上と外

著者 :
  • 幻冬舎
3.69
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本棚登録 : 397
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (510ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344002999

作品紹介・あらすじ

両親の離婚で、別れて暮らす元家族が年に一度、集う夏休み。中学生の楢崎練は小学生の妹、母とともに、考古学者の父がいる中央アメリカのG国までやってきた。ジャングルと遺跡と軍事政権の国。そこで四人を待っていたのは「軍事クーデター」だった。離れ離れになる親子、二度と会えないかもしれない兄と妹!密林の中の謎の遺跡と神秘の儀式。絶え間なく二人を襲う絶体絶命のピンチ。ノンストップの面白さで息もつかせぬ1350枚。

感想・レビュー・書評

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  • なんと!まさに中学生の頃に妄想していた冒険のようなお話し。

    中学生の練と千華子は母親の千鶴子と一緒に離婚した考古学者の元夫、賢に会いに行くためにG国へ向かった。マヤ遺跡を空から見るためにヘリコプターで向かっていた最中にクーデターが勃発し、なんとなんとヘリコプターから練と千華子が放り出されてしまう!!なんとか命拾いしたものの、ジャングルの中でニコという少年と出会う。そしてある儀式に参加させられる。
    賢と千鶴子は子供を探すために、子供たちは生きるために必死に考え、行動していく。後半はとてもスピード感があって一気に読んだ。

    こんな夏休みがあったらいいなと妄想していた少年時代を思い出し、楽しい気持ちになれました。恩田陸さんありがとー!!

  • 海外で働く考古学者の父のもとへ、母と妹の3人で会いにいく。
    そこでクーデターにあい、ヘリコプターに乗車中、ジャングルの中へ落とされる。
    ジャングルの中で様々な困難にあいながらも、なんとか生き延びようとする力が凄い。

    今までで1番長い長編作。あっという間に読んだ。

  • マヤ文明を土台に語られる長編。
    なんとも言えないスケールの壮大さなのだが その根底にとうとうと流れるのは
    下町の小さな町工場で働く祖父の天性の広い視野と柔軟性だったりする。
    フィクションでしかあり得ない様々な出来事が ここでもやはり「人」「真心」に救われるのである。
    ひとりひとりが「人」であり「命の単位」なのだ。一単位がしっかりその役割を果たさなければ何事も成し得ないのだ。なおかつ 一単位のみでは何も成り立たないのだということを 感動と共に思い知らされる。

    人類は果たして本当に進歩に向かっているのだろうか?
    そんな疑問さえ抱いてしまう作品である。

  • いやあなかなかのワクワクドキドキ感。聡明な子供たちに脱帽。最後ににやりとした。

  • 面白かった。
    おじいちゃんスゴい人だ。

  • 文庫書き下ろしで6冊、それを上下巻の単行本化するという、ちょっと変わった出版方式で、その上下巻合本をKindle化したのが本書。
    G国という架空の南米アマゾンのマヤ文明遺跡が残る国のジャングルに、いきなり落っことされた兄妹がサバイバルするというストーリー。
    奇想天外なシチュエーション、舞台設定は恩田陸さんのお手の物。この物語もマヤの子孫たちの非常に神秘的で魅力的な設定が面白い。
    ラストのヘリコプター救出シーンの迫力には思わず熱くなった。

  • 恩田陸には珍しい感じがする、中南米を舞台にした冒険活劇。

    発掘調査をしている父に会うため中米のG国を訪れた兄妹がクーデターに巻き込まれ、両親とはぐれてジャングルに放り出される。

    ふたりは無事に生きて家族と再会できるのか?
    G国のクーデターの首謀者は?
    ピラミッド内で行われる謎の「儀式」とは?

    ハリウッド映画をみるかのような感じかな。
    ずいぶん分厚い二段組の本だったけど、最後までペースが落ちることなく読みおえた。

  • あーーー疲れた。
    何回死にそうになったか!次々と新たな危機に襲われまくり。でも読み応えはしっかりしていて面白かった。でも本当に疲れた…

  • 中学生と小学生がジャングルでサバイバルするという突飛な設定なのに、ぐいぐい物語の中に読み手を惹き込んでいく描写の数々に、さすが恩田さんだなと改めて思いました。
    序盤の家族関係の説明にあたる部分は、ちょっとかったるいかなとも思いましたが、後々の展開で序盤の話が活きてきて、登場人物の心情がより胸に迫ってくる気がします。

  • 壊れかけた家族4人が、異国の地でクーデターに巻き込まれ離れ離れになる。
    ジャンクの中でのサバイバル、兵士からの逃走劇、ハラハラドキドキの冒険小説。

    マヤ文明に興味があり手に取ったのですが、冒険小説としての意味合いの方が強かったです。
    前半の家族のストーリー、後半の離れ離れの家族のそれぞれの冒険シーンはとても面白かった。
    途中の「成人式」という儀式のシーンは、現場の様子、状況が目に浮かばす流し読みになってしまいました。残念。

    この厚さ、この長さのものを一気に読ませる筆力には脱帽です。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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