狐霊の檻 (Sunnyside Books)

著者 :
  • 小峰書店
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本棚登録 : 314
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338287135

作品紹介・あらすじ

富と権力をほしいままにする阿豪家に囚われた狐霊あぐりこ。解放され、美しい故郷の森へ帰ることをせつに願うあぐりこを助けるため、千代は命をかけて阿豪家に立ち向かう。二人は無事に逃げ出すことができるのか…。

感想・レビュー・書評

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  •  貧しい身の上の少女か売られてきた家での仕事は、幽閉された娘のご機嫌とりだった。
     廣嶋玲子さんの作品では、欲と業に溺れた人間たちが作り出していく闇の描写が多い。ある時は、それが祟りを生み出していく。ホラーでも、怪談でもないが、あらゆる世代が楽しめるジャンルの小説だ。

  • 表紙が怖くて最初は敬遠したのだが、娘の勧めもあり挑戦。表紙に描かれているものは、確かに怖い存在なのだけれど、読み進むうちにだんだんかわいくなってくる。可愛いというのは言い過ぎかもしれないけど、面白く読んだ。

  • あぐりこさまがかわいそかわいいんだ…。
    廣嶋玲子先生は囚われの魔物、みたいなのを書くのが本当に上手い。
    あと人でなしの金持ち連中。
    ラストの千代のあぐりこ様への…で不覚にも涙ぐんでしまった…。
    本当に一緒にいられない系のオチに弱い。
    これはモンスターズインクと同じ系譜です。
    だからこそ犬丸の提案したラストでめちゃんこ救われたな…。

  • 人間が愚かな人だけでなくて良かった。

  • 初めてこの方の作品を拝読しました。

    着物の狐目女の子の表紙絵と題名から「和風ファンタジーかな?」と惹かれ手に取りました。期待通りでした。

    あぐりこ様、最初は「あっこれは中盤まで心開いてくれない感じ?」と思いきや、千代ちゃんがいい子だったこともあってすぐに打ち解けて、神霊とはいえ愛らしい一面も見せてくれる妾っ子で大変好きです。狐姿のあぐりこ様もふもふしたい。

    千代ちゃん、普段は泣き言を言わないとても強い子で優しい子だけど、たまに年齢相応に抜けがあったり感情を隠しきれなかったりする場面があってとても可愛いです。生い立ちが本当に不憫で切なかったですが、最後はきちんと報われてほっとしました。

    阿豪家はなんというかもう…滅びるべくして滅んだなって。「八百万の神や精霊は大事にすれば豊かにしてくれるけど、粗末に扱うと祟りがある」という日本人には馴染み深い思想がベースにあって、そこもすごく好きです。感謝を忘れればバチが当たる、奢れるものは久しからず、ということでしょうね。平八郎さんはもし阿豪家の人間じゃなかったらきっとあんな風にはならなかったのにな…

    犬丸さん、まさか話本編にあんなふうに絡むとは思ってませんでした。名前付きの登場人物だから何かあるかとは思っていましたが…あれはずるい…素敵すぎました。


    久々に引き込まれる作品でした。この方の他の作品も読んでみたくなりました。

  • あぐりこさまが助かって良かった!
    ずっとハラハラ展開でした

  • 児童図書なので穏やかに読む事ができた。守り神を閉じ込めて一族の繁栄を永久に得ようとする阿豪家、邪気を放ち続けるが守役千代が来て状況が一変する。

    最近つかれているのか児童図書をむさぼるように読んで心が落ち着く。

  • 978-4-338-28713-5
    C8393¥1500E

    狐霊の檻
    (これいのおり)

    2017年1月21日 第1刷発行

    作者:廣嶋玲子
    画家:マタジロウ
    装丁:大岡喜直
    発行所:株式会社小峰書店

    カバー袖より
    なんてきれいで、なんて痛々しいんだろう・・・
    死なない限り、外へは出られないなんて!

    ---------
    序章
     1 阿豪屋敷
     2 闇の中の少女
     3 あぐりこ
     4 一言の救い
     5 祟り
     6 過去と希望
     7 犬丸
     8 屋敷の奥
     9 試み
    10 祝い酒
    11 囚われの身
    12 決行
    13 よみがえり
    14 追っ手
    15 影者
    16 対決
    17 それぞれの行く先
    -------

    手にした理由
    廣嶋玲子氏の作品で、読んでみたかったんだけど、表紙絵からして怖い話だな、きっと。でも、この著者さんは救いのある最後を書いてくれるので、この機会に読むことにしました。コードナンバーも児童書なので^^;。
    ----------------

    もくじに里道を歩くみのをかぶった7歳くらいの女の子(女童って感じ)が描かれている。贅沢な物語の始まり。


    途中、追っ手の迫るところは残りのページ数が気になって、どう終わるのかドキドキしてしまった。
    辻褄は合うがそう来るのか…。と最後の畳みかける展開に夜更かしして読んでしまったw

    阿豪の(とは書かれてないけど)家のその後をうかがわせるラストの数行が余韻となって、本を閉じたときの裏表紙の千代の姿にまたほぅ~っと息をついた。

    呉丸、千代、かがり それぞれの生活が穏やかであることを願わずにはいられない。

  • 最初は人間を好ましく思っていなかったけれど、仲良くなるにつれて衝撃の事実が!

  • 平成30年西日本読書感想画指定図書(高学年)
    ある一族の守り神として90年もの間閉じ込められている孤霊と、その孤霊をなんとか助けようとする下女の少女、千代の話。
    一族の男は千代に対し孤霊の機嫌をとるよう言いつけて千代を見張り、時に暴力を振るシーンもあり、ただ、屋敷の使用人というだけで、こんな目にあわされる事の歯痒さもあった。(児童向けなので、激しい描写はない。)
    千代のめげない姿と、屋敷の中にいる千代の味方に救われながら物語を読み進める事が出来た。


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著者プロフィール

神奈川県生まれ。『水妖の森』で第4回ジュニア冒険小説大賞、『狐霊の檻』で第34回うつのみやこども賞受賞。作品に『送り人の娘』、『おっちょこ魔女先生』、『盗角妖伝』、「怪奇漢方桃印」シリーズ、「秘密に満ちた魔石館」シリーズ、「十年屋」シリーズ、「鬼遊び」シリーズ、「妖怪の子預かります」シリーズなどがある。

「2023年 『ふしぎ駄菓子屋 銭天堂1・2・3(3冊セット)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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