醸成される(p81)

    ・銀行貸し出しは3年半減り続けている、これは企業の内部留保で賄えたから(p104)

    ・日本は第一次世界大戦後の勃発とともに金本位制を離脱して以来インフレが進行していて、復帰時にはインフレ分を考慮すべきところ、旧平価で復帰したので、通貨発行量が急減して深刻なデフレとなった(p109)

    ・これを解決したのが高橋是清で、金本位制から再度離脱して、通貨供給を増やしてインフレに変えた、激しいインフレになると懸念した高橋は引き締めに転じたところ、軍部から暗殺された、後任が財政出動を増やした結果、インフレとなった(p110)

    ・銀行貸し出しが増えたのは、高橋がデフレ脱却策を講じてから2年半後、このゆにタイムラグがある(p111)

    ・ソ連時代は、各共和国に特定の品物を集中的に作らせていた、なので独立できなかった、そのような仕組みを人工的に造りだしてソ連邦を維持していた(p148)

    ・ソ連邦が崩壊して15の共和国が独立すると、今まで国内取引が国際貿易となったが、貿易がうまくいかないので、生産能力が落ちてGDPが半分になった、その結果すさまじいインフレ(2000%)が起きた(p149)

    ・カネは少しずつ、徐々に価値が小さくなっていく(2%のインフレ目標の意義)のが丁度良い、すると誰もがカネを使おうとして取引が活発になる(p167)

    2013年6月9日作成

  • 非常に簡潔で分かり易かったです。最終章のTPPの話題も興味深く、著者の考えには共感できました。今現在(2013.5.30)上昇続きだった株価が乱高下し始めたと、マスコミがアベノミクスの限界だとかあーだこーだ騒いでいるけど、実際ここまで良い雰囲気になったのは事実ですし、何とか上手く景気回復して、その後の外交・安全保障・憲法といった本丸の政策の実現に繋がるように期待するところです。

  • よく言われるアベノミクス。
    結局なんなんやろーということで、ちょっと眉間にシワをよせながら読んでみた。

    内容は、よくマスコミからも聞き覚えのある「三本の矢」。
    第一の矢は、大胆な金融緩和。
    第二の矢は、機動的な財政政策。
    第三の矢は、民間投資を換気する成長戦略。

    うーん。。
    たぶん、大胆な金融緩和で、人々が「おっ!これはいいんじゃない?!」って景気がよくなるかもというインフレ予測を感じさせつつ(期待させるのが大事!)それに合わせて財政政策で期待に応え、民間投資家が投資したくなるような状況にすれば、株をもってる人だけじゃなく、物価指数が2%あがる頃には、もっと所得も増えますよ!的な。

    たぶん、少しはわかったと思う。

    なんにせよ、アベノミクスに反対する人は「現状をどうすればよいのか」という建設的な提言をしようとしないで、うまくいかない理由だけをいくつもあげてくる。
    どこでも一緒か。。

    批判しとけば、賢くみえると思っとるんやろう。批判するのが仕事と勘違いしとる。sそれか、ただ非協力的なだけか。

    安倍総理、期待してます!!

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