- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784338144285
感想・レビュー・書評
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チリの最南端の町からも離れた荒野に夫婦二人で営む農場があった。息子のパオロとひっそり暮らす夫婦は、時折訪れる旅人(冒険家だったり地質学者だったり…)にワインを提供する質素な静かな暮らしをしていた。そこへ突然訪れた殺人者でならず者のアンヘルは、夫婦をナイフで殺害し残されたパオロと家畜たちとともに、この農場で暮らし始める。
乱暴者のアンヘルも、落ち着くところを求めていたのだ。
あらくれ者のアンヘルと無垢なパオロ。不思議な信頼関係が築かれていく。そして、放浪の若者ルイスが加わり新たな農場生活が始まる。
パオロの年齢ははっきりしないが、目の前で両親を殺したアンヘルに恐怖心を持たずにいること、やがて両親との生活が完全に忘れられていくこと、最後まで納得できなかった。ストーリー後半の流れはわからなくもないのだが、パオロのその感覚が作品全体を虚構の作品と感じさせてしまっているように思った。 -
もし、もっと早く出会えていたら、違っていたのかも。
でもそれはあなたのせいじゃない。 -
376
2017年では10冊目 -
チリが舞台のヤングアダルト向け小説。
おすすめされて読んでみたものの、なんだかふしぎな話でした。
タイトルの割に、物語は淡々とした印象をうけます。
あまりにも淡々としてたので殺人者の涙もあまり印象にのこらず、涙の意味がよくわからないまま終わってしまった…。
フランスの小説ってみんなこんな感じなんでしょうか?? -
読友の御推薦本。物語の舞台は南米チリの最南端の街Punta Arenasからさらに南の文字通り最果ての地。ただし、原文はフランス語で書かれ、パリで出版されている。本書は、児童文学(とはいっても小学校高学年~中学生向きくらい)に分類されているが、だとすると、このタイトル(原題通りの直訳)で売れるか心配だ。また、物語の終盤をもっと劇的に描くか、あるいは淡々と描くかは評価の分かれそうなところ。最後の1文は、しみじみとした感動が湧きあがってくる。そして、アンヘリーナの名は物語を再び甦らせるのだ。
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チリの最南端、荒れ果てた地に、3人家族が暮らすポロヴェルド農場はあった。
ある日、アンヘル・アレグリアという「天使」と「歓喜」という名をもつ殺人者がこの農場にやってきた。
夫妻を殺したが、残された子供パオロは殺さず、共にその場で暮らすことになった。一年後ルイスと名乗る旅人がやってきて、彼もまたその場で暮らすことに。パオロと出会ったことで安らぎを知ったアンヘル。逃げてきた男と、殺人者、そして子供がひとり。
季節が過ぎ、弱っていたヤギが死んで食べ物がなくなってきたので町へと向かったことから、彼らの心が変わっていく。
重い話ですね。とても悪い事をしたやつだから同情はできないが、なんだろう、この読後感は。
「お前に会った瞬間に俺は生まれたんだ」ってことばに込められてる。