あっちの豚こっちの豚 (プチえほん 7)

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  • 小峰書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (62ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784338064071

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    あっちの豚こっちの豚

    小峰書店
    作:佐野洋子(さの ようこ)
    画:広瀬弦 (ひろせ げん)

    1987年11月18日 第1刷発行

  • 絵本と児童書の中間くらい。
    森で暮らす豚が文明化を強いられる話。
    『ぼくはくまのままでいたかったのに……』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/459350080Xと似た話。
    『ルチアさん』http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4577026368も近いかな。
    電気も水道も仕事もなく暮らすなんて野蛮だし、そんな存在は許せないからと、過去にさかのぼって文明的な暮らしをしてきたことにされる。
    こわい。
    世にも奇妙な物語のようなホラー。

    状況も怖いが「みんなと同じ幸せ」の形がものすごく怖い。
    これ系苦手なんだよ怖いようと思いながらもなんとか最後まで読んだら、さすが佐野洋子な結末だった。
    ただの自然礼賛や昔はよかったで終わらず、怖いだけのホラーでもない。

    自分を見失わず、あったかもしれない選択を妬まず蔑まず羨まず。
    あっちはあっち、こっちはこっちで元気なら何よりと静かに思う。
    体験は怖すぎだけど、私この豚になりたい。


    挿し絵は細いペンでたくさん線を引いたような絵。
    きらいじゃないし、文章のままでわかりやすいけど、文章のままだから文章と合わない部分が気になる。
    そんな枯れ木の森じゃ餌がみつからないよとか何で顔つぶれてんのとか。
    佐野版http://booklog.jp/users/melancholidea/archives/1/4093882711のほうが好き。

  • 幸せは、自分で手に入れるからこそ幸せなのであって、誰かに与えられるものではない。
    押しつけられる幸せなんて、迷惑なだけ。

    やるなら脳みその中身からすべてやってくれ。
    中途半端じゃ、幸せも不幸になってしまう。

    だけど…子どもはかわいいのです。

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著者プロフィール

1938年、北京生まれ。絵本作家。ベストセラー『100万回生きたねこ』のほか『おじさんのかさ』、『ねえ とうさん』(日本絵本賞/小学館児童出版文化賞)など多数の絵本をのこした。
主なエッセイ集に、『私はそうは思わない』、『ふつうがえらい』、『シズコさん』、『神も仏もありませぬ』(小林秀雄賞)、『死ぬ気まんまん』などがある。
2010年11月逝去。

「2021年 『佐野洋子とっておき作品集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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