- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336062789
作品紹介・あらすじ
超高齢社会を迎え、医療費・介護費の膨張には歯止めがかからず、今や世界に冠たる国民皆保険制度は風前の灯火。ところが医療関係者や製薬企業などの“専門家”は、古い制度や体制に守られ、同時に縛られ、「沈みゆく豪華客船」の中での席取り合戦に終始するばかり。
この苦境を乗り切るため、現役官僚の著者は、社会・経済システムの見直しによる「生涯現役社会」の創設を説く。社会全体が変わる中で初めて持続可能な社会保障制度の構築が可能になるという。前途多難に違いないが、関係者がより広い視点から問題を捉えて行動することができれば、誰一人切り捨てることなく国民皆保険制度を維持する道が見えてくると主張する。
著者は実際にこれまでも、業界内では「不可能」と考えられていた数々の課題に、“部外者”の視点から切り込み、改革を成し遂げてきた。その経験から、絶望するのは、まだ早いと説く。著者が思い描くのは、次世代に残すべきこの国の未来であり、世界が羨望と畏敬の念を持って見つめる「憧れの国」日本の姿だ。
感想・レビュー・書評
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感動
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年金より深刻なのが国民皆保険制度
企業に支払っている社会保険費も、半分は後期高齢者支援金という名の下に支出されている。
高齢者自体は今後も増えない。まずいのは子供が増えないこと。
この薬は30パーセントの人に効果がありますの意味は、3割の確率で少しの間がんが縮小している、という意味。
江戸幕府には100歳近くまで役人をやっていた人の記録がある。
抗がん剤は、がん組織が30パーセント以上縮小した状態が4週間以上継続すれば効いたことになる。
当局は、一度たりとも抗がん剤でがんが治ると述べたことはない。 -
☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB26352999 -
仕事の勉強用
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本のテーマの提案は現実的に十分にあり得そうだが、官僚としての作者のこれまでの実績に感動を覚えた。
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超高齢化社会において社会保障制度が危機的状況な日本でこれからどうすべきか、という筆者の熱い情熱が伝わってきました。「世界が憧れる日本へ」が個人的には1番感慨深い内容でした。”物質的な豊かさを手に入れた後の「幸せの形」が見つけられないことが問題”はまさにその通りだなぁと。最期まで生きがいをもって、人生を過ごす先輩方の背中を見れる日本になってほしいです。
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こんな行政官がこの国にいることをとても誇りに感じました。医療のIT化はとても切実な問題であると考えています。非力、微力ながら江崎氏が示す未来に向けて努力したいのです。
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(提言)
高齢者の社会参画
治療から予防へ
抗がん剤の乱用見直し
薬の開発プロセスや価格見直し、効いたものだけ支払い
医療情報の共有化
(過去実績)
不公正貿易報告書
京都議定書の削減期間
岐阜のブラジル人帰国支援
再生医療 -
東2法経図・6F開架:367.7A/E71s//K
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通産省、経産省を歴任してきた著者が現行の仕組みを変えるために取ってきた行動・心構えを紹介しており、「何かを変えたい」という思いがある読者にとっては心の支えになる一冊である。