- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784336056825
作品紹介・あらすじ
スクリプターとは――映画の撮影現場で常に監督の側にいて、映画のすべてを記録する係。
新藤兼人・マキノ雅弘監督の現場見習いから始まり、日活黄金期の〈渡り鳥〉シリーズでは斎藤武市、日活ロマンポルノでは神代辰巳の女房役として活躍、またフリーランスの女性映画人として根岸吉太郎、池田敏春ら若い世代と共闘し、その後市民のための映画祭・映画館の設立・活動でも奮闘する――激動の戦後日本映画史を渡り歩き、映画を記録しつづけた女がすべてを語る〈実録白鳥あかね・裸の履歴書〉!
感想・レビュー・書評
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日活ロマンポルノの大家神代辰巳のスクリプターとして活躍した白鳥あかね氏の自伝。神代監督がストリップ劇場や踊り子を題材に作品を撮影した現場にも同行し、現場を見聞きしてきた様子が書かれている。浅草ロック座の斎藤智恵子さんのエピソードなども。
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貴重なエピソードのオンパレード…
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男のカツドウ屋は放蕩無頼した挙げ句、早世してしまうから、白鳥さんのような語り部がいなければ、映画史は断絶してしまう。
和田誠が装丁した映画の本である以上、面白いことは必然。その想定を遙かに超える面白さ。
白鳥さんの池田敏春監督への友情が胸を打つ。「あと二ヶ月生きていれば」という言葉は、特に。
これほど壮絶に映画へ臨んだ池田監督のフィルモグラフィーを覗いてみる。超星神シリーズ! あれっ? 急に身近な世界に……。
私にしてみれば、特撮ヒーローものの演出なんて夢のような境地なのだが、池田監督にしてみれば意に染まぬ仕事だったのだろうか。
撮影の合間のスナップが多数おさめられている。(失礼ながら)十人並みの器量の白鳥さんがスター女優と並ぶと、あらためて「女優さんはキレイだなぁ」と思わずにいられない。ゴメンなさい! -
ブログに掲載しました。
http://boketen.seesaa.net/article/405288401.html
おとこまえスクリプターの回想録、さわやかな読後感
日活アクション映画の全盛期から半世紀以上スクリプターとして生きてきた人の、インタビュー形式の回想記。
職業柄によるものか、その記憶のみずみずしさがただごとではない。
インタビュ―アー高崎俊夫(映画評論家)が豊富で細密なデータに基づいて質問し続けるのだが、いつも即答、いつも明解。
「少しは『忘れた』とか、『覚えてない』とかいうことはないのか」と突っ込みをいれたくなるほどの鮮やかな語りっぷり。
しかも、語りかたがおとこまえ。愚痴もなきごともいいわけもなし。ずばずば遠慮なく語っているのに、特定の誰かを貶めたり傷つけたりしない。とにかく映画の現場は面白かったということだけが、伝わってくる。 -
スクリプターとは――映画の撮影現場で常に監督の側にいて、映画のすべてを記録する係。
新藤兼人・マキノ雅弘監督の現場見習いから始まり、日活黄金期の〈渡り鳥〉シリーズでは斎藤武市、日活ロマンポルノでは神代辰巳の女房役として活躍、またフリーランスの女性映画人として根岸吉太郎、池田敏春ら若い世代と共闘し、その後市民のための映画祭・映画館の設立・活動でも奮闘する――激動の戦後日本映画史を渡り歩き、映画を記録しつづけた女がすべてを語る〈実録白鳥あかね・裸の履歴書〉! -
スクリプターという仕事は、監督以上に大切な仕事だということが分かった。たとえフィルムの時代が終わったとしても。