- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336065650
作品紹介・あらすじ
ある日、夫フロレンシオを誤って殺してしまったオノリーナ。なぜ、彼女は夫を殺す運命を辿ったのか?
オノリーナの恩赦を取り付けようと奔走する弁護士デリアとの面会で、オノリーナが語った数々の回想から浮かび上がったのは、14歳で身売りされ突然始まった夫との貧しい生活、夫からの絶え間ない暴力、先住民への差別といった、おそろしく理不尽で困難な事実の数々だった……
史上初のマヤ語先住民女性作家として国際的脚光を浴びるソル・ケー・モオによる、「社会的正義」をテーマに、ツォツィル族先住民女性の夫殺しと恩赦を、法廷劇的手法で描いた、《世界文学》志向の新しいラテンアメリカ文学×フェミニズム小説。
解説=フェリペ・エルナンデス・デ・ラ・クルス
上野千鶴子、木村榮一推薦!!
「「女であるだけで」味わう絶望と希望」 上野千鶴子(社会学者)
「われわれが失って久しい世界」 木村榮一(神戸市外国語大学名誉教授)
感想・レビュー・書評
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よく耐えてるなーとつらい場面がたくさんある。というか、オノリーナの人生はそんなことばかり。言葉や法でどこまで改善していけるのかと無力感も感じてしまう。でも、どこからでもやっていって改善していくしかない。
オノリーナが自分でいくらかでもお金を稼ぐようになると、いくらかずつ強くなっていく。経済力が有効なことも、現実的には多いな。 -
九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1376183 -
前回もえげつなかったけど、今回もレベルアップ。淡々としてるのよ。勿論フィクションなんだろうけど、ある先住民族の女性の話。現在進行形じゃないよな?昔の話なんだよな?物語に出てくる女性の1人(先住民)が「未だにこんなことが行われているのか」とショックを受ける記述あり、驚愕。ある女性が二束三文で父親に売られる。精神的にも肉体的にも残虐を繰り返され、旦那を殺害。恩赦を受け出所して、初めて2人の子供を含め、人間としての扱いを受け始める。古くからの伝統を守るのは大事なんだけど、余りに文明から引き離された物では。。。
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発展途上国における、女性の地位の低さが分かった。教育が受けられない国では、それが不当な扱いであると気づかない。長く培われてきた文化をそのまま、享受することしか出来ない。女性で生まれた時点で、人生を諦めるしか出来きず、それを全く不幸と思っていないので、とても悲しかった。この本をよんで、国民の三大義務である「子供に教育を受けさせる義務」が大切であることを改めて実感した。
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メキシコの先住民で女であることの生きにくさ.底辺であること虐げられることを運命付けられているような主人公は夫を殺してしまう.この不幸はしかし刑務所に入ることで逆に彼女にスペイン語の読み書きを教え,子供たちを守り,弁護士の友人も得て新しい世界に目を向けさせる.この主人公の再生の物語に作者の強い希望を見た.